中国語講師・翻訳者
小田玲実さん
1987年、札幌生まれ。酪農学園大学卒業後、中国北京市の首都師範大学に2年間留学。帰国後、北海道内の高校や企業で中国語講師をしながら、母校の大学院にて中国内モンゴルの沙漠緑化について研究。現在、上智大学・筑波大学・東京通信大学中国語非常勤講師、酪農学園大学海外自然環境実習非常勤講師、千葉県日中友好協会理事・青年委員会代表、日本青年国際交流機構(IYEO)中国事業担当幹事。東京都日中友好協会でも中国語講座を持つ。『中日茶事典』(楊亓瑋著、交文社)翻訳。
※小田さんの中国語レッスン(個人・グループ)は、受講者随時受付中です。希望者は東京都日中友好協会までご相談ください。
農業専攻から中国への留学
私は中国語学習とは直接関係がない、農学部の出身です。当時、北海道の農業現場では中国人が多かったため、第二外国語として中国語を選びました。在学中に内閣府が主催する「日本・中国青年親善交流事業」に参加したことをきっかけに中国留学を決意し、学部卒業後は北京市にある首都師範大学へ2年間留学をしました。
留学中は、中国語の講義は午前中にあり、午後の時間や休日は、語学学習だけではなく、学外にある環境や農業について学ぶサークルに参加しました。同サークルでは中国の有機農園の視察や内モンゴルの沙漠化地域へのスタディツアーの企画など、様々な活動を行いました。
留学といえば語学学習がメインだと思われがちですが、課外活動に積極的に取り組むことで、多くの友人ができ、様々な経験を積むことができました。結果として、中国語のスキルも上がったと思います。
帰国後のキャリアと「中国」について教えるということ
帰国後は母校の大学院に進学し、留学時代から関心を持っていた内モンゴルの沙漠緑化に関する研究を続けました。卒業後は国際交流団体で勤務をし、前述の内閣府事業の運営に携わりました。
現在は、大学で中国語の講義を持つほか、東京都日中友好協会の中国語講座でも講師を務めています。中国語を学習する学生に対しては、ただの一言語として教科書をなぞるだけではなく、中国そのものに興味を持ってもらえるよう工夫して授業をしています。
日本と中国の文化が似ていると思っている方も未だ多いですが、実際はマナーや考え方などが異なる点も多く、意図せず誤解が生じやすいです。学生には、将来中国に対して誤解や偏見を持たない人材になってほしいと思い、中国のマナーや考え方なども授業で伝えています。いつか彼らが中国と関わる機会を持ったときに、私の話を少しでも思い出してもらえれば嬉しいです。
また、日本人が苦手としている発音の基礎の指導を得意としています。発音でつまずき、自信や意欲をなくしてしまう方が多いように思います。自身の経験から、まず最初に発音の基礎を固めることが重要だと感じているので、今後も発音の教育に力を入れていきたいです。
日中友好協会での活動と、今後のビジョンについて
現在は千葉県日中友好協会青年委員会代表としても、日々活動しています。また、協会での活動を通じて、書籍の翻訳や、中国関係のイベントでの司会、通訳などの仕事もいただけるようになりました。幅広い方に中国に関心を持ってもらう一助となる、とても意義がある仕事だと思っています。大変な仕事ですが、非常にやりがいを感じており、今後もぜひ続けていきたいです。
これからも多くの方に中国語だけではなく中国の魅力を伝え、中国に関心のある方を増やしていくためにも、協会での活動もより一層力を入れていきたいと思います。
(井上正順)