誇らしいシャンシャンの活躍 中国語学び“我が子”と再会

2024年6月1日号 /

ブログ「毎日パンダ」運営
高氏貴博さん

1978年生まれ 埼玉県在住。ウェブ制作会社に勤務するグラフィックデザイナー。仕事の傍ら、2011年より12年以上、休園日を除き毎日、東京都恩賜上野動物園に通いパンダの撮影を続ける。大人気のブログ「毎日パンダ」を運営。写真集合計10冊出版、テレビ、雑誌等メディア出演も多数。2024年6月12日、写真集『また会えたね! シャンシャン ~「毎日パンダ」のはるばる中国旅~』が青春出版社から出版される。

 

パンダの写真を撮るようになったきっかけ

2011年8月14日、仕事の空き時間に上野動物園に入りました。そこで見たジャイアントパンダのリーリーとシンシンがかわいくて、一目惚れをしてしまいました。シンシンは大きな桃のようなお尻をこちらに向けて寝ており、その姿が本当に面白くて仕方がなかったのです。ずっと見ていたいなと思い、何回も並び直して見て、その足で年間パスポートを購入。その日から毎日、上野動物園に通うようになりました。

通い始めて最初の頃は、出勤前に上野動物園に寄っていました。今は職場の理解を得て、別途勤務時間を確保し、日中にパンダを見ています。1日の最後に、撮影した写真をブログ「毎日パンダ」にアップします。リーリーとシンシンの間にシャンシャンが生まれた日、シャンシャンが公開された日はもちろん、イベントがある日もアクセスが多く、月間50万アクセスぐらいになることもありますね。

パンダと出会ってからの中国観

もともと中国は大好きな国でした。日本にとって中国は、歴史的にも文化的にも尊敬できて学ぶことが多いというイメージです。中国にはずっと行きたかったのですが、パンダに一目惚れする前はチャンスがなく、その後は毎日上野動物園へ通うため、週に一度の休園日に中国に行くのは難しい。そんな私が中国に行くことを決意したのは、シャンシャンが中国に帰ると決まったとき。必ずシャンシャンに会いに中国に行くと決めて中国語の勉強を始め、2023年11月、念願の中国行きの機会を得ました。行き先は、シャンシャンが生活している四川省雅安碧峰峡パンダ基地。シャンシャンを含め多くのパンダが静かな環境でのんびり暮らしており、よい場所だなという印象を受けました。

中国の方は、皆さんとても親切で優しかったです。特にシャンシャンを見ているときに「ここ、どうぞ」「ここ見やすいですよ」と場所を譲ってくれるなど、本当にいい思い出ばかりです。また中国へ行ってシャンシャンに会えることを、楽しみにしています。

シャンシャンの誕生日に際して

シャンシャンは私にとってもパンダファンにとっても、まさに我が子同然の存在です。その我が子が日中の友情を深める架け橋として活躍していることは、とても誇らしいと思っています。シャンシャンが中国に帰ったときは、遠く離れてしまうことへの寂しさと、明るい未来への楽しみが交錯していましたが、今や多くの日本人ファンが中国へ会いに行くなかで、シャンシャンとの心の距離はさらに縮まりました。中国の方にも深く愛されていると知り、嬉しい気持ちでいっぱいです。

今年の6月12日、シャンシャンは中国では2回目の誕生日を迎えます。昨年の誕生日にはまだ公開されていなかったので、中国で誕生日当日のシャンシャンにファンが会えるのはこれが初めてです。誕生日に際しては、日本での壮行会、中国での前夜祭、当日のオンラインイベントなどお祝いの楽しい企画がたくさん用意されています。日本からは中国駐東京観光代表処とHISが誕生日ツアーを企画しており、私もそれに同行する予定です。中国のファンの皆さんとも一緒に盛大にシャンシャンの誕生日を祝い、これからの活躍を全力で応援したいと思います。

(井上正順)