万里の長城のように盤石で、シルクロードのように連綿と続く中日友好のために

2024年8月1日号 /

中国人民対外友好協会と中日友好協会の招待により(公社)日中友好協会から派遣された大学生訪中団100名が、6月24日から30日にかけて、北京、西安、上海を訪問しました。その中で日本の大学生たちは、同年代の中国の大学生たちとふれあい、中国の名所旧跡を見学すると同時に、経済発展を遂げ、時代の最先端を走る中国の今にも触れることができました。

今回の訪中団には日本の26の都道府県から総勢92名の大学生に参加してもらいましたが、そのうちほとんどがこれまで一度も中国に来たことがない方々でした。しかし、参加メンバーの中には中国語ないし他言語が堪能な方も数多くいて、そうした方々は自らの語学力を活かして各種交流・体験プログラムにも積極的に参加してくれました。語学に長けたメンバーが周りのメンバーをリードしてくれたおかげで、期間中の各種交流・体験プログラムも大いに盛り上がって、楽しいものになりましたし、その一つ一つが有意義なものとなりました。

北京外国語大学の学生たちとの交流プログラムでは、中日両国の大学生たちが、それぞれの人生や未来について、自身の考えやビジョンも交えながら、お互い腹を割って語り合いました。今ある現実に即しつつも、同時に未来まで見据えた彼らの議論は、若者独自の溌剌とした感性が特徴的で、中身も非常に濃く、2000年以降に生まれた彼らのエネルギーやアイデンティティといったものが存分に感じられる内容でした。

北京の中国共産党歴史展覧館を見学した際は、メモを取りながら熱心に解説を聞き、学んだことを互いに共有しあう日本人大学生たちの姿が印象的でした。見学した多くの大学生からは「今回の見学を通じて、中国共産党による統治の正当性がようやく理解できました」「また、中国共産党がどうしてここまで大きく強くなれたか、その歴史を伺い知ることもできました」といった感想を聞くことができました。館内を見学後、日本の大学生たちは、展覧館の外にある漢白玉(大理石の一種)でできたレリーフ像の前で記念写真をとっていました。自らの理想と信念のためなら命さえ惜しまなかったレリーフ像の中の中国の若者の姿は、きっと日本人大学生たちの目にも理想的に映ったことでしょう。

西安では、39度の猛暑の中、兵馬俑を見学し、兵馬俑の発掘・保存・復元展示状況について理解を深めました。そして、上海では、両岸の夜景に包まれながら黄浦江をクルーズしました。船に乗りながら日本の大学生たちは、一方で川の東岸、浦東地区にそびえたつ高層ビル群とネオンに照らされた見事なまでの夜景に息をのみつつ、他方で川の西岸、浦西地区に立ち並ぶ旧租界エリアの近代的な建築群に中国の歴史を肌で感じているようでした。その全てを体験、理解するにはあまりに奥深い中国の歴史、そして、底知れない中国の魅力に、日本の大学生の多くは心を動かされたことでしょう。

シルクロードの起点・西安。(公社)日中友好協会第4代会長で日本画家の平山郁夫氏も追い求めた玄奘三蔵の像を背に、記念撮影する学生たち

帰国前日の歓送会では、20名あまりの日本の大学生が、今回の訪中の感想を発表してくれました。「1週間にわたる今回の訪中は、ただのスタートラインにすぎません。これからも引き続き中国を訪れたいですし、もっとたくさん中国人の友達を作って、さらに深いところまで中国という国を味わえるようになりたいです」「日中両国はこれから先もずっと隣国どうしであり、隣国であることをやめることはできません。日中両国は依然としていくつかの懸案を抱えていますが、だからといってお互い見て見ぬふりをするわけにはいきません。両国の関係を改善していくためには、心の通った交流を続けることこそが唯一の道なのです。私たち日中両国の若者も、その一端を担っていかなければなりません」「日中両国の若者が協力していくことで、日中友好が万里の長城のごとく盤石になり、シルクロードのごとく連綿と続いていってくれることを心から願っています」

長く連なる万里の長城

中日両国は切っても切り離せない隣国どうしであり、中日友好こそが両国国民に恩恵をもたらしてくれるのです。そして、両国の若者が相互理解を深め、その絆をよりいっそう強いものにするためにも、私たちは引き続き中日青少年交流に力を注いでまいります。中日友好が万里の長城のごとく盤石になり、シルクロードのごとく連綿と続いてゆくためには、中日両国の若者の力が欠かせません。今後とも、今回の訪中団のような中日友好交流活動に、中日両国からより多くの若者が参加してくれることを、私たちは心から願っています。