各地の日中交流ニュース

2022年11月1日号 /

日中国交正常化50周年記念講演会

・北海道 釧路日中友好協会

9月8日、釧路日中友好協会は日中国交正常化50周年記念講演会をANAクラウンプラザホテル釧路で開いた。参加者約60名が釧路港の発展をテーマにした講演に耳を傾けた。

講師に(公財)日中友好会館 中国常任理事 黄星原氏による『日本と中国 国際中継港「釧路」の役割』では、「釧路は地理的に、北米航路、北極海航路における欧米と北東アジアの海上物流の中継拠点『南のシンガポール、北の釧路』として、『新興国際都市』に発展する可能性」を述べた。㈱SCG総合研究所 代表取締役 柏倉柳一郎氏による国土交通省の政策「スーパーシティ構想」の釧路版による日本製紙釧路工場跡地の開発の必要性を述べた。

(事務局長 上見国敏)

【左】黄星原氏 公益財団法人日中友好会館常任理事(左)と蝦名大也 釧路市長(右)【右上】講演の様子 【右下】満席の会場

 

感染予防対策のもと国慶節を祝う ~秋田舞妓が花を添える~

・秋田県 秋田地区日中友好協会&秋田県日中友好協会 女性委員会

秋田地区日中友好協会(小木田喜美雄会長)と秋田県日中友好協会女性委員会(石黒かほる会長)は10月1日、秋田市のイヤタカで中国の建国記念日「国慶節」を祝う会を開いた。コロナ禍が続いているが、感染予防対策を周到にたてて3年ぶりの開催が叶った。来賓には、秋田市企画財政部企画調整課都市間交流担当課長・橋本春樹氏と秋田地区華僑華人連誼会会長・崔成岩氏をお迎えし、県内在住の中国出身の方々や両会会員ら30人が参加し、会食やゲームなどで交流を深めた。小木田会長はあいさつで「今年は秋田県と甘粛省、秋田市と蘭州市の友好提携が40周年にあたる」と話し、翌日開催される「あきた国際フェスティバル」についても紹介した。全国女性委員会委員長でもある石黒会長は民間交流の大切さを述べ、「交流なくして友好なし、友好なくして交流なし」と語った。

アトラクションでは、秋田舞妓の紫乃さんと佳乃藤さんがステージに登場すると、まばゆいばかりの姿に歓声が沸いた。「鶴亀」をはじめ「酒の秋田」や「秋田音頭」と軽快に舞う姿は、いずれも一幅の絵となる美しさだった。

舞踊のあと、参加者は各テーブルごとにステージ前に集まって、舞妓さんとの記念撮影となり、会場は一段と華やいだ。

プログラムの最後は恒例のビンゴゲーム。これまで司会を務めてきた佐藤惣良理事長は、ここでも進行係となって、山脇幸美理事と共に趣向を凝らして楽しいひとときを演出。景品を手にした参加者は童心に返ったように顔をほころばせていた。このたびもまたバラエティーに富んだ景品を用意してくれた石黒会長に感謝。

県日中・地区日中や県女性委員会で、長年役員の任にあたり、重責を果たしてきた伏見詐枝子さんは、11月に長男の家族の住む福岡市に引っ越すことになっており、本人にとって当日が最後の行事となったことから「アルバムを開くと、写真の多いのにびっくり。忘れられない思い出の数々」と感慨もひとしおのようだった。

(県日中理事 古谷孝男)

秋田舞妓があでやかに舞う

 

次の50年へ 王拓希さんをお招きして

・宮城県日中友好協会

折しも本誌7月号の王文強さんの「変面への喜怒哀楽」を拝見した直後、弟子の王拓希さんとのご縁がつながり、8月27日に行われた宮城県日中友好協会定期総会にお招きする運びとなりました。

王さんとの距離はおよそ3メートル。「こんな近い距離で変面を見ることができる」「今日こそ、顔が変わるあの瞬間の種明かしを見よう」と、まるで手品を見る子供のような気持ちで目を凝らして見ました。ところが華麗な動きに、ついにその瞬間を見届けることはできず・・・。

生の変面を初めて見た会員からは「なぜあのように変えることができるのか不思議だ」、かつて成都で見たことがあるという会員からは「本場の変面にも劣らないくらいの技術だ。機会があれば、また見たい」と感想をもらいました。

王拓希さんは「師である王文強先生の先生がいらっしゃる成都を訪れたい」「中国語も勉強中」と話していました。折り目正しい物腰の王さん、自分から王文強さんに教えを請うたといいます。変面の下の本物の優しい顔からは想像のつかない芯の強さを感じたと同時に、協会はこのように中国に興味をもつ若者を育てていくことが次の50年の日中友好につながるのではないかと思った出会いでした。

王拓希さんの今後の活躍に期待します。

(副理事長 横山弥生)

 

日中国交正常化50周年記念『時の記憶』
=中国在住 日中カメラマンによる写真展=

・宮城県 富谷市日中友好協会

9月16日から30日まで、富谷市役所の市民ホールにて開催されました。中国在住の日本人5名、中国人5名の写真愛好家の皆さんの協力をいただき、中国各地の風景や市井の人々の生活を写した写真40枚が展示されました。

来場者からは「どれを見ても素晴らしい写真ばかり」「今は行けないが、コロナが落ち着いたら行ってみたくなった」「政治や経済ばかりではない、人間の心の大きさを感じた」等多数の感想が寄せられました。

(事務局長 横山弥生)

 

第23回 日中友好写真芸術展を開催

・京都府日中友好協会

京都府協会と中国陝西省対外友好協会は、友好交流活動の柱として隔年に相互訪問して訪問地で写真芸術展を開催してきました。しかし、2019年秋に陝西省安康市において第22回を開催した後、京都で開催予定の第23回はコロナ禍のため2年続けて延期になりました。

今年は陝西省からの訪日団派遣が難しくても、京都で写真展を開催するとの方針を双方で合意しました。日中双方からの出展をデジタルデータで受け、京都府協会がパネル化して展示する。作品のデジタルデータを基に紹介パンフレットを作成するとの方針で準備し、9月21日(水)~25日(日)、京都市国際交流会館において第23回を開催しました。同時に、国交正常化記念写真展を駐大阪中国総領事館から写真提供を受けて併設展示しました。

京都の展示会場、西安市、安康市の対外友好協会の3か所をオンラインで結んで、日本時間で午前11時から正午まで、開幕式を行いました。

各会場から1名の代表挨拶、京都会場から田中会長プラス薛剣駐大阪総領事が挨拶しました。安康市からは挨拶に加え市の名産お茶の紹介、日中の出展作品を紹介するビデオが上映されました。京都から送った出展作品データを基に短時間でプロモーションビデを作成したことに驚きました。

開幕式の後、総領事など式典参加者が展示会場を見学する様子が西安、安康に送信され、会場から西安、安康と親しく会話がなされました。オンライン時代ならではの写真展となりました。

(理事長 町野 覚)

【右】会場にて。左3・薛総領事、右3・田中会長

 

『今ふたたびの周恩来』開催!

・京都府日中友好協会

九月二十四日、日中国交正常化五十周年を記念した特別講演会を京都市国際交流会館で開催しました。

講師に王敏氏(周恩来平和研究所所長)、加藤千洋氏(元朝日新聞中国総局長)、葉衛陽氏(中国琵琶奏者)をお迎えし、日中友好に果たした周恩来元総理の偉業を振り返りつつ、今こそ周氏の唱えた「以民促官」の原則に立ち戻り、新たな日中友好の歴史を築き上げる時であることを確認し合いました。

臨席の薛剣駐大阪総領事からは、ご自身が周氏と同郷の江蘇省淮安の出身であること、また実際に訪れた周氏の生家の質素さと、そこから偲ばれる周氏の誠実な人柄についてのお話を頂きました。

難しい時代と言われる今こそ、かつて困難を乗り越えて日中友好に奮闘した周氏を始めとする先人の声に静かに耳を傾け、ぶれることなく着実に日中友好の歩みを進める時ではないでしょうか。

(四宮陽一)

【左】特別講演会の様子 【右】薛剣駐大阪総領事

 

日中国交正常化50周年・三重県協会創立70周年
記念事業

・三重県日中友好協会

9月10日、津リージョンプラザにて「日中国交正常化50周年および三重県日中友好協会創立70周年記念日中友好コンサート」が行われた。

和太鼓の「津打の会」から始まり、舟橋会長の主催挨拶の後、中国駐名古屋総領事館季文斌副総領事より来賓の挨拶を頂戴した。

王文強さんによる「変面」は特に盛り上がった。面が一瞬で変わり、連続で変わる場面では大きな歓声が上がった。また、客席まで降りて観客の間近で演技をし、演技者と観客の一体感を感じられた。

草深茂副理事長のハーモニカ演奏では、中国の楽曲などの他、中国の「中秋節」にちなんで「荒城の月」が演奏された。バックスクリーンには大きな満月が映し出され、とても情緒深いものとなった。

梁天任さんの二胡では、「情熱大陸」など日本でお馴染みの曲や、Jazzの演奏があり、二胡の美しい旋律に観客は聴き入り、アンコールのリクエストもあり、さらに盛り上がった。

その他、三重県少林寺拳法連盟と三重県武術太極拳連盟の演武、華豊之友芸術団とダンスグループ凛の演舞も披露された。途中、三重県で日本と中国の友好の為に20年以上尽力して下さっている草深茂副理事長に、サプライズで留学生から豪華な花束が手渡され、感動的な手紙も読み上げられた。草深さんは、思いもよらない花束贈呈に感動していた。

最後に、三重県華僑華人総会と三重地区中国人留学生学友会の皆さんが「我的祖国」を合唱した。皆で時間を見つけて集まり練習した歌声は素晴らしく、会場に響き渡った。閉会に際し、留学生たちが「善隣友好代々伝承」というメッセージを手に持ち、日中の平和と両国民同士の民間交流の発展、諸先輩方の意志や情熱を引き継ぎ次の50年の友好を願った。来場者数約450人、出演者約100人、計約550人のコンサートは大成功を収めた。

後日、来場者からは「三重県という地方都市で、あの様な盛大な中国のコンサートが観られ、感動した」「バラエティーに富んだ企画で、素晴らしかった」「出演者の方々の熱意が伝わってきた」「日本と中国の強い絆を感じられるコンサートだった」など、とても嬉しい感想をいただいた。

 

「日中国交正常化50周年記念 祝賀交流会議」が開かれる

・福岡県日中友好協会

「日中国交正常化50周年」を記念しての祝賀交流会議が9月30日夕方、中国駐福岡総領事館で開催されました。福岡県協会から森山沾一会長以下14人の役員が、総領事館から律桂軍総領事をはじめ5人の領事らが参加しました。この祝賀交流会議は、福岡県日中からの提案と総領事館の取り計らいで開催されたものです。本来の記念日は9月29日ですが、当日は東京で記念レセプション(経団連などの主催)が行われ、福岡県協会から森山会長が参加した関係で、翌日の30日開催となりました。

最初に、応接間で律総領事の講話がありました。「29日の東京でのレセプションは盛会で、習近平主席からもメッセージが送られた。1972年以来、文革、東西冷戦・壁崩壊、等々世界は大きく変わった。日中共同声明、日中平和友好条約に流れる精神は、未来永劫の日中友好、日中不再戦であり、初心を忘れずに双方で新時代の日中関係の構築に共に頑張っていきましょう」と挨拶しました。

これを受けて森山会長は「予定されていた『9,22国慶節』がコロナで中止となり残念でしたが、今日はお招きいただき14人が参加しました。昨日のレセプションは850人が参加し、両国首脳のメッセージがあり、林外務大臣が挨拶、二階元幹事長、孔鉉佑大使、福田元総理らが来賓挨拶をしました。1月25日に行った『50周年記念九州日中友好大会』は全国から高い評価を受けている」と話しました。

その後、大ホールに移り記念写真を撮った後、全員で会食をしました。コロナ禍に注意をしながら総領事館が準備された豪華な食事に舌鼓を打ちながら会食と歓談を楽しみました。そして、約3時間の祝賀交流会議を終えて、名残を惜しみながら再会を約して会場を後にしました。

(事務局長 中村元氣)

記念写真。前列右4・律桂軍総領事、同左4・森山沾一会長

3年ぶりの「日中友好留学生交流会」を開催

・福岡県 福岡市日中友好協会

「2022年度日中友好留学生交流会」(共催:福岡市日中友好協会・中国留学生学友会・福岡市教職員組合)が9月23日、福岡市教育会館で開かれました。この2年間は、コロナ禍で中止していて3年ぶりの開催となりました。今回も福岡市教育会館で開催し、中国留学生学友会10人をはじめ、福岡市日中友好協会員、福岡市教職員組合・青年部などが参加。コロナ禍対策で人数を制限したため20人の参加となりました。

最初に落石俊則会長が「3年ぶりの開催を喜んでいます。今年は日中国交正常化50周年、福岡市と中国の関係も深く、1979年に広州市と友好都市を締結し、翌年には広州市動物園より二頭のパンダ(シャンシャンとバオリン)が福岡市動物園にやってきて多くの子ども達や市民を喜ばせてくれました」と挨拶しました。

次に森山沾一・福岡県日中友好協会会長が「会場のこの地は全国日中友好協会初代会長の松本治一郎氏生誕の地でもあり、日中友好留学生交流会が開催されることは大変有意義だ」と来賓挨拶をされました。続いて中国学友会の劉元昌会長と市教組大久保遥青年部長が、それぞれの組織の紹介と今日の交流会の期待をこめて挨拶をしました。

その後、山口裕之・市日中副会長の進行で交流会が始まり①アイスブレーキング(出会いを作るゲーム)②グループ意見交流(日本人との付き合い方やマナー、コロナ禍での生活の様子など)を行いました。次に、出しものとして中国学友会は合唱「私の祖国」を披露しました。

続いて、市教組大久保青年部長の指導で折り紙を使った「駒づくり」の講習会を行い、参加者は苦戦しながらも童心にかえって熱心に取り組み、完成した駒を回して楽しみました。最後に感想発表(お互いの国の違い、共通点が分かって興味深かった、など)が行われ、進行の山口副会長が閉会の挨拶をして、記念写真を行い、再会を期して終了しました。

このように福岡で学ぶ留学生や青年部の先生、OBOGが集い、様々な文化交流とともに小グループによる「日本で学び・くらし・働く上でのノウハウや知恵」について意見交流を行いましたが、留学生の学びとともに異文化の理解やそれぞれの違いを豊かにしていく生き方を再確認した参加者の笑顔が素敵でした。

(事務局長 中村元氣)