中日韓友好交流イベント 「天下のトキの美」を開催

2023年2月1日号 /

「春の池に飛来したトキが緑の木にとまる、その羽は絹のように色とりどりで、収束させて飛び去っていく」……唐の詩人の目に映るトキです。かつて絶滅の危機に瀕していたこの美しい鳥は、過去数十年にわたる中日韓の共同努力によって回復し、現在は3カ国で幸せに暮らしています。

2022年11月12日から12月10日、中日韓友好交流イベント「天下のトキの美」が上海で成功裡に開催され、 中国人民対外友好協会副会長で中日友好協会秘書長の袁敏道、上海市対外友好協会会長の陳静、陝西省対外友好協会副会長の曹輝、上海の日本・韓国総領事館代表が出席し、開会式で挨拶をしました。

イベントでは、セミナー、絵画展、テーマ別映画展、グリーン製品のプロモーションなどの特別企画が行われ、3カ国の政府、地方、民間、専門家、企業の代表者が参加しました。

トキを保護するために行動する中日韓の人々

トキは中国の国家一級の保護野生動物のひとつで、中国の民間伝承では幸福と幸運を表す美しい鳥として、また平和をもたらす鳥、友情の象徴として知られます。1981年、7羽しか残っていなかった野生のトキが、陝西省秦嶺南麓で発見されました。1985年以降、14羽のトキが中国の人々の思いを乗せて、日本と韓国に定住しています。3カ国の共同作業により、東アジアの空にトキが戻り、総数も7羽から9000羽以上に回復しました。

生物多様性を守り、人と自然が共生する社会を実現するために

セミナーでは、中日韓の代表者がトキの保護と繁殖に関する経験と実践を紹介しました。回顧から展望へ、概念から実践へ、対象からシステムへ、政策から産業へ、人文から技術へ、生態系保護からグリーン開発へ、生物多様性保全のための国際協力の重要性と必要性が多次元的に論じられました。また、3カ国のゲストは「Ibis Beauty and Harmony」と題した油絵展で、アーティストの解釈による「人間と自然の調和」のコンセプトを体感しました。3カ国のダンサー、書道家、映画制作者は芸術を通じて、人類の運命共同体を築き、地球を守り、調和のとれた、健康で美しい未来を創造するために協力するという信念を世界に訴えました。

中日韓の人民交流と協力の発展を促すつながりとしてのトキ

トキは東アジアの友好の使者であり、中日韓の人々が協力し、共に未来を語るための架け橋です。袁敏道副会長はあいさつで「1980年代よりトキは中国の人々の友情を携え、陝西省を離れ、日本と韓国に定住した」と述べました。2014年、中国人民対外友好協会らが制作した舞踊劇「トキ」は、日本民主音楽協会など友好団体の支援を受け、日本全国29都市で80回公演され、歓迎されました。

トキの保護に始まる「人間と自然の調和」をテーマとし、3カ国の各界代表が、生態・環境保護、生物多様性の保全、調和のとれた共生社会の維持など国際的に注目される議題について議論することは、中日韓の実務協力を推進し、友好交流の内容を充実させる上で大きな意義があります。中国は責任ある大国として、世界の人々と共に、グリーンと低炭素を堅持し、クリーンで美しい世界を推進し、人類社会の持続可能な発展に力を注ぐことを約束します。中日韓が協力分野を拡大し、実務的な協力を深めることで、きっと3カ国の人々に利をもたらすための新たな機会を提供するでしょう。

トキは人類の友であり、トキを繁栄させることは自然が人類に与えた問題で、中日韓が解答者、歴史が採点者であります。この問題にどううまく答えるかは、中日韓の人々と自然に対するコミットメントと責任であります。私たち一人ひとりが自分自身から始めて、人類社会の持続的発展に貢献することです。