留学中に経験した面白い、変わった経験 浙江大学 外舘祐希

留学中、知り合いの中国人の家に行ったとき、近所の子どもが遊びに来ていて、その子はちょうど宿題をやっていました。見てみると、小学6年生の算数の宿題です。試しに中を見せてもらって仰天、私の感覚では到底「算数」とは思えない難易度に驚いてしまいました。あれは「数学」だったと思います。そんなところからもわかる、中国の教育事情について今回は書いてみたいと思います。
数人の友人に聞いてみたのですが、やはり中国の教育は予想をはるかに上回るストイックさです。先述したように、小学校の教育もでさえ日本に比べて進度が速いのに、中学生ともなると勉強のギアはさらに加速するようです。多くの中学生、高校生は寮に住んでいて、土日に家に帰ることが多いそうです。とある学校では、平日は朝1時間自習をしてから(先生が見ているらしい)、食堂で朝食をとり、8時半ごろから授業開始、1時間の昼休憩を挟んで、夕方5時前に授業終了、夕飯を食べたら夜6時から9時まで3時間は自習時間だとか…。聞いていて、中国人の学生たちはどれだけ勉強してきたのだろうと目が回りそうになりました。私は日本で、のほほんとした学生生活を送ってきたようです。ネットやAIをはじめ、様々な分野で中国が台頭しているのも、納得です。ちなみに友人はこの教育スタイルを「填鸭式教育」と言っていました。笑
中学生の頃から寮生活を始めていることもあって、中国人学生は寮生活に慣れています。多くが6人か4人部屋のようで、ルームメイト同士とても仲が良さそうです。日本だと、寮にあまりいいイメージを持たない人も多いですが、中国ではそんなことはありません。ルームメイトがいなかったら話し相手がいないじゃん!と言う人が多い感じです。そのような文化的背景もあってか、友人を家(実家も含め)に招待してくれることが多いです。日本では、家族の住む家に友人を招待する、という機会はほとんどないように思います。
このように、日常的な場面を1つ取ってみても、文化的違いがあります。それらを、「どうしてこのような違いがあるのかな」と考えるのはとても面白いです。また、日本と中国では似ている文化も多いので、その点でも盛り上がったりします。
そういえば、1月後半に中国にいたときは、「コロナウイルスはとても危険だ」という認識を皆が共有していて、実際私もとても怖いと思っていました。けれど日本に帰ってきて、日本の空気に馴染み始めると、その意識がなんとなく薄れてきたような気がします。危険かもしれない、と思いながらも私は普通に就活をしていますし。社会の雰囲気なのでしょうか。「赤信号、みんなで渡れば怖くない」という言葉を思い出さずにはいられません。今では世界中に蔓延していますが、事態が一刻もはやく収束することを願います。そしてはやく中国での留学生活を再開したいです。

しょっちゅう食べに行っていた麻辣烫。懐かしく感じてしまいます…