今どきの健康食パン

2024年7月1日号 /

大家好~麻雀スズメのNANAだよ。暑い夏がやってくるけど、皆さん夏バテ対策は大丈夫かな?以前このコーナーで若者の“パンク養生”について紹介したことがあるけど、養生はいまや高齢者の方々だけではなく、若者の生活におけるキーワードの一つ。今回は、そんな健康志向の若者をターゲットにじわりと流行している「養生パン」について紹介するね!

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あるデータによると、ソーシャルメディア上で「養生」に関する話題件数は1年間で148万件に上るほど。「薬食同源」は若者にますます浸透するようになり、漢方薬における16~25歳の顧客比率は1・6%上昇しているとのこと。漢方薬は「飲みにくい、まずい」というステレオタイプのイメージを払拭し、若者の生活習慣に合った新しいスタイルの食を展開しているよ。

「養生パン」もそのトレンドの一つ。全国各地で色々な製品が見られるよ。

例えば、天津中医薬大学第一付属病院内にオープンした「薬食坊」では、喉を潤し咳をしずめる効果があるという漢方薬「麦冬」を練りこんだ「麦冬トースト」や、ロバの皮から作られコラーゲンたっぷりで美容に良いと言われる阿膠を入れた「阿膠パン」等の養生ブレッドが登場。

鄭州の薬局チェーン店「仲景生活」は、国潮養生ライフスタイルを打ち出し、クコ豆乳芋ブレッドや、はだか麦の無糖ブレッド、黒クコ栗ブレッドなどの健康ベーカリーを販売しているよ。

こうした中医院、薬局関連の店舗と異なるのが、杭州の漢方薬パンブランド「四気五味・薬食無界霊感焙煎坊」。このお店は観光地にオープンしていて、あまり「漢方薬感」を感じないヨモギ&ゴマのケーキ、ブクリョウ(茯苓)パン、シソねじり棒などの商品が主力。SNSによると、店主は漢方医修士で、「パン」の力を借りて、より多くの人に漢方の理念を認識させ、実践させたいとのこと。

健康的な養生パンだけど、その全体的な好評の理由は、「おいしい」「漢方薬の味がしない」ことがほとんど。やはり美味しいことが一番で、その漢方効果を期待するというよりは、消費者の健康に対する不安や普段の食生活に対する罪悪感を下げることが、養生パンが若者を引き付ける理由なのかもしれないね。

健康的な手作りおやつは心の栄養 !

健康志向の若者に向け漢方成分を取り入れた商品はこれからもどんどん出てきそう。また面白いトレンドを見つけたらご紹介するね。じゃあ、次回をお楽しみに!

文◎新出歌名子(北海道出身、北京在住。清華大学MBA修了)