各地の日中交流ニュース

2022年5月1日号 /

魯迅先生の下宿跡が公園に

・宮城県日中友好協会

小説『藤野先生』『阿Q正伝』『狂人日記』などを著した、中国近代文学を代表する作家・思想家魯迅先生の下宿跡が4月1日、「米ケ袋一丁目公園」として開園しました。

この公園は、魯迅先生が医学を目指して、1904年~06年仙台医学専門学校(現東北大学医学部)に留学した際、最初に下宿した佐藤屋(旧仙台藩士、故佐藤喜東治が営んでいた)跡地を2004年10月仙台で開催された「魯迅仙台留学100周年記念祭」の挨拶の中で、藤井黎仙台市長が将来的にメモリアル広場的な公園に整備すると発表し、居住者が2015年亡くなられて跡地を仙台市が取得し、公園として整備し、市民に開放したものです。

公園には仙台魯迅顕彰会が1975年に建立した郭沫若題の魯迅故居跡碑、魯迅先生の紹介板、ゆかりの場所案内板、先生も使ったと思われる井戸や、眺めていたと思われるケヤキなどが残され、井戸のそばには蝋梅の樹も植えられています。

仙台には魯迅先生ゆかりの魯迅之碑、魯迅胸像、魯迅先生像、魯迅先生・藤野先生像、階段教室、東北大学史料館などあり、また新しい後世に伝える場所ができました。

仙台に来られた時は、是非、魯迅先生ゆかりの地巡りをして先生を偲び、跡地を提供した佐藤屋につながる方々の思いをくんでいただければ幸いです。

ただ、私たちとしては表示として“魯迅公園”または“魯迅故居跡公園”の併記が無かったことを残念に思っております。

(武智 英生)

米ケ袋一丁目公園

2月、桂林市友好交流40年の活動報告 小松・金沢で連続開催!

・石川県小松地区日中友好協会

石川県小松地区日中友好協会(浅蔵五十吉会長)は2月7日から10日まで小松市役所エントランスホールで「中国名所旧跡と世界遺産を『絵葉書と写真』で綴る!」小松展を、2月11日から20日まで金沢市の石川県国際交流センターで石川県国際交流協会主催の「多文化が共生する県民フェスタ・国際交流団体紹介パネル展示」に参加した。

丁度、北京冬季五輪開催中でもあり好都合、あわせて日中国交正常化50周年、小松市・桂林市友好交流40周年記念を標題にして小松展は絵葉書5組、北京全集、桂林山水、杭州西湖、炳霊寺石窟、敦煌風光の62枚、集合写真16枚は桂林市交流を中心に、北京、敦煌、炳霊寺と各地の料理等を撮ったスナップ写真30枚を展示した。

また、金沢展は桂林市の書画家・段貫之さんが1998年新春に小松市滞在中に揮毫した書「行雲流水」をメインに1972年製の桂林漓江の絵葉書、1985年6月に協会招聘の桂林市中国画研究会(団長・劉克嘉桂林市文化局長ほか4名)の竹田又男小松市長表敬訪問時の写真、2004年5月の第3回「小松友好の翼」の桂林空港出迎え等の写真各種を展示。テーブルにはラミネート加工の新聞記事各種を置き友好交流の楽しさを宣伝した。

地元紙が開催取材をして桂林市交流40周年を大きく取り上げ、記事でも詳細に書いてくれた。早速、桂林市外事弁公室の担当者に連絡し、掲載紙を送りましょうと言ったら「お気遣いなく、ネットで記事が読めます」とのことで、情報技術の世界は身近に速く動いていることを再認識した。

石川県が新型コロナ「まん延防止等重点措置」の適用を受けた最中だったが、展示会場が市役所と県国際交流センターだったので、用事のある市民や県民の方々が鑑賞、ラインを通じて感想を送ってくれた女性は「懐かしい青龍寺の『雲杉』植樹はその後どうなってますか、炳霊寺、兵馬俑、黄山等楽しい旅を」と、また「何故、この様な関係の仕事を」と質問された男性に「日中国交回復した翌年、34才の時に中国を訪ねて若い人達が一生懸命に働いている姿を見て、今後の中国は益々発展すること間違いないと確信した」と応じた。

ウイズコロナの現実を意識して両会場の取り組みだったが成功裡に終わった。

(事務局長 宮野知之)

絵葉書と写真が並ぶ小松展=小松市役所

大阪府日中はSNSを活用しています。

・大阪府日中友好協会

大阪府日中もご多分に漏れず、長期的には会員年齢の上昇および会員数の減少により、会費収入減少に直面しています。また、短期的には新型コロナの影響のため活動が大幅に制限され、活動収入が見込めない状況です。

そのような状況下で、少しでも大阪府日中を身近に感じて頂けるようにと考え出したのがSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)の活用です。具体的には昨年3月当事務局はフェイスブックで「特定非営利活動法人大阪府日本中国友好協会」のページを立ち上げました。

大阪府日中友好協会Facebook

フェイスブックをいつもご覧頂いている会員からは、閲覧者数を増やすには、美味しそうな料理や可愛い動物の写真をたくさん投稿するといいですよとご提案頂き、現在ほぼ毎日更新しています。さていつまで続く事やら。

現在力を入れて掲載しているのは、当協会の法人会員である中国料理レストラン、大阪の蘭州ラーメン店など「ガチ中華」のお店紹介、近畿地方所在のパンダ動向や、間もなく上映される中国映画の情報などです。

努力の甲斐あってか、1年間でフォロワー数は150名を超えました。次の1年は300名を超えるよう頑張りたいと思います。

(事務局長 松本卓美)

中国人養父母感謝の集い

・鹿児島県日中友好協会

令和4年の『中国人養父母感謝の集い(恩徳清明祭)』が、感謝の碑の建つ鹿児島県鹿児島市天保山公園内で4月5日に行われました。記念碑は鹿児島県鹿児島市日中友好協会と鹿児島遺華孤児会会長・鬼塚建一郎さんの尽力で、2014年に建てられました。

新型コロナ感染拡大も3年目、世界ではロシアのウクライナ侵攻で一歩間違えると人類の危機にもなりかねない様相を呈していますが、今年の恩徳清明祭は天候に恵まれ、清々しい浜風を感じる中で行われました。

YouTube:2022『中国人養父母感謝の集い』

海江田順三郎会長はあいさつの中で「今年は太平洋戦争終結から77年(明治維新から終戦までも77年)、日中国交正常化50周年の記念すべき年でもあります」と語られました。

中国駐福岡総領事の律桂軍様は「不幸な戦争の直後、孤児を引き取り、最大限の愛情を注がれた中国人養父母の愛は中日両国の人々の心に深く刻まれている。国交正常化50周年を機に新しい時代の要請に応じた中日関係を築きたい」とメッセージを寄せられました。

日本中に、かつて中国大陸で中国人養父母に恩になった人々は沢山おられた筈ですが、こうして碑まで建てて記念日を設け、毎年孫の代の皆さんが集まるところは余り聞きません。関係者のひとりとして小さな誇りと思い記録を書いています。

(理事長 大石慶二)