初心を忘れず、歩みを止めず

2024年12月1日号 /

今年、中国人民対外友好協会は設立70周年を迎えました。去る10月11日には、中国対外友好協会設立70周年記念式典を兼ねた中国国際友好大会が北京で盛大に開催されました。習近平国家主席は、大会に出席した各国賓客と会談し、その場で重要講話を述べられました。また、韓正・国家副主席が記念大会の席上で、王毅・共産党中央政治局委員兼中央外事工作委員会弁公室主任が歓迎レセプションの席上で、それぞれ挨拶の言葉を述べました。大会には、世界各国100近くの国から300名以上にも及ぶ方々にご出席いただきました。日本からも、政治、経済、文化といった各界の著名人、ならびに各友好団体の代表、総勢50名以上の方々がわざわざ中国までお越しくださり、大会の成功にお力添えいただきました。

第31回世界卓球選手権大会(1971年、愛知県体育館)
選手同士の交流をきっかけに「ピンポン外交」と呼ばれる一連の国際関係改善に繋がった

振り返ってみますと、この70年間は、試練の連続でした。しかし同時に、数多くの成果が実を結んだ70年でもありました。私たちは、日本のみなさまと二人三脚で、70年という、この波乱万丈の旅路を共に歩んでまいりました。その中で私たちは「民間がリードする」「民を以て官を促す」という私たちにしかできない役割を担い、中日関係の構築、改善、発展に力を注ぎ、その一部始終に立ち会ってきました。例えば、「小さなピンポン玉が大きな地球を動かす」といわれた名古屋でのピンポン外交。中日国交正常化の序曲を奏でた「バレエ外交」。そして、「千年続く友好のために」日本を一周した「中日友好の船」。こうした、中日関係発展の歴史を語る上で決して色褪せることのない重要な出来事以外に、最近では新しい息吹も芽生えています。中日友好交流都市中学生卓球交歓大会では、両国の中学生たちが寝食を共にしながら、練習や試合を通じてお互い切磋琢磨しました。「新しい時代、心の出会い」と題された中日青少年交流大会では、両国の若者どうしが親睦を深めあいました。この他にも様々な分野で、中日友好のための人知れぬ努力が、それこそ無数にあったということを私たちは忘れてはなりません。こうした小さな積み重ねのひとつひとつが、いつしか大きな力となり、ひいては中日友好を前進させる原動力となるのです。そうした全てが、私たちの誇りであり、原点であり、そして、使命でもあるのです。

1979年5月、廖承志・中日友好協会会長を団長とする609名が「中日友好の船」明華号で日本各地を訪れた
(大阪府日中友好協会提供)

目下のところ、私たちを取り巻く国際情勢は混迷の度を増しております。しかし、国際情勢がどのように移り変わろうとも、中日友好という大きな方向性だけは見失ってはなりませんし、中日友好の旗印はこれからも堅持していかなければなりません。私たちは、初心を忘れることなく、これまで通り日本のみなさまと一丸となって、これからも中日友好の道を歩み続けていきます。私たち民間の力で中日友好をさらに前へと推し進めましょう。今後とも中日関係の健全な発展が末永く続くよう、私たち民間の知恵と努力でこれを最大限後押ししていきましょう。