各地の日中交流ニュース

2025年1月1日号 /

協会創立60周年を記念
特定非営利活動法人に

北海道日中友好協会

城木信隆会長

北海道日中友好協会は2024年10月2日、特定非営利活動法人(NPO法人)として、北海道知事から認証されました。正式名称は特定非営利活動法人北海道日本中国友好協会です。(公社)日本中国友好協会傘下の都道府県協会でNPO法人に認証されたのは11番目となります。

法人化は2024年に創立60周年を迎えるのを機に、1年かけて準備してきました。法人化に伴い、活動の基盤が名実ともに整いました。同年6月に5代目会長に就任した城木信隆氏は「14年間の中国駐在の中で、イトーヨーカ堂の中国総代表を務めた経験も活かして、日中友好活動に尽くしていきます」と意欲を燃やしています。

(副理事長 種田英朗)

事務所移転のお知らせ

2025年1月1日~
特定非営利活動法人
北海道日本中国友好協会

住所:札幌市中央区南3条東1丁目4―402
電話:011(231)4453
FAX :011(252)7002※電話、FAXは1月14日開通メールアドレス:
do-nittyuyuko@aioros.ocn.ne.jp


「茶道による日中交流」イベントを開催

奈良県日中友好協会

去る11月26日(火)、27日(水)二日間にわたり、「茶道による日中交流」というタイトルでお茶のイベントを開催、初日は西大寺で大茶盛(日本の茶道)、翌日は大安寺で覚茶道の献茶会(中国の茶道)日中双方のお茶文化を体験し、共通文化である「お茶」をテーマに心の交流を図ろう、というものです。

この行事は奈良県の「奈良県在住外国人コミュニティ活動」の認定を受け、実施されました。

当友好協会の2024年度方針「中国を知る」に沿った、お互いを知って更に交友を深める素晴らしいイベントになりました。西大寺の大茶盛体験には、日中友好協会関西ブロック協議会メンバーも参加、また大安寺の献茶式には、中国からの留学生や奈良県中国残留帰国者のメンバーも参加、様々な方たちが共に出会い、語らうあたたかい集いとなりました。2025年度もまた、いろんな新しい取り組みを企画していきたいと思います。

(事務局 塩崎義郎)

11月26日「西大寺大茶盛式」34名参加
11月27日「大安寺覚茶道献茶式」41名参加

第42回全日本中国語スピーチコンテスト
奈良県大会開催

奈良県日中友好協会

2024年10月27日(日)、13時半より、奈良市中部公民館におきまして、第42回中国語スピーチコンテスト奈良県大会を実施しました。

本年は19名の参加で、皆さん日頃の練習の成果を思う存分発揮されました。今回は特に高校生の活躍が目立ち、発音・声調のみならず、表現力もすばらしい発表を聞かせてくれました。

朗読部門で大学生一名(天理大学)、スピーチ部門で高校生一名(奈良県立国際高校)が本選への推挙を受けましたが、残念ながら本選に進むことが出来ませんでした。また来年に掛けたいと思います。

また審査中の時間を活用して、2024日中友好大学生訪中団第二陣に参加された天理大学の田中喜心さん、吉田頼親さんお二人から、訪中のご報告をして頂きました。上海・成都・北京を訪問されまさしく「中国を知る」を体現されたお二人の報告は、後輩にあたる高校生参加者や一般の方々にも大きな刺激になるお話でした。

これからの日中友好のあり方を教えてくれた気がします。

(事務局 塩崎義郎)

表彰式後の記念撮影
訪中団報告

東京都議会議員団が北京市を訪問

東京都日中友好協会

2024年11月21日〜23日、東京都日中友好議員連盟協議会(団長=都議会公明党幹事長・東村邦浩氏、受入=北京市人民対外友好協会)は北京市を訪中しました。今回は都議会・区・市議会から合計15名の議員と、事務局から3名、合計18名にて訪中団を結成しました。尚、同協議会訪中団の事務局業務は東京都日中友好協会が務めました。

東京都・北京市友好都市提携45周年を記念した今回の訪中団では、北京市人民政府を表敬訪問し、北京市人民代表常務委員会の張建東副主任と会見。張副主任からは本訪中団派遣に対する感謝と、五輪の開催経験がある両都市だからこそ出来る今後の取り組みや提携について建設的な意見が述べられました。

東村団長は今後より実務レベルでの連携や、交流をしていくことで両都市間の連携がより促進されるため、今後もより多方面での交流を進めていきたいと語られました。また、最後に、小池百合子東京都知事から北京市長宛に託された信書と贈物を渡されました。

本訪中団は、他にも北京市什刹海体育学校、都市図書館、今年ユネスコ世界遺産に登録された北京中軸線エリアにある鼓楼の視察や、北京の伝統芸能である京劇の鑑賞を行いました。

(副理事長 井上正順)

北京市人民政府で、団員と関係者による記念撮影
張副主任(前列右)と東村団長(同左)

有朋友在上海,不亦楽乎!
久しぶりの上海の旅

神奈川県横浜日中友好協会

飯田助知会長以下、会員及び中国語講座生総勢10名で2024年11月10日(日)から14日(木)まで6年ぶりの上海を訪ねる旅を実施した。

上海市人民対外友好協会傅継紅副会長による歓迎会見、昼食会で上海と横浜の友好都市交流の経過や今、そしてこれからの友好交流、とりわけ青年の交流推進について話し合いが行われた。

また、これまで相互学習交流のあった上海師範大学老年大学日本語学科元教授呉霞琴老師や、日本語を学んでいる皆さん30名と昼食を共にして、久しぶりの感動的再会を喜び合った。外灘(バンド)の近くにある「上海市留学人員之家」で旧学生らと交流を進め、来年、若者の参加を念頭においた上海での相互学習交流の再開を約束した。

4泊5日の短い上海の旅だったが、浙江省にある水郷「烏鎮」や蘇州への一泊旅行も実施した。新天地、豫園、再開発された北外灘や市内観光で上海市内の持続的な発展ぶりはもとより、蘇州などの発展ぶりも垣間見る旅だった。

(事務局長 小松崎勇)

傅継紅副会長(右)と飯田助知会長(左)
上海市留学人員之家で

全日本中国語スピーチコンテスト
東北大会開催

宮城県日中友好協会

宮城県日中友好協会は、日立システムズホール仙台で2024年10月27日、青年委員会主管のもと、全日本中国語スピーチコンテスト東北大会を開催した。宮城、山形、岩手、福島から26名が参加。メイン会場で行われた開会式では水戸雄二県協会理事長の主催者挨拶に続き、新潟総領事館の崔為磊総領事から祝辞が述べられた。

大会はスピーチの部と朗読の部を2会場で同時開催。審査を待つ間、中国人留学生による朗読課題文の模範朗読、その後、出場者や来場者が参加して「進化ジャンケン」というゲームを行った。

結果発表と入賞者への表彰の後、新沼光昭青年委員会委員長による閉会の挨拶で閉会した。

大会後の懇親会に参加した大学生出場者の青年委員会入会があった。大会は青年委員会メンバーを中心としたボランティアスタッフで運営している。私を含め、かつて出場者だった人も多い。中には転勤で仙台を離れ、毎年この大会での再会を楽しみに参加する仲間もいる。加えて今年は6月の日中友好大学生訪中団に参加した学生の運営参加があり、新たなメンバーが増え実り多き大会となった。

(青年委員会事務局長 吉澤千明)

参加者、関係者による集合写真

手巻き寿司交流会開催報告
卒業を前に振り返る日中友好活動と私の4年間

宮城県日中友好協会青年委員会

宮城県日中友好協会青年委員会では2024年11月10日、仙台国際センターにて手巻き寿司交流会を開催しました。子供から学生、お年寄りまで50名近くの方々にご参加頂き、手巻き寿司を食べながらの歓談やミニゲームを通して日中交流を楽しみました。刺身を食べることに馴染みのない方への配慮から、食材は野菜やツナ、いなり等を準備しましたが、当日交流した中国の方には生魚を食べる方も意外に多いと分かり、異文化の方にも寿司が本来の姿で楽しまれていることを勝手に嬉しく思いました。

また当日は東北大学邦楽部さんをお招きし、「東京音頭」等を演奏して頂きました。中国の方のみならず、日本人の参加者にとっても新鮮な体験となり、皆さんが演奏に聴き入っていました。今回の交流を通じて、皆さんがよりお互いの文化を理解する契機になったのではないかと思います。

また今後は、昨年に引き続き「元宵節の集い」を開催予定です。昨年は皆でごま団子を味わいながら、演奏や演舞の鑑賞、ビンゴゲームなどを通して文化交流を深めました。今年も様々な方と共に、元宵節を祝えることを楽しみにしています。また今後もこのような交流を継続・促進し、日中友好を深めていきたいと思います。

ところで、ここまでご報告申し述べた私は当委員会の学生代表でありますが、まもなく卒業するにあたり一度活動に区切りをつけるべき時期を迎えつつあります。その折こうした機会を得ましたので、恐縮ながら私の日中友好への関わりについてお話ししたいと思います。

私にとって大学で中国語を第二外国語として選んだことが、「中国」との初めての接点でした。その後大学3年次には、周囲の勧めもあり「日中友好」と名の付く大会に2つ参加しましたが、その時分は特段日中友好への思いもありませんでした。ただ、3年の終わりに訪中した後では気持ちが少なからず変わりました。一言で言えば、「中国」に魅せられました。それ以来、気付けば学生代表と名乗るようになり、「中国」は自分を形作るものの一つになりました。

4年前はまさか自分がこうなるとは思いもよらず、この成り行きは不思議にも思えますが、実は因縁と思える節もあります。というのも、私の祖父は中国を代表する思想家、魯迅に若き頃傾倒したそうで、その魯迅が在籍した東北大学に私は学び、「中国」との関わりを持つに至りました。もしかすると、知らぬ所で縁に導かれたのかも知れません。

(青年委員会学生代表 嶋村拓海)

手巻き寿司交流会での腕相撲対決!

両日中友好協会が連携協定締結
魯迅先生と藤野先生の師弟愛を次代へ

宮城県仙台市日中友好協会
福井県あわら市日中友好協会

2024年10月28日、宮城県仙台市で開催された「魯迅仙台留学一二〇周年・逝世八十八周年碑前献花式」に合わせて、魯迅の恩師「藤野厳九郎先生」の故郷、福井県あわら市から「あわら市日本中国友好協会」の大代紀夫会長をはじめとする5名の会員の方々が出席されました。

この節目となる献花式に先立ち、仙台市日中友好協会とあわら市日本中国友好協会は連携協定を調印しました。あわら市側からは上記の5名の方々、仙台市からは佐々木謙会長を始め9名の役員の他、若干名の一般会員が出席致しました。そして、今後も魯迅先生・藤野先生の師弟愛を次代につなげるべく、両市の関係を深めてゆく事を確認し合いました。

(仙台市日中友好協会事務局長 茂庭邦宏)

調印式に臨んだあわら市と仙台市の協会関係者
協定書にサインしたあわら市の大代会長(右)と仙台市の佐々木会長(左)

親睦日帰りバス旅行・三浦半島めぐり

千葉県佐倉市日中友好協会

佐倉市日中友好協会は2024年11月7日(木)、三浦半島方面に親睦日帰り旅行を実施しました。三笠記念艦・横須賀軍港めぐり・三崎港昼食とお買い物・みかん狩り・海ほたるを予定した日帰り旅行でした。

当日は、会員、会友満席の55名が参加、天候にも恵まれ、千葉県に1台しかない、2階建て観光バスで実施しました。車中、長谷川会長から日帰り旅行への参加の御礼、佐倉市日中友好協会の日ごろの活動へのご理解・ご協力に対する御礼等の挨拶があり、バスは一路目的地へ向かいました。

交通渋滞で三笠記念艦の見学は残念ながら中止となりましたが、軍港めぐり(遊覧)では、潜水艦・韓国のイージス艦等々数隻の接岸風景に皆さん大感動でした。三崎港では自由昼食とお買い物、皆さん大きな袋いっぱいの買い物に満足顔でした。みかん狩りは食べ放題で、ここでもお土産が増え、更に海ほたるにも立ち寄り、楽しい思い出が増えました。

帰路の車中でも、声を弾ませ話す人、一日楽しかった等々声が上がっていました。今回も新会員の方があり、十分に親睦交流が出来た日帰りバス旅行となりました。

(会長 長谷川稔)

YOKOSUKA軍港めぐり 汐入桟橋で

〝友好の絆をつなぐ〟
『日本中部6県中日友好交流大会』の開催

日中友好協会中部ブロック

中華人民共和国駐名古屋総領事館管轄内の、東海(愛知・岐阜・三重)3県と北陸(富山・石川・福井)3県の日中友好協会が一堂に会しての『日本中部6県中日友好交流大会』が、名古屋総領事館と石川県日中友好協会との共催により、11月17日(日)に金沢市の金沢東急ホテルにて開催されました。この交流大会は名古屋総領事館と中部6県の日中友好協会が一堂に集まり、名古屋総領事館と各県の日中友好協会がそれぞれの活動方針や事業活動を発表し、お互いに参考になる事業を共有すると共に、名古屋総領事館を中心として中部6県の友好と交流を深めることを目的として開催されています。

従来までは名古屋総領事館単独主催による交流大会でしたが、昨年より中部6県日中友好協会との共催のスタイルになり、昨年は愛知県名古屋市にて開催され、今年度は石川県金沢市にて開催されました。第一部の〝交流会〟は中華人民共和国駐日本国大使館施泳公使、中華人民共和国駐名古屋領事館楊嫻総領事、石川県日中友好協会石坂修一会長の挨拶にて始まりました。その後、各県の日中友好協会から今年度実施されてきた「事業の報告」発表がありました。それぞれの県日中友好協会独自のそしてユニークな活動が発表されました。自分の協会に無い事業をされている各県の発表を聞きながら、あの事業は形・内容を少し変えて自分たちの協会にも取り入れることが出来るのでは無いかと、発想のヒントを頂いた報告もあり、大いに参考になりました。

更に今回の交流大会のもう一つの主眼でもある「青年委員会の訪中報告」発表が、福井県、石川県、富山県の青年委員会の代表により行われました。青年層の感じた「今の中国の感想」が述べられ、それぞれに中国に対する見方の変化と、訪中が有意義であったと報告されていました。青年たちを送り出した各協会も、この報告を聞いてほっと一安心でした。第二部の〝交流懇親会〟は盛況のうちに行われ、あちらこちらのテーブルで自分の協会の悩みを相談したり、顔馴染みの人たちが、今の状況を語り合ったりしながら旧交を温めていました。更に第三部として、今度の能登半島地震の震災のお見舞いに名古屋総領事館から石川県に何度も訪問して頂きましたので、能登地区日中友好協会会長と石川県日中友好協会、名古屋総領事館楊嫻総領事との〝懇談会〟を開催いたしました。震災のお見舞い時に各協会長さんとお会いして面識があった分、お互いの近況について和やかにお話されていました。

全体として当初の目的通り、名古屋総領事館、中部6県の各日中友好協会との友好と交流が、達成出来たのでは無いかと感じられるような〝交流大会〟となりました。

(石川県日中友好協会理事長 重田勝年)

施泳公使、楊嫻総領事を囲んでの記念撮影
名古屋総領事と能登地区協会長との懇談会

中華人民共和国建国75周年記念講演と祝賀のつどい
宮本元大使が記念講演

長野県日中友好協会

長野県日中友好協会・県日中経済交流促進協議会・県日中学術交流委員会は昨年11月14日、中国建国75周年を記念して講演と祝賀のつどいを長野市内で開きました。講演会には約100名が出席。元中国大使の宮本雄二先生(公益財団法人日中友好会館会長)が「新しい時代の新しい日中関係構築は可能か」と題して記念講演を行いました。冒頭、西堀正司県日中友好協会会長が、「中国建国75周年を迎えた。この間、急速な変化発展を遂げ、国際社会において重きをなしている。日中国交正常化から52年が経過し、日中関係は様々な困難や課題に直面している。宮本先生の講演をお聞きし、平和で安定した日中関係を築くにはどうしたらよいかともに考えたい」とあいさつしました。

講演概要

  • はじめに
    私が当たり前と思っている中国の現状を話すとびっくりされることがある。日本の皆さんに中国の現状をお伝えすることが重要だと思うようになった。相手を理解しないとどう付き合うのかがわからない。経済も外交も同じだ。
  • 変わり続ける中国
    中国は成立75周年を迎えた。この間紆余曲折はあったが大きな成果を上げた。過去の連続の中に今の中国がある。毛沢東の急進路線(文化大革命などの極左路線)は挫折し中国は混乱に陥った。鄧小平は改革開放路線で市場経済を導入し経済を発展させたが、腐敗汚職などの問題も深刻化した。習近平は胡錦涛の解決できなかったこれらの問題にメスを入れ、党の指導体制強化をはかり、「中国の夢」を実現しようとしている。大国となり国際社会への発言権も増大し3期目以降の長期政権体制を確立したように見えたが現在、習近平路線は挑戦を受けている。ゼロコロナ政策は経済への打撃を最小限に抑え成果を上げたとされたが、国民の信任を揺るがし突然終結した。米国との対立も加わり経済の復活がうまくいかない。習近平の経済思想は「中国の特色ある社会主義市場経済」で、中国的ガバナンス=すべて党が指導するということだが、市場との対話は上手ではない(胡錦涛時代までは、政治は経済に手を出さず市場原理に任せた)。習近平路線は曲がり角に立っており、軌道修正しつつある。
  • 世界を変えた中国の成功・発展と新たな問題
    米国は中国を自分を超えられる初めての挑戦者ととらえている。この点、民主党も共和党も変わらない。戦後の世界秩序をリードしてきた米国の相対的な力の低下が進み、習近平は鄧小平の韜光養晦路線(才能を隠し時期を待つ)を放棄し米国と対等な大国関係を目指している。トランプの米国は自国第一主義、世界への関与からの撤退を志向するが、米中関係の緊張は続く。米欧民主主義国の社会の劣化、グローバルサウス諸国の自信と自己認識の変化が進んでいる。中国は中国式歴史認識からくる過剰な自意識によって、東シナ海や南シナ海の島はもともと中国のものなのに他国に占拠されていると思って行動しており、相手には覇権主義だと映る。
  • 日中はどういう国際環境におかれているのか
    日中の発展を支えた戦後の国際秩序が動揺している。米国は多国間主義からの離脱、保護主義(反自由貿易主義)など戦後の国際秩序(第3次世界大戦を防ぐための国際連合憲章、平等・平和、自由貿易等)を否定しようとしている。ヨーロッパも極右民族主義の台頭など一昔前とは異なっている。国連の弱体化、ロシア、イスラエルの戦後国際秩序への正面からの挑戦、保護主義の台頭とブロック経済化が進んでいる。歴史を振り返ると第一次世界大戦後の世界恐慌の後、経済のブロック化が進み、ナチスや日本の軍部などが台頭し、第二次大戦へ突き進んだ。1930年代の再来となるか? 弱肉強食の「ジャングルの掟」の時代に戻るのか! 今、分岐点に立っている。米中の軍事衝突は世界の破滅につながる。中国は「1つの中国」の原則で台湾の独立は許さない。李登輝政権時ミサイル演習を行い激しく反発した。クリントンは空母を派遣する一方「1つの中国」を守ると述べた。その後中国は軍備を増強し空母も所有し米国に対抗できるようになった。米国は州兵レベルでは台湾の軍隊の訓練を行っている。トランプは台湾支援を強化するだろう。米国が介入すれば日米安保条約によって日本も巻き込まれる。そうならないようにすることが日本外交の最重要課題だ。日中は関係が悪いときほど緊密な意思疎通を図る必要がある。最近、秋葉(国家安全保障局長)・王毅(外交部長)会談が行われた。最低限、信頼関係を保ち意思疎通を図っていくことが重要。来年はハイレベルの日中対話が復活する。李強首相の来日、日本首相の訪中などが実現するだろう。石破政権は長続きしてほしい。トランプは米国第一主義で予測不能のところがあるが、米国憲法の規定により3選はない。4年間国際社会はこれに耐え教訓を活かすことが必要。米国の力は落ちており世界は米国の思い通りにならず相談せざるを得ない。ヨーロッパでは極右、自国第一主義の台頭がみられる。日本は、相対的に見て安定した道を歩んでいる。
  • 新しい時代の新しい日中関係とは
    中国は国連重視、国際法と自由貿易など現行の国際秩序を守ろうという立場だ。日本と共通点があり、日中が手を結ばなければならないことになる。すなわち「戦後国際秩序の護持と発展」。日中の「戦略的互恵関係」の意味するところでもある。両国は同じ志を持った「同志国」を糾合し「戦後国際秩序の護持と発展」のために努めなければならない。そのためにも安定した日中の平和、友好、協力関係を構築し、日中は軍事安全保障、政治外交、経済、文化民間交流の各分野において必要かつ適切な対応をすべきである。日本の民間組織は、日本社会の対中認識の改善に最大限の努力をすべきだ。

講演後、宮本先生を囲みパネルディスカッションを行いました。濱田州博諏訪東京理科大学長・前信州大学学長、足立正則飯山日中会長・前飯山市長がパネラーに名を連ね、西堀会長がコーディネーターを務めました。濱田氏は大学間交流を通じて、足立氏は深圳市との教育などの交流を通じて、中国の変化を肌で感じていると述べました。宮本先生は、多様な課題を抱えているものの中国経済は依然として高い成長力を持っており、「日本人の対中感情は複雑だが、対中関係の重要性は認識されている」と述べました。

(副会長 布施正幸)

講演する宮本雄二元中国大使

全日本中国語スピーチコンテスト
長野県大会開催

長野県日中友好協会

2024年10月13日、長野県日中友好協会ラジオ孔子学堂の主催による全日本中国語スピーチコンテスト長野県大会が信濃教育会館講堂で開催され、高校生や大学生、一般社会人14人が出場しました。

スピーチ部門で優勝した小林美月さんは、大学で中国語を学び、中国に留学した経験を「初めてを恐れない」というテーマで語りました。2位の檀ノ原美月さんは、日本人の「ありがとう」の多用に関し、中国人との視点の相違を発表しました。

審査委員長の夏丹さんは講評の中で、「身につけた中国語を使って中国の友人を作ってほしい」と述べました。布施正幸運営委員長は冒頭の主催者あいさつで「中国語を通じて日中友好の輪が広がることを期待している」と述べました。

(長野孔子学堂 戸井田靜男)

大会の様子