各地の日中交流ニュース

2023年3月1日号 /

「日中茶道交流会」開催

・北海道日中友好協会 青年委員会

北海道日中友好協会青年委員会と、留学生でつくる北海道大学学友会の共催による初の「日中茶道交流会」が1月14日、札幌市と中国深圳市を結び、オンラインで行われた。

茶道は日本で発展したが、もともとは中国からの茶と茶文化の招来から始まったもの。華道とともに日本と中国それぞれの流儀があり、その歴史と文化の違いについて疑問に思った北大学友会のメンバーが道日中に相談し、今回の茶道交流会が実現した。昨年夏に行われた「日中華道交流会」に続き2回目の文化交流行事。

講師は札幌日中友好協会会員で茶道裏千家教授の西川奉子さんと、中国深圳市国際茶芸協会執行会長である陳鋅氏が務めた。

北大学友会会長、朱凱歌さんが司会役となり、はじめに陳さんが中国茶の歴史や茶礼などを説明し、お茶の淹れ方を動画で紹介した。時代ごとのお茶の淹れ方の変化や、お茶の楽しみ方などを知ることができた。

続いて西川さんが日本の茶道の歴史を説明した後、留学生と一緒に撮影したお茶をたてる動画が流された。出演した3人の留学生は慣れない正座に苦労しながらも、西川さんから茶道の作法を教わっていた。札幌日中会員の佐藤英三子さんが点前し、杉井恭子さん、藤井和子さんが見守った。

最後の質疑応答では、茶道で使われる茶碗について陳さんが西川さんに尋ねた。30人のリモート視聴者からの質問もあり、約2時間、お茶をめぐる日中の有意義な交流が続いた。

(青年委員会委員長 田中佑宜)

茶道裏千家の歴史を語る西川さん

留学生3人に茶席を説明する西川さん

 

3年ぶりに春節を祝う
大正琴演奏が花を添える

・秋田県 秋田地区日中友好協会/秋田県日中友好協会 女性委員会

秋田地区日中友好協会(小木田喜美雄会長)と県日中女性委員会(石黒かほる会長)は1月21日、秋田市のイヤタカで中国の春節を祝う会を開いた。コロナ禍が続いているが、感染予防対策をたてて3年ぶりの開催となった。

来賓には、秋田地区華僑華人連誼会会長・崔成岩氏と同会副会長・張函氏をお迎えし、秋田大学の留学生や両会会員ら25人が参加して、会食やビンゴゲームなどで交流を深めた。小木田会長は「中国では明日が春節だが、今日は大いに楽しんでもらいたい。今年は日中平和友好条約締結45周年にあたる。国際情勢は激動しているが、民間交流を大切にしていきたい」と挨拶。

全国女性委員会委員長でもある石黒会長は「中国の方々と一緒に春節を祝うことが叶って嬉しい。秋田という地を選んで留学してくれた学生たちに感謝」と語った。

アトラクションでは大正琴研修院秋和流(中村翠生家元)の藤井祥子さんと長女・楓子さん、次女・乃綾さんの3人が「ケセラセラ」など4曲を披露しお祝いに花を添えた。

中国留学生秋田地区学友会会長の李学術さん(秋田大2年=陝西省出身)は「秋田で春節をお祝いしていただいて、とても嬉しい。これからは色々な行事を楽しみにしているので、よろしくお願いします」と述べた。山東省出身の孫瀚林さん(秋田大1年)は「今日はこのように楽しく交流できて幸せです」と満面に笑みをたたえていた。

1991年から行われている春節を祝う会は、新型コロナウイルスの影響で一昨年から中止されていたが、今回は日中国交正常化が昨年50周年を迎えた記念も兼ねて開催の運びとなった。参加者は和やかに団らんしながら喜びを分かち合った。

(県日中理事 古谷孝男)

アトラクションで披露された大正琴演奏

 

3年ぶりの春節祝賀会を開催

・宮城県 石巻地区日中友好協会

石巻地区日中友好協会は、1月22日春節の日に3年ぶりとなる春節祝賀会を「日中平和友好条約締結45周年」を記念し石巻市「飛翔閣」で40名の参加で行った。

主催者を代表して白井省三会長が「日中関係は曲がり角に差し掛かっているが、互いの国を等身大で知ることは大切だ。来年は石巻市と中国浙江省温州市との友好姉妹都市締結40周年。石巻市はこれに向けて準備してほしい」とあいさつ。

また来賓として参加した齋藤正美石巻市長は「コロナ禍でも温州市とはオンライン交流を通じ、友情を築いている。政府間ではなく民民の交流を根付かせることが大切。皆さんの力を借り、来年の40周年はしっかりやり遂げたい」と語った。

集合写真。温州市から石巻市に贈られた、春節の飾りを手に

その後本紙2022年7月号、11月号に紹介された王拓希さんによる中国四川省の古典芸能「川劇 変面」が披露された。王さんは石巻市出身ということもありお願いした。間近で見る軽快な音楽に合わせた変面に参加者も驚いたようで、会場が大きく盛り上がった。

また、交流の中では石巻専修大学留学生への記念品の贈呈やこの日参加した多くの中国人の方々から自己紹介をして頂いた。

来年は石巻市と温州市と友好姉妹都市締結40周年を記念した春節祝賀会を、何とかコロナも収まりマスクなしで開きたいものだと思っています。

(事務局 木村正幸)

王拓希さんによる「川劇 変面」の披露

日中友好春節コンサート感動のひと時を過ごす、
中国民族楽器演奏等に大きな拍手

・長野県日中友好協会/長野県 長野市日中友好協会

日中友好春節コンサートが1月28日、長野市若里市民文化ホールで開催され、600人の市民が二胡や古筝演奏、バリトンとソプラノ歌唱、ピアノや金管アンサンブル演奏を楽しみました。

2時間余りの演奏に観客の皆さんから盛んな拍手が送られました。

出演者は、二胡奏者で日本二胡振興会会長の武楽群さん、古筝奏者の王敏さんと渡邊美姫さん母子、バリトン歌手の崔宗宝さんとソプラノ歌手の徐泙さん夫妻、ピアノ伴奏の村上藍さんらとともに、地元から二胡奏者の久保里子さんと久保さんが主宰する長野二胡学友会の皆さんや長野ラジオ孔子学堂の長谷川宗利さん(中阮)、鈴木正彦さん(笛子)、金管アンサンブルのシュムックの皆さんも加わりにぎやかな舞台となりました。

武楽群さんは1988年に来日、音楽、美術、演劇、著作など、多方面で活躍。現在、NPO日本二胡振興会の会長として、日本における中国楽器二胡の普及振興に努めています。あいさつの中で、「30年ほど前来日した時は二胡を知っている方も少なかったが今や多くの方が二胡を愛好している。こんなにうれしいことはない」と語りました。

また東日本大震災被災地に何度も足を運んだことやつなみで押し流された流木で二胡を作って演奏していること等も紹介されました。武さんに師事した久保里子さんとシュムックメンバーで元SBCアナウンサーの久保正彰さんの名司会で気持ちよく進行していきました。

大月良則県日中友好協会理事長が、主催者を代表してあいさつし、「日中平和友好条約45周年の春節にあたり、素晴らしい中国民族楽器のしらべを味わってほしい。本日は中国帰国者の皆さんも大勢参加いただいている。日本と中国は、争えばともに傷つき、和すればともに益となる。末永い平和友好を願う」とあいさつしました。

* * *

オープニングの合奏では春節にちなんで「喜洋洋」そして「紫竹調」、さらに美空ひばりの代表作「川の流れのように」が演奏されました。続いて古筝奏者の王敏さんが「嘎達梅林」(ガダ・メイリン)を、渡邊美姫さんも加わり古筝二重奏で「黄山流水」を披露しました。崔宗宝さんは宮沢賢治の「雨にも負けず」の歌を会場全体に響かせ、徐さんとともに石川啄木の「初恋」を歌って拍手を浴びました。武楽群さんと王敏さんの二胡と古筝の合奏「二泉映月」では〝津波二胡〟での演奏となり、不屈の精神、未来への憧れを表現していると言われ、聴衆に感動を与えました。シュムックの皆さんによる金管九重奏「トランペットチューン」「沖縄メドレー」は華やかな金管アンサンブルが鳴り響きました。「長相思」は武楽群さんと久保里子さんの二胡とシュムックの皆さんの金管九重奏の合奏という珍しい試みで披露されました。村上藍さんの「茉莉花」のピアノ演奏、武さんの「黄土恋歌」も深い感動を与えました。

最後に、春節の大みそかに放送されたCCTVの番組「春節晩会」のエンディングテーマ曲「同一首歌」が二胡と古筝の演奏をバックに崔・徐さんカップルによって歌い上げられました。

* * *

拍手が鳴りやまない中、アンコールに応えて出演者が勢ぞろいして、「ふるさと」が会場と一体となって演奏されました。2時間余りがあっという間に過ぎ、長野市日中友好協会から花束の贈呈が行われ終演となりました。

「二胡や古筝をはじめ中国民族楽器の素晴らしい演奏、金管楽器演奏も加わり楽しく聞かせていただきました。心に響き至福のひと時でした」と語りながら帰って行く観客の皆さんを、コロナ禍の中で、無事コンサートが実施できたことに感謝しながら、スタッフも嬉しく見送りました。

(長野県日中友好協会事務局)

 

春節に、映画上映会と
ミニお茶会で交流

・福井県 鯖江市日中友好協会

中国の正月にあたる春節に合わせ、福井県の鯖江市日本中国友好協会は1月22日、市図書館「文化の館」で、映画上映会やミニお茶会などを企画した。地域に住む中国人や日本人ら計約50人が参加し、コロナ下でのささやかな交流に心を通わせた。

冒頭で協会の田中敏幸会長は「日中関係はぎくしゃくしているが、このような草の根の交流を続けていきたい」とあいさつ。友好の証としてかつて北京動物園から贈られたというパンダ柄のネクタイをスーツのすき間からのぞかせ、会場を和ませた。

続けて、中国・香港合作の人気青春映画「少年の君」(2019年公開)を上映したほか、同協会の有志らが持ち寄ったり購入した生活用品を「お年玉」として配った。

映画上映会であいさつする田中会長

配布する生活物資を準備する同協会の理事たち

この日は故郷のフルーツジュースなどを飲みながらおしゃべりを楽しむ「ミニお茶会」もあり、参加者らは時折笑みを交えながら自らの趣味や日々の過ごし方について話し合っていた。

参加した女性は「コロナで交流が少ないなか、同郷の人や日本の人たちと話せて気持ちが和んだ」と話した。

(事務局 大森治幸)

ミニお茶会の様子

2023年1月14日
和歌山県日中友好協会新年互礼会が3年ぶりに開催

・和歌山県日中友好協会

当協会の中拓哉会長が開会の挨拶に立ち、昨年春の関西スタンプラリー開幕式と秋の「中日友好千年萬年」の記念碑顕彰式典を紀三井寺で開催したことや、2022年12月8日に和歌山県と清華大学との包括交流締結1周年記念シンポジウムで、李廷江教授が示した国交回復前の北京での当協会の初期の活動の模様や白浜のジャイアントパンダ招致の当協会の功績に触れ、「以民促官」の精神で本年も友好活動展開の決意述べる。

祝辞に立った方煒副総領事からは、大阪への赴任が決まった時、友人たちの羨望の的となったことやスキューバダイビングの聖地・串本の海でのダイブを妻とチャレンジする夢があり、和歌山県日中友好協会との友好促進に努めるとのユーモア溢れるスピーチがあった。

続いて浮島智子衆院議員、鶴保庸介参院議員の祝辞に続き、公務の間隙をぬって駆けつけた岸本周平県知事もマイクを握り、当協会員として長年各種行事を共に継続してきた歴史を振り返りつつ、自身が山東大学名誉教授として教鞭を執ったエピソードにも触れ、今後は県知事として、友好促進に取り組むとの強い決意を述べた。

この後、会員関係者60人で有意義なひとときを過ごした。

(会長 中 拓哉)

 

「2023年 新年会」を開催

・福岡県日中友好協会

福岡県日中友好協会は、3年ぶりとなる恒例の「2023年新年会」を1月18日に福岡市の「福新楼」で開催しました。

当日は理事・各地区協会員20人と中国駐福岡総領事館:律桂軍総領事・関麗敏領事・宋啓恒領事アタッシエ3人の計23名が参加しました。その前に第8回の理事会を開いて今年の取り組みなどを確認した後、会が始まりました。

冒頭挨拶に立った森山沾一会長は、「昨年は日中国交正常化50周年の年で、1月には、全国に先駆けて記念の九州大会を開催し、10月には、当協会としては初めてのスピーチ&作文コンクールを開催し、全国からも高い評価を得ています。今年は、日中平和友好条約締結45周年であり、日中友好運動を発展させましょう」と話しました。

次に、律桂軍総領事は「皆さんのこれまでの中日友好のための取り組みに感謝します。今年は、日中平和友好条約締結45周年であり、多くの皆さんの協力を得ながら、記念行事を行いたいと思います」などと述べました。

その後、佐々木徹理事長の音頭で乾杯して懇親会が始まり、しばらく各卓で和やかな雰囲気の中で懇談しました。ただ、律総領事以下3人は、「コロナ感染」もあり、そのまま退席されました。

その後、各地区の参加者から一人ずつ自己紹介と日中の関係やこれまでの取り組み、そして新年の抱負などが述べられました。久しぶりの宴会でもあり大いに盛り上がって和気藹藹の雰囲気の中で閉会を迎え、仁戸田元氣副理事長の挨拶で新年会を閉じました。

(事務局長 中村元氣)