2018 準ミス日本
霜野 莉沙(しもの りさ)さん
1998年生まれ、大阪府堺市出身。早稲田大学国際教養学部に在籍。特技はマンドリンとピアノ。音に色が付いて見えるなどの特殊な知覚「共感覚」をもつ。大学ではマンドリン部に所属、学生団体・OVAL JAPAN副代表も務める。今秋から留学先の大学でも学位を取得できるダブルディグリー留学で北京大学・元培学院へ
今年1月のミス日本コンテストで準ミス日本に輝き、現在は大使館のイベントなどで日本文化を伝える役目を担う傍ら、早稲田大学国際教養学部で勉学に勤しむ。準ミス日本は「他の模範となる心身の美を備えた女性」が選ばれる。ピンと背筋を伸ばし、自然で魅力的な笑顔を絶やさず取材に応じる様子はさすがだ。今秋から文科省の留学生交換プログラム「キャンパス・アジア」を通じ、北京大学の元培学院に留学する。
活発な好奇心をバネに
日本語の他に英、仏、独、中国、韓国と6カ国語を話す。その多くを独学で覚えた。ドイツ語はピアノの楽譜に並ぶ単語の意味を知りたくて中学1年から始め、韓国語は「駅などで見かけるハングル表記に興味がわいた」と同3年から学んだ。活発な好奇心をバネにして才能を伸ばしている。
中国語は昨年から本格的に始めたばかり。元培学院への留学にはHSK5級が必須と知り、わずか1カ月で取得に成功。早稲田大学では現在、中国語で行われる中国政治の講義を受けている。「7割程度は分かるようになりました」と涼やかに笑う。大学ではマンドリン部に所属するほか、ビジネスコンテストを運営する学生団体の副代表も担当、「スケジュールを詰め込みすぎて友だちに心配されることもあります」
初海外で「水を得た魚」
もともと海外が性に合う。グループの中にいるより自分で好きな道を見つけて突き進むタイプだ。中学時代のカナダ短期留学では、日本にいるよりずっと生き生きした様子に引率の教師が「水を得た魚のよう」と驚いたほど。高校の交換留学で訪れた米ミシガン州では、現地の教会でピアノを任されるほど周囲に溶け込んだ。3歳から学んだピアノが活かされ「頑張ったことは無駄にはならない」ことを実感した。一方で、海外生活では和食の魅力を再発見。野菜が少食だと感じて、お好み焼きなどを友人に振る舞い好評を得た。
「実家が小松菜など葉物野菜を栽培する農家なんです。中国でも日本の野菜のおいしさを伝えられたら」
留学にかける意気込み
留学を前にすでに数回の訪中経験がある。今年の旧正月前後は1カ月ほど滞在し、黒龍江省のハルビンまで足を伸ばした。氷祭りを堪能する傍ら郊外の731部隊の跡地と陳列館も訪問。「加害者側として知っておくべきだと思いました。展示は思っていたより中立的な姿勢を感じました」。凛とした声に日本を代表する女性としての責任感がにじんだ。
北京大学では法学の学士号取得を目指す。「13億人のトップの方々と一緒に勉強できるのが楽しみ」と意気込みつつ、「少数民族が暮らす内モンゴルや、ドイツと関わりの深い青島にも行ってみたい」と心待ちにしている。未来を切り拓くのはきっと彼女のような行動力に溢れる人物だと感じた。
(フリーランスライター・吉井忍)