第6回忘れられない中国滞在エピソード中国大使賞受賞
会社員
高畑友香さん
1993年千葉県生まれ。
父の仕事の都合で幼少期に累計10年間中国に滞在。
お茶の水女子大学卒業後、2019年より仕事で中国上海に4年間駐在。2023年「第6回忘れられない中国滞在エピソード」で中国大使賞を受賞。日本帰国後も、中国に関わる仕事を続けている。
私は両親の仕事の関係で、1歳になる前から広州で過ごしました。その後、3歳から小学校2年生まで日本、その後再び広州に戻り、中学校からは北京に移り、現地の日本人学校に通いました。そのお陰か、帰国後の生活にも順応し、高校、大学、就職後も日本で過ごしました。
一方で、海外に行きたい思いも強く、新卒で入社した会社では中国支社とのやり取りが多く、当時の上司とのご縁もあり、2019年から2023年前まで上海で駐在しました。ロックダウンも経験しましたが、今では不思議な空間の中で過ごせた、とポジティブに振り返ることができます。
コロナ禍になってからは、中国から出られない環境を活用し、マラソンやロードバイクなどの趣味を開拓。中国国内の色々な場所へ、旅行にも行きました。特に印象に残っているのは、私は中国ワインが好きなのですが、お店で飲んで一目惚れした寧夏回族自治区産のワインを求め、ワイナリーに連絡し訪問したことです。広大な景色を眺めながら飲んだワインは、人生で最も美味しい一杯となりました。
香香(シャンシャン)の作文を書いたきっかけ
上海の駐在を終えるタイミングで、集大成として何か文章を書きたいと思っていた矢先、「第6回忘れられない中国滞在エピソード」(日本僑報社主催)に出会いました。
私がパンダを好きになったのは北京時代。北京動物園で見た赤ちゃんパンダに一目惚れし、それから母、妹2人と毎週のように動物園に足を運びました。
しかし帰国後、パンダ熱は下降気味に。そんな中、2017年6月12日に上野動物園で待望の赤ちゃんパンダが誕生。そこから連日の報道を見て、パンダ熱が復活していくのを自分自身で感じました。上野動物園で赤ちゃんパンダの名前を募集することになったときは居ても立っても居られず、広州時代に中国人のお手伝いさんから香香と呼ばれていたことから、その名前を応募。数ヶ月後、パンダの名前は皆さんご存知の通り「香香」と決まりました。
本来であれば香香が中国に戻り現地で会えたのですが、コロナ禍で延期。その後も一般公開と帰任のタイミングが合わず会えずじまいです。この出来事を作文に書いたところ、なんとコンクールで中国大使賞を受賞しました。
今後も切り離せない私と中国
人生の半分近くを中国で過ごした中で、社会人として中国に戻ったことで大きな変化を感じました。中国の理解が深まったことはもちろん、仕事で携われたことでより全体的且つ客観的な理解も深まり、今の中国で取り組まれている先進事例を体感できました。中国に携わる仕事に就き、これからも中国とのご縁は続くと思いますし、切り離せない関係と言っても過言ではありません。
実際、私の周りにも中国で仕事をしてから中国の魅力にのめり込む人も多く、また2019年駐在当初は高校、大学の友人が上海を訪ねてくれて、中国のイメージが変わっていく姿も見てきました。これから中国と触れていく中で、仕事はもとより、周りの友人たちにも中国の魅力を伝えていきたいです。
また今回のコンクールのご縁をくれた香香にも必ず会いに行きたいですし、香香に子どもができた暁には、その子どもたちも一緒に“家族推し”をしようと思います!
(井上正順)