街全体が穏やかな春の日差しと淡いピンクの桜に包まれた4月の東京。4月11日昼、(公社)日中友好協会、日本国際貿易促進協会、日中文化交流協会、日中経済協会、日中協会、日中友好会館といった日中友好団体の役員の方々が一同で、私たち楊万明・中国人民対外友好協会会長一行の訪日を温かく迎え入れてくださいました。同日午後、楊万明会長一行は続けて日中友好議員連盟を訪れ、二階俊博会長をはじめ、20名に及ぶ超党派の国会議員にお会いし、率直な意見交換を行いました。
この度の中国人民対外友好協会代表団による訪日は、日中友好7団体からのご招待により実現したものです。訪日期間中は、福田康夫元首相、鳩山由紀夫元首相といった歴代の総理経験者をはじめ、政党、政府、議会、経済、文化、若者など、各界で中日友好にご尽力されている方々とも交流する機会がございました。こうした交流を通じて、中日友好にかけるお互いの強い意志や絆を改めて確認することができましたし、今後とも中日友好の未来にむかって、官民問わず幅広い分野の方々と協力しながら、この歩みを着実に前に進めていきたい、と強く思う次第です。
私たちの間で交わされた会話は、春の日にふさわしく、大変前向きなものでした。
「日中関係は、両国ひいては地域全体にとって極めて重要です」「日中両国は幅広い分野で交流を推し進めていくべきですし、両国間にくすぶっている難題はコミュニケーションや対話を通して解決してゆかねばなりません」「日中両国の発展は双方にとって望ましいものですし、経済・貿易分野では協力の可能性に満ちあふれています」
“コミュニケーション”“対話”“交流”“協力”、こうした言葉の端々に、中日関係をこれからも発展させていきたい、という日本側の熱い思いが感じられましたし、ひたむきに中日友好に打ち込んできた各友好団体の意志の固さには、ただただ感服させられるばかりです。
とりわけ私たちの心に残ったのは、昨年訪中団に参加してくれた、ある日本人大学生のお話でした。
「訪中を通じて、メディアではあまり触れられることのない“生”の中国を肌で感じることができました。今回の訪中は、自分の視野を広げてくれましたし、私の人生観を一変させた、といっても過言ではありません。私にとって、かけがえない一生の思い出になりました」
彼のこの言葉を聞いたとき、私たちは、文化交流、中でも青少年交流をこれからも続けていかねばならない、と気持ちを新たにいたしましたし、青少年交流こそ、未来のために私たちが遺していくべき大切な財産なのです。
国の交わりは民の相親しむに在り。日中関係をめぐってはここ数年、さまざまな問題や懸案が噴出しておりますが、昨年11月に習近平国家主席と岸田文雄首相がサンフランシスコで首脳会談を行って以降、両国関係は、経済貿易、文化交流、地域間交流、青少年交流など多方面で再び回復軌道に戻りつつあります。これは私たちの将来にとっても大変明るい話題です。
この度の訪日が呼び水となって、私たちの間の絆がさらに強まり、両国の間で民意や交流がさらに盛り上がりを見せてくれれば、これに勝る喜びはございません。中日友好を守り、推し進め、受け継いでいくために、これからも二人三脚で歩んでいこうではありませんか。私たちの活動の一つ一つは細い川の流れに過ぎませんが、それらも合流すれば、やがては大海になります。地道な活動の積み重ねが、「中日平和友好」という巨大船を動かす原動力になる、と私たちは信じています。そして、この船が、正しい方向へと舳先を向け、前途洋々たる航海に乗り出してくれることを願ってやみません。