各地の日中交流ニュース

2023年12月1日号 /

4年ぶりに国慶節を祝う

・秋田県日中友好協会、同女性委員会

秋田地区日中友好協会(小木田喜美雄会長)と秋田県日中友好協会女性委員会(石黒かほる会長)は9月30日、秋田市のイヤタカで中国の建国記念日・国慶節を祝う会を開いた。感染予防対策をたてて4年ぶりの開催。司会者の佐藤惣良理事長がオリジナルソング「友好の翼」について紹介した後、全員での斉唱で幕開きとなった。

来賓には秋田地区華僑華人連誼会会長・崔成岩氏や秋田県国際交流員・王暁娟氏、それに秋田県甘粛省技術研修員等受入事業で9月21日から1か月の予定で滞在している研修員・周静氏をお迎えし、秋田大学と秋田県立大学の留学生や両会会員らを合わせて31人が参加し、会食やゲームなどで交流を楽しんだ。

小木田会長は「現在の日中間には困難な問題もあるが、私たちは皆さんとの交流を大切にしていきたい」と話し、高齢化のため会員が減少しているので若い人の加入も希望したいと呼びかけた。石黒会長は「昨日は中秋の名月でした。皆さん、美しい月をご覧になりましたか」と尋ねた後、留学生には「私たちは皆さんと共にあるということを忘れないで下さい」と語った。中国留学生秋田地区学友会会長の李学術さん(秋田大学3年=陝西省出身)は、国慶節を祝う会に参加出来たことのお礼を述べ「日中交流の輝かしい未来を祈っています」と話した。

アトラクションではビンゴゲームが行われ、佐藤理事長が進行係を務め、山脇幸美理事や佐藤絵里会員と共に笑いでいっぱいのひとときを演出。正面のテーブルには石黒会長恵贈の景品が山と積まれ、景品を手にした参加者は満面に笑みを浮かべていた。

留学生たちの間では、県内を襲った7月の記録的大雨による浸水被害のことも話題になっていて、それぞれの体験を語り合った。秋田市の孫宸瀚さん(秋田大学2年=山東省出身)は、内水氾濫が起こった秋田駅東側の住宅街の道路では通行人が腰まで水に浸かっていて、川のようだったと語り「7月15日の夜8時から10時頃にかけて、近くの地下道に向かって激流に押し出されている通行人を一人ずつ引き戻して4人を救助した」と話した。「みんな助かってほっとした」とつぶやく様子に心打たれた。1月の春節を祝う会にも参加していた孫さんは「国慶節にも参加できてとても嬉しい」と喜ぶ姿が印象的だった。

会場は終始和やかな雰囲気に包まれ、楽しいひとときとなった。

(理事 古谷孝男)

食事を楽しみながら歓談が弾む留学生たち

中国人と会員が交流の集い!
初めて会っても仲良くなれた

・福島県日中友好協会

県内に住む中国人と各地区協会会員70名が10月7日、会津坂下町の農村環境改善センターに集合し、福島県日中友好交流の集いを盛大に行いました。日中関係が冷めている時だからこそ、地元に住む中国人の主婦や留学生を招いて、初めて会った人でも仲良くなれる交流会を開催しました。

まず開会式では地元会津若松市日中所属の遠藤久県協会会長から主催者の挨拶があり、来賓の新潟総領事館の段副領事と協会会員、一般参加者の紹介がありました。そして日中の共同作業である翡翠餃子つくりと羊肉串、空心菜の大蒜炒めと、会津地方の食材をふんだんに利用した芋煮鍋、新米のおにぎり、地元のリンゴの皮むきと参加者が一緒になって、昼食の準備を行ったところ、お互いの食文化には共通点も相違点もあることにあらためて気付き話の花が咲きました。

それから中国に数千年前から伝わる指字書道の実演、太極拳の体験、二胡の演奏があり、最後には初対面の人にサインをもらう朋友ビンゴゲームを行って盛り上がりました。また参加者には参加記念品として、歴史の町会津で日本の歴史をあらためて学んでもらおうと、地元高校の校長先生から寄付された、外国人にもよくわかる日本史の教科書を配布しました。ビザの取得に時間がかかり、中国訪問がなかなか叶わない時こそ、草の根の友好団体として、そこに住む者同士の親睦を深めるいい機会になると気づかされた行事となりました。

(事業委員長 佐藤厚潮)

ゲームなどを通して親睦を深めた参加者たち

朗読、弁論に35人出場

・東京都日中友好協会

「第41回全日本中国語スピーチコンテスト東京大会」が10月9日(月・祝)、渋谷区リフレッシュ氷川で開催された。今年は新型コロナウイルスが5類に引き下げられたことにより3年ぶりに観客や応援客を動員したほか、日中平和友好条約締結45周年の年とも重なり、熱気あふれる大会となった。

午前の朗読の部では、中学生・高校生の部として5名、大学生・大学院生の部で17名、一般の部で4名が参加し、日ごろの練習の成果を競った。午後の弁論の部では、大学生・大学院生の部で3名、一般の部で6名が参加した。朗読部門(大学生の部)で参加したYさんは「来年は弁論の部に挑戦したい」と意気込みを語ってくれた。

弁論の部では、自由なテーマでスピーチのあと、審査員と中国語で質疑応答があり、朗読部門よりもぐんとレベルがアップ。年代やレベルの異なる中国語学習の「仲間」が集う場となり、刺激的で大変有意義な大会となった。

朗読の部で最優秀賞を受賞した仙太水歩さん、中国大使館賞を受賞した濱田圭一朗さん、そして弁論の部で最優秀賞を受賞された杉浦帆南海さんと今野さくらさんが、2024年1月7日に開催される、(公社)日中友好協会主催の全国大会にエントリーされた。テープ審査の末に実際の出場が決定する。

(安井りお)

弁論の部参加者と審査員

朗読の部集合写真

 

牧野記念庭園を見学
「らんまん」ゆかりの地

・東京都日中友好協会

秋天に恵まれた10月6日、文化交流委員会の10人は、NHK朝ドラ「らんまん」のモデルになった日本の植物分類学の父・牧野富太郎博士の旧居跡、練馬区立牧野記念庭園を見学した。

ここには1889年に新種の学名をつけたヤマトグサ、奥様にちなんだスエコザサ、桜〝仙台屋〟、ヘラノキなど博士にゆかりの300種類の植物が生育している。当日は企画展「牧野富太郎 草木とともに」が開催され、学芸員の田中純子さんから詳しい説明を伺った。今春、書屋展示室で博士が実際に使われていた書斎と書庫に当時の様子を再現する展示がオープンした。参加者は「今後は春の桜の季節に訪れたい」と感想を語った。

同庭園は西武池袋線「大泉学園」駅から徒歩5分。入場無料(火曜日休園)。

(文化交流委員長 斎藤 成)

牧野記念庭園で、牧野博士の等身大パネルと共に記念撮影する参加者

40周年記念遼寧省訪中団
青少年書画交流展が実現

・神奈川県日中友好協会

今年の神奈川県・遼寧省友好提携40周年を記念し10月16日、瀋陽で記念式典が開催され、訪中した黒岩祐治知事と李楽成遼寧省長との間で友好交流のさらなる強化に関する覚書が締結された。

知事の訪中に合わせて派遣した当協会訪中団(団長:岩和志副会長、高校生7名を含む団員15名)も4年ぶりに10月15日から20日の日程で瀋陽、北京を訪問した。瀋陽では記念式典に参加したほか、東北育才外国語学校と共催で恒例の遼寧省高校生日本語スピーチコンテストを開催するとともに、高校生同士の交流で友好を深めた。スピーチコンテスト優秀者2名を神奈川県に招待することも新たに決まった。

さらに40周年記念事業として遼寧省人民対外友好協会と共催で、日中合わせて300点を展示する青少年書画交流展が実現した。瀋陽市図書館で行われた開幕式で黒岩知事に続き岩団長が開会のあいさつをした。

北京では、2019年度全国中国語スピーチコンテストで第1位に輝いた白鳥悠悠美さん(当時県立小田原高校1年、現在清華大学2年)の尽力で、清華大学の見学と大学生7名との交流が実現。中国での大学受験や留学事情を聴くなど、高校生はじめ団員にとって貴重な体験となった。

なお、神奈川県での青少年書画交流展は11月29日から12月3日まで神奈川県民ホールにおいて開催される。

(専務理事 三浦 修)

青少年書画交流展を観覧する黒岩知事(手前)

強制連行中国殉難烈士182人
木曽谷で慰霊祭、平和を誓う

・長野県日中友好協会

太平洋戦争末期に中国から木曽谷に強制連行され、過酷な発電所建設工事で亡くなった中国人182人の慰霊祭が10月13日、木曽町三岳の大島橋脇にある中国人慰霊碑の前で行われました。中国大使館の郭暁涵参事官はじめ県木曽地域振興局副局長、関西電力木曽水力センター所長、木曽郡町村会会長、木曽町町長、木曽郡内の町村や塩尻市の代表、木曽町三岳の代表、日中友好協会会員など50余人が出席しました。

5年ごとに開催。主催者の県日中友好協会の西堀正司副会長が「殉難者の皆様に思いを馳せ、日中不再戦のために力を尽くしていく」と強調。郭参事官は「日中平和友好条約締結45周年の年に戦争の教訓をくみとり、先輩たちが切り開いた友好関係が続くよう努力したい」と述べました。県知事の追悼の言葉代読に続いて木曽仏教会会長の西澤義正池口寺住職や地元の小島宗徳大泉寺住職らによる慰霊法要が行われ、参列者が菊の花を祭壇に手向け冥福を祈り平和を誓いました。

別会場で行われた慰霊斉事では、慰霊碑維持管理委員長の原久仁男木曽町長が「強制連行殉難中国人慰霊碑を地元として守ってきた」と発言。貴舟豊木曽郡町村会会長(大桑村村長)は「戦争体験者が4・3%となったが、日中不再戦の思いを若い世代に引き継いでいきたい」とあいさつしました。布施正幸県日中副会長は「40年前、当時の羽生田源三県日中会長と原山茂夫氏(勤労動員された旧制長野中学同窓会の代表)とともに往復7時間余りの道のりを4度、車を走らせて訪問し慰霊碑の建立について熱心に話し合った。当時の和形三岳村村長はじめ県や木曽郡下の町村、関電や関係企業、石工組合など多くの皆さんのご協力で860万円余りの寄付が集まり半年余りで大変立派な慰霊碑が完成した」と振り返りました。大月良則県日中理事長から慰霊碑の清掃管理を長年にわたり行ってきた三岳シニアクラブ(横沢淳一会長)に感謝状が贈られました。塚原道廣王滝村村長の音頭で献杯しました。

(副会長 布施正幸)

慰霊祭で追悼の言葉を述べる郭暁涵中国駐日本国大使館参事官

20名が出場し練習の成果披露

・奈良県日中友好協会

第41回全日本スピーチコンテスト奈良県大会を10月22日(日)、奈良市中部公民館で開催しました。

本年は昨年(18名)を上回る20名の参加で出場者は日頃の練習の成果を、思う存分発揮されました。

中でもスピーチ部門大学生の部優勝者は、内容、スピーチともに審査員の先生から高い評価を得、朗読部門一般の部、中高校生の部、大学生の部からの各一名とともに全国大会に推薦されました。テープ審査を経て選ばれれば全国大会に出場できます。

また審査中の時間を活用して、本年は中国ゆかりの漢詩「春望 杜甫」を留学生による朗読とともに井上寿美先生が詩吟を披露。漢詩「静夜思」では井上先生の詩吟と当協会の何成鋼副会長の揮毫(書道吟)披露で大いに盛り上がりました。スピーチコンテストの場を活用して、中国から伝わった漢詩と詩吟、書道吟の融合で日中友好にふさわしい会となりました。

(事務局 塩崎義郎)

表彰式後のスピーチコンテスト参加の皆さん

「中日友好千年萬年」
紀三井寺で記念碑顕彰

・和歌山県日中友好協会

中日友好協会初代会長廖承志氏の筆による「中日友好千年萬年」の書を大理石に刻んだ記念碑を昭和54年の設置以来、絶えることなく毎年顕彰してきた和歌山県日中友好協会。その恒例行事が10月14日、紀三井寺の境内で開催された。

駐大阪総領事館の方煒副総領事をはじめ和歌山県・和歌山市・華僑総会・県内大学の中国人留学生代表・国会議員代理・県議・市議・当協会会員ら約30人が両国の友好関係の発展を誓い合った。

約1250年前に中国から日本に渡った為光上人が、ここ和歌山の地に開いた紀三井寺。前田泰道貫主からは「毎年変わらず開催するこの顕彰式が平和友好の証し」と述べ、方煒副総領事からは「千年は日中両国のこれまでの歴史、萬年は今後築きゆく友好の誓い」との祝辞を述べた。
中会長は「政府間の外交を超えたところの以民促官で次の若い世代に託したい」と決意を述べた。

記念碑に全員で拝礼した後、会場を本堂の広間に移し、懇談のひと時を持った。

(会長 中 拓哉)

記念碑を顕彰する参加者=紀三井寺