今どきの朝ごはん

2023年4月1日号 /

皆さん、吃早餐了吗?(朝ごはん、食べた?)麻雀スズメのNANAだよ! 新しい生活がスタートする4月、元気満々で迎える一日に欠かせないのは朝ごはん! 今回は、朝ごはん事情について紹介するね。


中国の朝ごはん文化は歴史が長く、各地方でも多種多様。Mintel社の報告書によると、2021年の中国の朝食外食市場規模は1.8万億元を突破すると言われたほど。デジタル化と都市商業の急速な発展に伴って、多くのコンビニや洋食ファストフードブランド、チェーン飲食店などが続々と朝食産業に参入、若者の生活スタイルや趣向に合わせた豊富な朝食が見られるようになっているよ。

例えば、朝ごはんの代表、包子。四川省の包子店「李と白」は、伝統的な古いイメージを変えた新しい包子を開発。若者が味と品質だけではなく、視覚効果も追求していることを考慮して、黒い黒豚まんや、緑の野菜炒め小籠包、赤い「開運紅包」などの包子を発売し、お客さんが写真を撮ってSNSでシェアしてもらえるようなメニューを提供しています。加えて、手作業で包子を包み、蒸す工程を顧客に公開、包子店の持つ温かい雰囲気を醸し出すような工夫もされているよ。

そして豆乳。台湾系の豆乳チェーン店、永和大王は24時間、朝食メニューを提供する新ブランドの経営を開始。若者の心をとらえるキャッチコピー、伝統的なビニール袋の代わりに新しい国潮風包装を取り入れるなど、お客さんが朝から楽しい気分になる工夫をこらしています。

また、通常の朝食メニューを夜食として提供し、残業が終わったばかりの若者が発泡酒やコーヒー片手に食べられるような新しい組み合わせを導入するお店も出てきているよ。

コンビニストアでは、伝統的な包子や茶葉卵、豆乳から、サンドイッチ、おかゆ、コーヒーなどの豊富な朝食メニューを販売。公開報告書によると、現在コンビニで朝食を購入する消費者は3割に達するほど。

外資系ファーストフード店の代表、KFCでは、ローカル化した朝食を提供、おかゆや油条などの伝統的な朝食や、地域グルメとして各地方の特色ある朝食を提供しています。

また、朝、時間の無い若者に対して、手軽に栄養が摂れる雑穀系お菓子、家庭で手軽に作れて「SNS映え」するワッフル等の朝食キットなども人気がでているようです。


都市部から昔ながらの朝食屋台がなくなっていくのは少し寂しい気もするけど、朝ごはんは今後、衛生面でも安心、手軽で栄養面も重視した、見た目もばっちりな「朝の儀式的存在」になっていきそうだね。新しいアイディア朝食を探すのも中国生活や旅行の楽しみの一つ。じゃあ、次回の今どきをお楽しみに!

文◎新出歌名子(北海道出身、北京在住。清華大学MBA在学中)