今どきのインスタントラーメン

2024年3月1日号 /

大家好~麻雀スズメのNANAだよ。もうすぐ春休み。日差しがぽかぽか暖かくなってくるとゆっくり旅に出かけたくなるよね。中国でグリーン列車の旅といえば、カップラーメンが旅のお供だったけど、高速鉄道やレトルト食品が発展してきた今、カップラーメンをとりまく市場環境も変わってきているよ。今日は今どきのインスタントラーメンについて紹介するね!


中国のインスタントラーメン市場は激変期を迎えているよ。新型コロナ期間中は非常食としてピークを迎え、2020年には463億5000万パックを販売したけれど、コロナ明けに「宅経済」が徐々に下火になるにつれて、全体の販売数は減少。さらに、高速鉄道内では車内の空気を考慮してカップラーメンを販売しなくなったこと、出前やレトルト食品の利用が増えたこと、そして便利だけど不健康な食べ物というイメージがつきまとっていることが若者のインスタントラーメン離れを促しているよう。激しい競争と変化のなかで、その市場の「地位」を守るために各メーカーはカップラーメンの革新的な試みを続けているよ。

まずは味。データによるとカップラーメンの定番は牛肉ラーメンで市場の60%ほどを占めているけど、消費者の好奇心を刺激して衝動買いを促す「奇抜な」味のラーメンが続々と登場し、話題になっているよ。例えば、激辛の七面鳥ラーメン、大根&サーロイン麺、ドリアンとチーズの混ぜ麺、さらには暗黒料理風のインスタントラーメンアイス(!)等々。また、地域の食文化や特色を取り入れたカップラーメンもたくさん見かけるようになったよ。

次にスープ。「2023インスタント業界動向報告」によると、将来、消費者の購買意思決定に影響を与えるのは、栄養価、新鮮さ、味、そして品質。本物の材料を用いてとろ火で煮込んだ栄養たっぷりの健康的なスープをアピールした製品が主力になってきているよ。これは、製品が工業化から「本格派・家庭の味」志向へと変わってきていることを表しているね。

そしてマーケティング。インスタントラーメンが若者の心をとらえるには、品質革新のほか、顧客の若返りマーケティングにも力を入れなければならないので、白象や康師傅などの大手メーカーはSNS運営やライブコマースにも力を入れ、中国SNSのRED(小紅書)では、KOL達がインスタントラーメンのランキングや食べ比べをするほか、カップラーメンの「神的食べ方」、アレンジPKなど食べ方をテーマにしたコンテンツの投稿も多くなっているよ。


安くて不健康だったイメージを払拭し、現代の若者のライフスタイルや価値観にマッチするよう進化し続ける中国の今どきのインスタントラーメン。日本でブームする日も近いかも? 中国に来たときは、是非チェックしてみてね!

文◎新出歌名子(北海道出身、北京在住。清華大学MBA修了)

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