各地の日中交流ニュース

2019年1月1日号 /

横浜・上海友好提携45周年記念
上海市内で「友好交流会」開かれる

飯田会長ら横浜日中代表団9人が参加

劉さん( 左) と飯田会長

横浜・上海友好都市提携45周年記念「友好交流会」が2018年11月19日、上海市内にある新錦江大酒店で林文子横浜市長はじめ横浜市および上海市関係の市民など約140人の参加の下で開催された。すでに、応勇上海市長が横浜市を訪問されており両市長の相互訪問は20年ぶり。大きな節目となる50周年に向けて両市のさらなる友好交流を進めることが確認された。

宴席での交流が進む中、今から46年前の1972年に横浜市などの招へいで来浜した元上海少年サッカーチームの劉文斌選手が登壇した。劉さんは、親善試合中に大けがをして横浜市の市民病院で手術を受け、多くの高校生や市民の励まし、心温まる見舞いを受けたことを今でも鮮明に覚えており、当時、上海でもそのことが大きく報道されたと話した。横浜日中の飯田助知会長から「元気になりました。今朝、帰国」と報じた当時の神奈川新聞の記事と写真のパネルが劉さんに贈呈された。また、飯田会長が「劉選手は横浜と上海市民とを温かい友情で結びつけた大功労者」と当時を振り返りながら話すと、大きな拍手が送られた。

翌日は、上海市人民対外友好協会の歓迎宴で交流を深めるとともに、上海郊外の崇明島の農園を訪問し、日本の技術を取り入れた有機栽培、無農薬農場を見学した。(総務担当理事 小松崎勇)

 

 

浙江省・河南省・北京で交流
酒井会長、韓志強氏と旧交温める

福井県下日中友好協会訪中団

日中平和友好条約締結40周年と福井県・浙江省友好提携25周年を記念して、福井県下日中友好協会の16人は2018年11月20日から4泊5日で訪中した(団長は酒井哲夫・福井県日中会長)。浙江省、河南省、北京と毎日ホテルが変わり、早朝に新幹線に乗車するなど強行日程のなか各地で友好交流を実施。浙江省では浙江省人民対外友好協会(幹部3人)と懇親会を開催し、3人とも古い友人のため、閉会まで話が弾んだ。

河南省では少林寺のある登封市人民政府に素晴らしいホテルで迎えていただき、会食した。登封市人民政府は当協会の招へいで5月に福井を訪問し、恐竜博物館や東尋坊を視察した縁で招かれた。

北京では、北京市体操協会および北京市人民対外友好協会を訪問。東京五輪の際に中国体操チームが福井県の鯖江市で合宿を行うため、お礼のあいさつを行った。途中、酒井会長夫妻は中国外務省辨公庁主任の韓志強氏(元駐日中国公使)を訪ねた。韓氏はかつて酒井会長宅にホームステイをしたことがあり、思い出話に花を咲かせた。夜は中日友好協会と懇親会を開催。程海波副秘書長、関理事、張理事とは通訳を介さず日本語で話せるため、訪中団員も盛んに質問や中国の情勢などを聞いていた。北京ダッグをその場でさばいて振る舞ってもらい、皆が感銘を受けた。

 

協会主催の日中音楽コンサート
900人超が“秋の韻律”を楽しむ

(一社)神奈川県日中友好協会

会場全体での「ふるさと」合唱の様子

(一社)神奈川県日中友好協会(並木裕之会長)は2018年11月21日、横浜市市民文化会館・関内ホールで音楽コンサート「日中友好音楽の絆~秋の韻律~」を開催した。催しは日中平和友好条約締結40周年と神奈川県・遼寧省友好提携締結35周年を記念し開催したもので、会場を埋め尽くした900人を超える会員や音楽愛好家らが、両国の伝統的楽器の演奏や中国・大連出身で著名なソプラノ歌手の崔岩光さんの歌などを楽しんだ。

オープニングでは、35年前の友好提携締結時の知事と省長の握手の場面などが映像で流されたほか、司会の朝岡聡さんが「コンサートは7月に瀋陽で開催された音楽会の第2弾です」と述べ、来場者にコンサートの趣旨を説明していた。

コンサートは二部構成で、第一部は尺八や小鼓、琵琶、二胡、中国三絃の独奏や合奏。第二部は崔さんが歌劇トスカより「歌に生き、恋に生き」などのオペラ曲3曲を独唱したほか、横浜などで活躍している3つの合唱団が合同で「我的祖国」などを歌った。拍手が鳴り止まないなかでフィナーレを迎え、会場の全員で「ふるさと」を歌い、締めくくった。一部と二部の幕間にあいさつに立った上島保則協会副会長は、日中友好に尽力された先人たちの功績に触れながら、「民間レベルの交流を担う協会として、両国の友好がさらに深められるよう今後も努力したい」と述べ、会場の皆さんに理解と協力を呼び掛けた。(事務局 三浦修)

 

 

宮本雄二・元駐中国大使が講演
「歴史的転換期の日中関係」を解説

千葉県日中友好協会

日中関係について語る宮本氏

千葉県日中友好協会(佐々木久昭会長)は2018年11月8日午後、宮本雄二・元駐中国大使を招いて千葉市民会館で講演会を開催した。宮本氏は「歴史的転換期にある世界と日中関係」と題して講演。習近平指導部が進める中国の政策とその狙いや、首相の相互訪問を含めた中国の対日認識の変化、さらには米中関係などについて詳しく見解を述べた。

中国の国際社会での存在感については、「リーマンショック後、世界が不況を回避できたのは10%の経済成長を達成した中国のおかげであるという言葉が世界から舞い込むようになった。中国の参加しない国際会議は成り立たないという自信になった」と指摘した。

また、日中友好に関しては、「友好のためには中国の国民を味方につける必要がある。年間800万人の訪日観光客の方々によく接していくことから始めるべきだ」と述べた。
当日は76人が聴講し、宮本氏の現実を直視した率直な講演に聞き入っていた。

 

日本沖縄華僑華人総会45周年
記念講演会とシンポジウムを共催

(一社)沖縄県日中友好協会

シンポジウムの様子

日本沖縄華僑華人総会(東江芝軍会長)の創立45周年祝賀記念式典が2018年10月19日に盛大に催され、式典第1部の「記念講演会とシンポジウム」を (一社)沖縄県日中友好協会が共催した。

前半は中国大使館から宋耀明商務公使が招かれ「中国経済現状及び中日地方経済貿易の連携」というテーマで今後の沖縄における可能性について記念講演を行った。後半のシンポジウムはパネリスト4人を中心に、中国の発展が提供する広い市場と大きなビジネスチャンスの話題で、会場は大いに盛り上がった。また、駐福岡総領事館から何振良総領事が駆け付けられ、沖縄の各界で活躍する方々との意見交換や来場者との友好親善に努めた。

式典第2部の祝賀会は200人を超える招待客であふれ、沖縄県日中も役員を中心に参加し友好を温めることができた。日中友好の基盤は民間外交にあると再認識した有意義な一日だった。(井下賢也)

 

扉開いた日中2人の女性
高良とみ、李徳全の交流史

古島琴子協会顧問が解説

講演する古島顧問

2018年11月20日、東京・新宿で「日中交流の扉を開いた2人の女性―高良とみと李徳全」と題して、講演会が開かれた。講師は(公社)日中友好協会顧問で中国研究所研究員の古島琴子さん。古島さんは日中友好活動に長年関わり、常に歴史を語り、今につながる多くのことを後に続く多くの人々に伝え続けている。

高良とみは1947年に日本最初の女性国会議員の1人となり、シベリアの日本抑留者と中国残留日本人の帰国問題に精力的に取り組んだ。まだ国交の無い時代に、北京に入り新中国の事情を伝えることで民間交流の扉を開く礎をきずいた。一方、李徳全は1954年中国紅十字代表団の団長として来日した。その際、中国に収監されていたBC級戦犯1000人余りの名簿を持参。それが後に全員の帰国につながったと言われる。高良とみ、李徳全は2人ともキリスト教徒として信仰の中で平和と友好の大切さを痛感していたという。

今年は日中平和友好条約締結40周年である。交流のない時代に日中双方に友好の大切さを身をもって実践した女性がいたことに参加者はあらためて思いをはせた。参加者の方々は、苦難な時代を切り開くために奮闘した日本の女性の存在とともに、中国の1人の女性が日中の友好交流のために日本を訪問し、それを日本の各地、各層の人々が大歓迎したという歴史に触れ、あらためて勇気づけられたと感想を語っていた。(都日中女性委員会委員長 奥 真理子)

 

 

留学生と手巻き寿司交流
初めての納豆巻きに「意外と美味しい!」

宮城県日中友好協会青年委員会

手巻き寿司を作る日中の大学生たち

宮城県日中友好協会青年委員会(新沼光昭委員長)は2018年11月11日、仙台国際センターで日本人大学生と中国人留学生との「手巻き寿司交流会」を開催した。参加したのはスタッフを含め44人。参加者は5つのグループに分かれ、日本人学生と留学生がペアになり1分交代で自己紹介をして互いの情報を得た後、グループのメンバーに相手のことを紹介する他己紹介をして出身地や趣味などについて互いに知り合った。

手巻きずしの準備では、日本人大学生が味見をしながら寿司酢をご飯に混ぜ、キュウリの食べやすい切り方などを留学生に指導していた。手巻き寿司を初めて食べる留学生も多く、海苔からあふれそうになるほど具をのせて楽しそうに食べていた。納豆を食べたことのないという留学生は不安そうに納豆巻きを食べた後「意外と美味しい!」と笑顔になった。留学生は味付けいなりにご飯だけでなくキュウリやツナマヨを詰めて食べるなど日本人には思いつかない発想で手巻きずしを楽しんだ。

日本人学生たちは手巻きずしを食べながら「愛しているは中国語で何て言うの?」「カワイイは中国語で何て言うの?」といった中国語に関する質問や中国の若者が今興味を持っていることについて聞いていた。

参加した日本人学生からは「共同作業をしながら自然と仲良くなれた。普段関わることのない中国の方と情報交換ができて良かった。今後も中国の方と交流したい」と言った感想が聞かれ、留学生からは「日本人学生と交流できてうれしい。今後このような交流の機会があればまた参加したい」との感想が聞かれた。
青年委員会では今後も日中両国の若者が交流できる活動を企画していきたい。(事務局長 吉澤千明)

 

 

「日中友好交流の集い」開催
芋煮鍋、羊肉串など共同で作る

・福島県日中友好協会

留学生ら参加者による記念撮影

福島県日中友好協会(山田明生会長)は2018年10月27日、69回目の国慶節を祝い、郡山市ウエストスポーツパークの芝生広場において、「日中友好交流の集い」を行った。福島県内の各地区協会のメンバーと留学生、家族滞在の中国人など55人が参加した。

まず、大内嘉明会長の開会のあいさつの後、参加者の紹介と中国人書道家による指字書道のパフォーマンス、中華と和の食の饗宴として芋煮鍋、翡翠餃子、羊肉串、鶏唐揚げを日中の参加者が共同作業で作り上げ、秋空の下で食した。
食事の後は太極拳とウォークラリーを行ったほか、会場に隣接する青少年会館に移動して、二胡の演奏も楽しんだ。復興を実感するほどの盛り上がりだった。(事務局長 佐藤厚潮)

 

第22回会津地区日中友好の集い
孫大剛新潟総領事を迎え開催

・福島県会津地区の4協会

孫総領事による講演会の様子

福島県会津地区の4協会で組織されている会津地区日中友好連絡協議会主催の会津地区日中友好の集いが2018年11月11日、会津坂下町のパストラルホールBANGEで開催された。

始めに孫大剛・駐新潟中国総領事に「条約締結の初心を温めなおし、中国と日本の新たな航路を切り開こう」という演題で、講演していただいた。孫総領事は、日中両国の共同の努力の下、両国関係は再び正常な発展の軌道に戻り、新しい発展の実現に向け着実にまい進している。その中で、民間友好交流を推進し、両国民の相互理解と友好感情の増進を目的に、特に青少年交流を強化し、新しい時代の友好の力を育成していくことの大切さを総領事館として積極的に推進していくことを話された。講演終了後、懇親交流会に入る前に、太極拳の演武を指導の先生と会員の方にしていただき、演武に対して惜しみない拍手が送られた。

交流会では、4協会の会員同士の交歓はもちろん、孫総領事ら来賓の方々ともこれからの日中友好交流について談議に華を添え、時間を立つのも忘れ、楽しく愉快な秋のひと時を過ごした。最後にこれからますます日中民間交流を進め、日中平和友好に努めることを確認し閉会した。(福島県会津坂下町日中友好協会 遠藤正)

 

「第2回 留学生を囲んでの交流会」
留学生が中国の流行などを紹介

・明石市日中友好協会

スマホ決済について説明する李さん

兵庫県・明石市日中友好協会(松本武城会長)は2018年11月11日、日中平和友好条約締結40周年を記念して「留学生を囲んでの交流会」を開催した。昨年に続き2回目。当日は留学生5人と会員12人が参加した。

第1部は留学生3人が「中国で流行っているもの」「湖南の文化」「ハルピンの魅力」と題して発表し、日本以上に進むスマホでの支払い、湖南省・土家の豊かな文化、寒いけれど魅力あふれる冬のハルピンについて紹介。スマホ決済について説明した聶夢叶さんは、アリペイやウィ―チャットペイなどで屋台を含む食事の注文や支払い、バス運賃やスポーツジムも利用でき、かつ割引料金もあることを紹介した。3人の話を聞いた会員からは「中国へ行きたくなった」などの感想が聞かれた。

その後の第2部は懇親会が行わた。留学生からは「明石に初めて来たが、海もあっていいところ。機会を作ってまた来たい」との声があった。
若者との交流は大変得難く、日中双方の参加者に刺激を与える機会でもあるため、今後も続けていく方針である。(大西史子)