「もしかしたら渡航できるかも。」そんな淡い期待から申し込んだこの留学も終わりを迎えようとしています。結局中国現地に渡航することはできず、アメリカなど他の国に渡航して留学している友達を見て妬ましく思うこともありました。「なんでコロナなんか…」と何度考えたか分かりません。ただ、この留学に参加するきっかけになったのも新型コロナウィルスが大きく関係しているので、この状況に感謝している部分も正直あります。
この一年を振り返ってみると、特に強く感じたことは“朋友”、クラスメイト達の存在の大切さです。オンラインでの留学は画面を閉じてしまったら日本語の生活に戻ってしまいます。ゲームや映画などと同じような感覚になってしまうのです。そんな中で「今留学しているんだ」と気づかせてくれる存在が“朋友”で、「頑張ろう」と励ましてくれるのも“朋友”でした。時間帯も場所も境遇も違う人が同じ授業を受けていて、自分は比較的恵まれている環境でした。なぜなら時間の面では中国より一時間早いため、さほど早起きをする必要もなく、大学も休学して実家に帰省したため学習に集中できます。そして“漢字”も見慣れているため知らない単語が出てきてもなんとなく雰囲気がつかめます。クラスにはまだ暗い時間に起きて勉強している人や、仕事や子育ての合間に勉強している人などがいて、「もっと頑張らなきゃ」と日々感じていました。それでもモチベーションが保てない時期があり、そんな時はクラスメイトとの何気ないチャットや通話、そこでおすすめしてもらった中国語に関連するような動画を観ていました。同い年の日本人留学生と話して息抜きをすることも多かったです。気持ちの面で苦しい時期があっても仲間、“朋友”がいたからこそこの留学を修了できたのだと思っています。この一年で習得したことを定着させるためにも今はHSK6級の勉強をしています。また、復学してからもさらに勉強をして、HSKKも受験したいと考えています。
今のコロナの状況がいつまで続くのか、いつになったら自由に海外に渡航できるようになるのかは誰にもわかりません。もしかしたらこの先何年も同じような状況が続いているかもしれません。もしかしたら、もうすぐ自由に渡航できるような世界が待っているのかもしれません。私の性格的に、現地で留学ができている人を見ると羨ましく、また妬ましく思ってしまう気がしますが、ポジティブに考えればこのようにオンラインで留学できたことも貴重な経験です。身につけた語学力だけでなく、この一年で感じた苦労や楽しさなどを自分なりに消化してこれからに応用してみたり、この留学に参加する目的の一つであった在日中国人の支援をできるようになった時に生かしていきたいと思います。そして、将来渡航できるようになったら、まずは北京語言大学に行って先生方と話したり、中国にいる“朋友”たちと話したり観光したりして“面对面”で交流したいです。