世界中の学生と中国語で交流 多くの学びを得られた15日間

2024年1月1日号 /

第16回漢語橋世界中高生中国語コンテスト世界2位
福岡県立福岡高校2年
赤崎愛さん

2006年4月11日、福岡県福岡市生まれ。福岡県立福岡高校2年生(17歳)。小学校1~2年生の時、中国・大連で生活。2014年、福岡市に戻り、名島小学校、松﨑中学校を卒業し、現在に至る。

▼YouTube:Chinese Bridge
第16回漢語橋世界大会 世界チャンピオン決定戦・表彰式

 

「福岡の高校生が、日本代表として漢語橋世界大会に出場します」。8月の実務者会議で本部の方からそう聞き、9月に福岡県日中友好協会の事務所で初めてお会いした赤崎愛さん。私の出身高校の後輩で、その若さとスマートさに圧倒されるようなオーラを感じ、話すうちに「世界大会での活躍は間違いない」と確信。10月、中国で行われた15日間におよぶ世界大会で世界2位という見事な成績を挙げた赤崎さんに、本部から要請があってインタビューをしました。

漢語橋に挑戦した理由は?

2012年、小学校1~2年生の時にお母さんの仕事の関係で中国の大連で生活しました。そこで学んだことが活きていると感じます。福岡には2014年に戻りましたが、中国語検定2級を取得し、推薦で高校に入学しました。高校在学中に中国語に関して何か結果を出したいと思い、漢語橋に応募しました。

世界大会の様子は?

参加者は93か国から110人、年齢は13歳~19歳で、圧倒的に女子が多かったです。最初の3日間は北京観光で、世界中の学生と中国語で楽しく交流し、仲良くなりました。4日目に雲南省大理へ移動、5日目に大会開始です。

《スピーチ》では、観客の現地中学生を前に緊張もしましたが、事前に家で練習していたので堂々と話せ、110人中7位でした。《パフォーマンス》では、中国舞踊を披露しました。一番記憶に残っているのは《体験型知識問題》で、現地で観光した内容からの出題もありました。バラバラの文書を正しく並び替えたらあるミッションが表れるという問題では、100点満点を取りました。これら3つの課題の総得点が300点満点中292点で、アジアの上位6人に入りました。

アジアチャンピオン戦は、動物園のパンダ舎の前で行いました。即興で出された課題には①知識(文の並び替え)、②ジェスチャーや言葉での表現、③スピーチ(「動物と私」)がありました。結果、タイ代表の男子に1点差で勝ち、アジア1位になりました。
次が世界チャンピオン決定戦で、雲南省昆明のTV局で行いました。《知識クイズ》は難易度が高く、疲れもあって緊張しました。《劇の表現力》は4日前に渡された台本を覚えて臨み、審査員100人と子どもたちなどによる投票で評価されました。そこで3人が残り、循環型のクイズで戦っていきました。

そして、決勝戦。ロシアの男子とのクイズ対決で決着がつかず、最後は早押しで決めることになり、0.1秒差で負けました。けれども、悔しいというより“やりきった!”。特に順位は気になりませんでした。アジア1位、世界2位よりも、大会で学んだことが多かったという喜びのほうが大きかったです。

大会を終えて、今の心境は?

4年分の奨学金をいただけるので中国の大学に進み、中国の教育関係か、TVなどメディアの仕事に就き、第2外国語で中国語ができる強みを活かせるようになりたいです。

漢語橋世界大会は大変でしたが、心から楽しめた15日間でした。仲間との別れはとても寂しく、別れ際には「中国でまた会おう」と誓い合いました。彼らとは、今もネットでつながっています。

(福岡県日中友好協会 事務局長 中村元氣)