中日間の地域間交流は可能性の宝庫である

2024年9月1日号 /

このごろ、自民党の森山裕総務会長、阿部俊子文部科学副大臣をはじめとする、日本の政治家の先生方の訪中が相次いでおり、私たち中日友好協会の方も喜んで先生方の訪中をお迎えいたしました。こうして日本の政治家の先生方が訪中してくださることは、中日間の相互理解を深め、両国関係を改善させていく上で、非常に重要な役割を担っています。一連の日程の中で、先生方は中国各地を訪れて回り、行く先々で様々な分野の人たちと交流を重ねました。

7月21日、14年ぶりに湖南省長沙市を訪れた自民党の森山総務会長(左)は、
湖南省の毛衛明・省党委員会副書記兼省知事と会談した
(湖南省人民政府ホームページより)

森山裕先生はこの度、14年ぶりに湖南省長沙市への訪問を実現しました。1982年、鹿児島市議会議長として長沙市と鹿児島市との間の友好都市締結に立ち会った森山先生は、当時のことを思い出し、両都市の発展と友好交流のために歩んできた、この40年間の一歩一歩を感慨深げに振り返っておられました。と同時に、日進月歩で進化を遂げる長沙市に対し、その変化の速さに目を見張りつつ、「『長沙市栄誉市民』として大変光栄かつ喜ばしく思う」とおっしゃってくださいました。

阿部俊子先生のご一行はこの度、大連を訪問されました。阿部先生の訪中団に同行した矢田稚子前参議院議員は、自身がパナソニックで勤務していた時代、大連にあるグループ会社に人材を派遣していた当時のことを振り返りつつ、「この度の訪中では、大連ならびに北京にいるパナソニック社員の方々ともお話する機会がございました。そうした交流を通じて、日中間の経済協力関係は切っても切り離せないものだと、強く実感いたしました」とおっしゃってくださいました。

地域間交流は中日関係の中で重要な役割を担っているだけでなく、両国国民のパイプ役として、相互理解や友好を深めてくれる大事なものでもあります。天津市と神戸市が中日間で第一号となる友好都市提携を結んだのは1973年のことで、これは中国にとって初めて海外にできた友好都市でありました。それから今に至るまで半世紀あまりの間、中日間の地域間交流は、そうした友好都市提携を活かして、目覚ましい発展を遂げてきました。今では、中日の間で締結された友好都市は266組にのぼり、それ以外にも100組以上の都市が友好交流関係を築いています。また、地域間交流はさまざまな分野に広がっており、その交流の仕方もバラエティに富んでいます。さらに、市民との距離が近い分、地域間交流を通して、心温まる友好のエピソードもこれまで数多く生まれています。

今年に入ってから、私たち中日友好協会は、日本からそれぞれの分野を代表する訪中団を延べ10組以上受け入れてきました。中国滞在中、訪中団の方々には、北京、上海、広州、深圳といった経済発展著しい大都市の魅力を味わっていただくだけでなく、ウルムチ、西安、成都、海口といった地方都市にもわざわざ足を運んでいただきました。そして、美しい大自然やエスニックな雰囲気、悠久の歴史といった地方都市ならではの魅力も存分に堪能していただきました。中国の地方都市を訪れ、一度でもその魅力にふれた人なら、中日間の地域間交流は可能性の宝庫だということ、そして、伸び代が大いにあるということに賛同していただけるのではないでしょうか。

「自国ファーストの考えの先には、奪い合いによって世界がますます狭くなり、リスクと競争しかない未来が待っています。それに対し、運命共同体という考えの先には、助け合いによって世界が広がり、チャンスと協力に満ちた未来が待っています」と習近平国家主席は述べておられます。また、先日閉幕したばかりの中国共産党第20期三中全会でも、「対外開放こそ唯一の道であり、中国は引き続きハイレベルな対外開放を推し進めていく」ことが再確認されました。中国のこうした指針は、中日間の地域間交流を推し進める上でも非常に前向きなものですし、今後の両国間の地域間協力を大いに後押ししてくれるでしょう。

今年後半、私たち中日友好協会は「第25回中日韓友好都市交流大会」と「2024中国国際友好都市大会」という2つの大会を続けて開催する予定です。また、来年には「中日友好交流都市中学生卓球交歓大会」等の行事を日中友好協会と共同開催する予定です。こうした活動を通じて、中日間の地域間交流に新たな活力が生まれることを心から願うとともに、日本のみなさまにも、こうしたイベントに是非幅広く参加していただきたいと思います。今後とも、お互い手をとりあって、中日友好の新たな1ページを共に刻んでいきましょう。