留学中に経験した面白い、変わった体験 河合佑香 杭州師範大学

変わった体験と言えば、コロナウィルス流行により、留学生活が一変してしまったことです。新型肺炎が武漢で発症していると聞いた時は「武漢にそんな病気があるのか…」としか思っていませんでした。1月17日に上海から成都へ火车·移動しました。マスクをしている人もまだ少なく、緊張感もそれほどありませんでした。1月20日頃からどこへ行ってもマスクが売っておらず、ハンドソープの売り切れの店が出ていました。1月23日に武漢が閉鎖され、一気に町中が緊張感のある雰囲気になったなと感じました。出歩いている人が本当に少なく、あまりマスクをしない中国人が皆マスクをしていることに驚きました。微信などでもいろんな方が新型コロナウィルスについての情報や注意喚起をしていました。私はその時四川の友人の家にお邪魔しており、26日に杭州へ戻る飛行機を予約していました。友人のご両親には人混みを極力避けるためにも大学開始まで四川の家に泊まっていていいよと言ってくださいましたが、いち早く日本に戻りたかったため26日夜に杭州にある大学へ戻りました。成都にある空港に行くためには火车に乗る必要があったのですが、火车站には体温計を持った防護服の係員の方おり、体温を測ってもらってから荷物検査という流れになっていました。火车站にいる人は皆マスクを着用しており、春節の時期も相まってか人が少なかったです。

空港でも検疫の際に体温を測られました。この時期からいたるところで検温が必要でした。機内ではウィルス対策のためCAさんがマスクと手袋を着用してサービスを行っていました。杭州の空港に到着し、ケータイを開くと留学生担当の先生から電話が来ており、ウィルスの影響により大学に入れないかもと言われてしまい、寮に戻れるのか、自分はウィルスに感染していないか…恐怖と不安を抱え大学へ向かいました。体温を測ると平熱だったため無事大学には入れたのですが、その次の日から「旅行などで大学を離れていた留学生は大学に入れない」という通知が来ました。寮に戻ってからは大学からの指示で先生と寮母さんに杭州⇔四川をどのような経路で戻ってきたのか、チケットを見せて武漢に行っていない事の証明を要求されました。ウィルスを大学にいれないために、大学側も出入り口を一つに絞り、大学と寮の出入りの際には検温、毎日起きたら検温しに寮母さんのいるカウンターに行く、先生には毎日体温と体調の報告が必要でした。この期間は一歩も外に出れず、誰とも会わず話さなかったので、携帯でいろんなコロナウィルスの情報を得るたびに不安になって仕方ありませんでした。私は急遽日本への帰国を決め、無事戻ることが出来ました。潜伏期間とされている2週間は予防に努めながら外出をせず、1ヶ月経った今でも外出は極力控えています。

私の大学では毎日アプリを通して今どこにいるのか、体調、コロナウィルス感染者と接触はないかなどを報告する義務があります。また、公共の場に外出の際にはAlipayリリースの”杭州健康码”という健康コード格付けシステムサイト(?)に登録し、健康状態に合わせて発行されるQRコードのスキャンが必要になったそうです。色によって格付けされ、緑だと自由に外出可能、黄色だと7日間の自己検疫、赤色だと14日の自己検疫になるそうです。このように中国本土では個々での予防意識が高く、外出が3日に一回に制限されるなど、対策が厳重なため、コロナウィルスの拡大も大分収まっているように感じます。

大学の健康状況確認のためのサイト

 

杭州健康码のQRページ

外国でこのような経験をするのは本当に心細く、不安になります。しかしもっと早く事の重大さに気付き、いち早く日本へ戻るべきだったと判断の遅さを反省しています。家族や友人にも心配をかけてしまったので、申し訳なく思っています。
私の大学ではネットでの授業は行っていません。今も授業開始の目途が立っておらず、開始の日が決まるまで航空券も取るなとのことだったので日本にいます。本来であれば3/2から授業再開の予定でした。1年間の限られた留学期間が短くなってしまうのはとても残念ですが、中国語の勉強は日本でもできるので留学再開の連絡を待ちながら勉学に励みたいと思います。
日本でもコロナウィルスが流行しだしました。1日でも早くコロナウィルスの感染が落ち着き、ウィルス感染・マスク不足の心配から解放された平穏な日々が戻ってくることを願っています。