大家好~麻雀スズメのNANAだよ。2023年も残すところあと一ケ月、クリスマスも間近。お友達や家族に渡すプレゼントはもう準備したかな? プレゼントと言えば、最近、中国の若者の間でスクラッチくじを贈るのが流行になっているみたい。今回は今どきのスクラッチくじについて紹介するね。
最近、ショッピングセンター内のカウンターや地下鉄内の自動販売機で宝くじの販売をよく見かけるようになったけど、今年になって市場規模を大きく伸ばしている人気の宝くじの一つがスクラッチタイプ。関連データによると、スポーツ宝くじは、購買者の3割以上が18歳~27歳のZ世代なんだって。
若者が宝くじを買うのは、「一晩で大富豪」になりたいという期待以上に、賞金が当たるかもしれないというサプライズ経験を通して、普段の生活上でのストレス発散や生活に楽しみを与えてくれる「精神的な満足を得るための消費」という位置づけになっているみたい。スクラッチくじはまた、若者間でのコミュニケーションやSNS、ライブコマースのマーケティング手段としても利用されているよ。
例えば、冒頭で言ったプレゼント。何枚もの色とりどりの宝くじを束ねて作った「花束」は、ネット上で注文可能。自分で手作りすることもでき、作成の過程を紹介する動画も人気。西安のある会社では、今年の七夕に色んな景品が当たる手作りのスクラッチくじを2000人の従業員に贈り、話題になったよ。
また、SNS上では、スクラッチくじを削る様子を黙々とライブ配信や動画にすることで観覧数や製品の露出度を増やしたり、ライブ配信中に観覧者にくじをオンライン販売、購買者に替わってMCがくじをスクラッチする様子を中継して、不特定多数の人と臨場感やサプライズを共有したりしているよ。参加者同士では宝くじをどう買えば当選しやすいか等、一番関心のある攻略方法についても活発に情報交換されているみたい。
このようにくじに対する期待を楽しむ一方で、宝くじに使って損した費用を取り戻すために、「くじ地獄」から抜けられなくなる若者も。中には1日で三万元分(60万円近く)の宝くじを買った人もいるんだって。
これからも若者向けにスクラッチくじを利用した様々なコンテンツやマーケティング手法が生み出されてくると思うけど、衝動買いには注意して、理性的な消費で「わくわく感」を楽しむことが大事だね。じゃあ、皆さん、良いお年を!
文◎新出歌名子(北海道出身、北京在住。清華大学MBA修了)