各地の日中交流ニュース

2019年5月1日号 /

「さが桜マラソン」参加の
中国選手団の「お世話」担当

・佐賀県日中友好協会

激励会で生け花を体験する選手たち

「さが桜マラソン2019」が3月24日、佐賀県佐賀市と神埼市を舞台に開かれ、国内外の市民ランナー約1万人が春の肥前路を駆け抜けた。佐賀県日中友好協会(篠塚周城会長)は、主催者に名を連ねる佐賀県が招待した中国、韓国の選手団の「お世話」を担当。選手たちは佐賀の文化や歴史にも触れ、交流の輪が広がった。

毎年、佐賀県は友好交流地域である中国の貴州省、遼寧省、韓国の全羅南道の選手を招待しており、その受け入れを日中友好協会が受託している。来日したのは貴州省3人、遼寧省2人、全羅南道3人の計8人の選手とその随行員。マラソン前日には激励会を催したほか、選手は生け花と茶道も体験、日本文化に触れてもらった。

本番では貴州省の張珊珊(ジャン・サンサン)さんがフルマラソン女子の部で2位、同省の李青巧(リー・チンチョー)さんがフルマラソン男子の部6位に入り、大会を盛り上げた。この間、佐賀大学の中国人留学生たちが通訳や沿道での応援などで大活躍をした。
大会後、佐賀市であった「健闘を称える会」で、張さんらは「みんなと一緒に参加できて、とてもいい思い出になった。佐賀の人はとても親切」と喜んでいた。(事務局 原良介)

 

中国大使館を表敬訪問
桜満開の目黒川の散策も楽しむ

・千葉県日中友好協会

大使館での集合写真の様子

千葉県日中友好協会は3月28日、中国大使館の表敬訪問を実施した。大使館訪問前に、桜満開の目黒川を散策し、満開の桜と人の波を満喫。中国大使館では、政治部の倪健参事官に出迎えてもらい、最近の日中関係について講演もしてもらった。この2月から、友好交流部と統合になったことにより、友好交流部の外交官も政治部などに異動だった。汪婉参事官は大使との公務でお会いすることができなかった。

倪健参事官は、政治部の業務について、①日本政府との調整・交渉②各政党との話し合い③民間交流の促進が主な任務。また、今年の習近平国家主席の訪日については、「6月にG20が日本の大阪で開催されるが、それに参加する考えでいる。今、どのようなスケジュールになるか政治部で調整している段階である」と話した。
講演後は、4つのグループに分かれて日中交流や訪中団派遣について意見交換を行った。このほか、佐々木久昭会長と倪健参事官による記念品の交換なども行われた。

 

国際女性デー記念祝賀会
駐札幌中国総領事館で開かれる

・北海道日中友好協会女性委員会

参加した女性委員会のメンバー

北国では、融雪が進むこの時期、女性たちがひそかに待っているイベントに、駐札幌中国総領事のご高配により招待される国際女性デー記念祝賀会が挙げられる。

孫振勇総領事夫人の唐璞様の主催で、日中友好・交流を目指す、道内の各女性団体や個人が、領事館の大広間に集うことが恒例になっている。参加者は年々増加傾向で、今年は3月8日に120人が札幌市内と近隣から参集し、大盛況だった。当女性委員会は、役員を中心に13人の参加となり、これまでにない多勢だった。来賓には、在札幌の外国領事夫人、ご夫妻で日中友好に貢献された元衆議院議員横路孝弘氏(当女性委員会初代委員長横路美喜氏のご長男)夫人の横路由美子氏、元恵庭日中会長の斎藤昭子氏が、高齢(94歳)をおして、久しぶりに姿を見せてくださった。華僑華人連の女性の方々も、今年の特徴として女性のみならず、男性の参加も見られた。

ホスト役の唐璞領事は、通訳無しの流暢な日本語でスピーチされ、加えて民族服をまとわれた見事な演出に大きな拍手が送られた。また、趣向を凝らした様々なパフォーマンスが披露され、日本の伝統舞踊と中国の古典音楽の演奏を堪能しながら、美味しい中華料理を楽しみ、感謝一杯だった。
約2時間のパーテイーは孫総領事の閉会のあいさつで女性の力を称える諺が紹介された。《女の一念、岩をも徹す》《女の髪は、大象も繋ぐ》など、正しく、日中両国に共通する認識で、宴はさらに高揚し、閉会した。私たちは、この機会に華僑華人連の方々や各友誼団体との交流が深まり、活動を重ねることは、相互理解に繋がる、この得難い交流の機会が末永く継続・発展できることを願って止まない。(委員長 岩木みどり)

 

中国法の近代化に貢献した
岡田朝太郎氏の功績を紹介

・(一社)神奈川県日中友好協会

浅田名誉教授が岡田氏の功績を紹介した

神奈川県・逗子市葉山町日中友好協会(渡邊貞雄会長)は3月6日、創立20周年記念祝賀会を兼ねた、「2019年春節の祝い」を逗子文化プラザ・さざなみホールで開催し、会員ら80人がゲストの話や変面などの中国伝統芸能を楽しんだ。

会は渡邊会長の主催者あいさつで始まり、来賓の前逗子市長の平井竜一氏や神奈川県日中友好協会の上島保則副会長らが祝辞を述べた。その後、明治大学名誉教授の浅田毅衛さんが、清国や中華民国の法律顧問として中国法の近代化に尽力された刑法学者の岡田朝太郎氏(葉山町在住、1936年没)の功績と、平和友好条約締結30周年の2008年に逗子市内に建立した同氏の顕彰碑を紹介し、「先生は日中友好の扉を最初に開いた方、北京大学の100年史にも掲載されている」とその功績を讃えた。

特別ゲストの中国人留学生の高源さん(多摩大学3年)さんは「日本に来る前の不安が日本人のやさしさで払しょくされ、日本が好きになった」などと語り、劉晋陽さん(横浜国大大学院2年)は「中国にも日本にも良いところがあるが、両国民はそのことを理解しない人がまだ多い」などと語り、両者ともに「両国の架け橋となりたい」と結んだ。さらに、弁護士の横溝正子さんは、日中友好協会が派遣した1979年の日本婦人弁護士第1次訪中団の一員として参加し、北京などを14日間旅したこと、文化大革命後で中国政府が法整備を急いでいたこと、中日友好協会の孫平化氏(当時副会長)がつききりで案内してくれたことなどを思い出深く語った。(神奈川県日中
三浦修)

 

友好都市の四平市に図書を贈呈
「日本語学習者」を支援

・須坂市日中友好協会

須坂市立図書館で行われた発送式の様子

長野県須坂市と須坂市日中友好協会は、須坂市の友好都市である中国吉林省四平市へ日本語図書189冊を贈呈した。3月28日に須坂市立図書館で発送式が行われ、同日に船便で送った。

図書贈呈のきっかけは、2017年の日中友好交流都市中学生卓球交歓大会で、須坂市の三木市長を団長とした訪問団が四平市を訪れた際の四平市の女性通訳との対話だった。女性は日本語を学ぶために日本語の本をたくさん読みたいと希望し、「日本へ行ったらぜひ古本屋へ行きたい」と話した。また、四平市には日本語を学ぶ学生もたくさんいるということだった。帰国後、市長は須坂市立図書館に対し不要になった図書を四平市に寄贈できないかとの相談をしたところ、同図書館で昨年開催した「ブックリサイクル市」で市民から提供された本や、長年収蔵した後に除籍した本など約1万冊の中から「現代日本文学全集」、村上春樹の「ノルウェイの森」、山崎豊子の「沈まぬ太陽」をはじめ、コミックなども選んで、発送の運びとなった。

今年は四平市との友好都市締結25周年であり、双方は訪中団・訪日団を予定している。須坂市日中の山崎始事務局長は「節目の年に、両市の交流を一層深める取り組みに感謝したい」と話した。

 

「創立15周年記念・国際婦人デーを祝う会」
都内で賑やかに開催される

・在日華人女性交流会

参加者による集合写真。東京・新橋の新橋亭で

3月31日、東京・新橋の新橋亭で在日華人女性交流会主催の「創立15周年記念・国際婦人デーを祝う会」が開催された。
当日は、同会の姜春姫会長をはじめ日本で活躍する在日中国出身の女性や企業活動などを幅広く展開している女性、交流会を支えている在日華人の男性、(公社)日中友好協会全国女性委員会の石黒かほる委員長、神奈川、東京の日中友好協会の女性委員など総勢70人余りが参加した。

「在日華人女性交流会」はその名の示す通り、日本で働き、学び、生活する中国出身の女性たちの相互交流、相互支援を目的に作られた組織であり、活動的な多くの女性により成り立っている会である。
姜会長の開会のあいさつに続き、中国大使館広報担当の張梅参事官の講演が行われた。張梅参事官は、中国と日本の民間交流の現状や抱える課題などについて具体例や数字などを示しつつ、互に開かれた相互の発展的な友好関係に努めて行きたいと話された。
歓談しながら午餐をたのしんだ後、会員の方々が民族衣装に身を包み、シルクロードを思わせる歌や踊り、京劇など披露し、特別独唱は程波氏によるイタリア民謡のオーソレミヨが歌いあげられ、参加者は喝采。また、日中友好協会顧問の西園寺一晃氏が周恩来首相との思い出などを話し、一同感服した。

にぎやかな楽しい会は、美味しい食事と、豊かな交流、そして「大海啊故郷」「故郷」などを全体で合唱し、散会。在日華人女性の方々の元気と行動力と連帯に圧倒される会であった。
(東京都日中女性委員会委員長 奥真理子)

 

大分大学の留学生が福祉施設でボランティア

・大分大学の毛羽冲さん(武漢市・江漢大学人文学院から交換留学)

施設の利用者の方と。左が毛さん

大分大学に留学する武漢市・江漢大学人文学院の交換留学生、毛羽冲さんが、大分市の福祉施設ひまわり園の利用者慰労会にボランティアで参加した。感想文を紹介する。

(以下、感想文)
今回のボランティア活動を通して、日本の福祉施設にて直接体験することができ、本当に素敵だと思った。
職員は利用者様を介助する熱心について、私は深く感心した。特に昼食時、職員が利用者様の主菜をはさみで刻んでいる姿を見て感じた。

日常生活の中で、利用者様を世話して、一人一人に幸福感を与え、社会のために幸せになる。どんな国でも、どんな民族も、貧乏や富貴、病痛や健康、愛は世界で最も貴重なものである。私たちは不幸の到来を止める力は無いが、しかしリハビリすることができる。絶望の中で希望を発掘する、暗黒の中で光を探す。福祉は人を癒し、社会を癒してくれることだと思う。素晴らしいことだ。(3月12日)