今どきの年越しの過ごし方

2025年2月1日号 /

皆さん、2025年、新年快楽! 麻雀NANAだよ。中国では毎年、春節前は帰省ラッシュ。でも、色々な理由で春節に帰省したくない、もしくは帰省できないという若者も多いそう。付き添ってくれる人がいないけど、一人で大みそかを過ごすのは嫌だ! という彼らにここ数年、もう一つの選択肢ができたみたい。それは、「SNSで同じ境遇の人を募って大みそかを一緒に過ごす」、つまり〝春節搭子〟(春節友)を探すこと!

麻雀スズメNANA
2025年、皆さんの夢が叶いますように!

中国版インスタのREDで「春節搭子」と検索すると、たくさんの募集記事が出て来るよ。

上海、北京、深セン、杭州などの大都市に残る若者の中には、普段はおひとり様を楽しむけど、大みそかだけはせめて、誰かと一緒に年越しの雰囲気を楽しみ、孤独を追い払いたいと思っている人が多いみたい。でも、せっかくなら、気が合う人と質の高い時間を過ごしたい。投稿主は、同じ周波数の人を引き付けるため、自分の性格や年齢、出身地、好きな年越しの過ごし方、お酒がどのくらい飲めるかなどの情報を書いたり、激しい競争に勝つために、家には大型テレビがある、自分は料理が得意、爆竹を鳴らすことのできる区域、など〝春節搭子〟への参加メリットを募集記事の中で強調したりしているよ。

参加者のことをよく知らない、いわば「春節友ガチャ」なので、当日ドタキャンされたり、割り勘の際に金銭感覚が違って問題になったり、また性格的に苦手な人だったりするリスクはあるけど、この〝春節搭子〟との年越しを上手くいかせるため、発起人はある程度、当日のプログラムを設計して、全員で餃子作り、「2024年の楽しかった瞬間」などのトピック提供、プレゼント交換など参加者がお互いに打ち解けて楽しめる工夫をすることも大事なんだって。ここまでくると、イベントの企画みたいだね。

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年越しの帰省ラッシュ時は交通費が上昇するし、さらに親や親戚からプライベートについて詮索されたり…、里帰りが楽しみな反面、若者にとっては金銭的・精神的なプレッシャーになることも事実。また、仕事や諸事情で帰省したくてもできない人も。そんな状況をポジティブにとらえ、「一期一会」の出会いと年越しを楽しむ若者たち。帰省ブルーの皆さん、どう思う?

文 ◎ 新出歌名子
北海道出身、北京在住。清華大学MBA修了