新年好、麻雀スズメのNANAだよ。今年もよろしくね! さて、まだまだ寒い日が続く1月。
おせちに飽きたら、鍋や焼き肉などを囲んで温まりたいところ。今日は、最近中国で若者を中心に注目を集めている新しい形態の飲食店「スーパー式」レストランについて紹介するよ。
「スーパー式」レストランとは、「倉庫式」焼肉店、バーベキュー「工場」、「コンビニ」鍋店等とネーミングされた飲食店。内装がスーパーのようにデザインされていて、顧客はカートや買い物かごを持って商品棚を行き来し、好きな商品を選んだら、バーコードをスキャンして会計、その場で食べられる仕組みです。スーパーで買い物をするのと大差ないように見えるけど、消費シーンや体験、運営など多方面で革新が見られるよ。
例えば、2022年に開店したバーベキュースーパーは「露店風+セルフサービス」方式を採用、スーパーで自分の好きなお肉を選んで買った後、そのまま焼肉を楽しむことができます。店内には、鉄筋テーブルやベンチ、ストーブ等が置いてあり、80年代の懐かしい露店にタイムスリップした雰囲気。また、鍋スーパーは店内に野菜のミニチュア栽培を設け、自分で摘み取った野菜をそのまま鍋に入れて食べることができます。
焼肉やベーカリースーパーは「その場で切って、その場で焼く」が基本。深センの倉庫式パン集合店やベーカリー工場は、顧客にパンの製造全過程を公開し、焼き立てを提供、消費者は購入して食事エリアで食べることができます。
中国でレストランのセルフサービス形式は以前からあったけど、特にコロナ禍の3年間で多くのトップ飲食店企業は“小売販売事業”を重視するようになりました。それには、企業自身の成長戦略以上に、現実に迫られている理由があるようです。
中国飯店協会が発表した「2020中国飲食業年度報告」によると、飲食企業の家賃及び不動産コスト、原材料コスト、人件費の3項目は高い伸び率を示し、飲食業界の発展を深刻に制約しています。また、飲食企業は労働力不足、求人難に苦戦していて、鍋料理店の経営者は約半数が「従業員を募集しにくい」「人件費が高い」という問題を抱えています。
レストランを「スーパー式」にすることによって、人件費の大幅な削減、個別包装とセルフ式選択によって客単価の増加、またバーコード導入により店内の標準化や効率化を実現しました。また、「自主権」を顧客に渡すことで斬新な消費体験を提供し、顧客の購買意欲を高めています。
「飲食+小売り」の新しい試み、スーパー式レストラン。一過性のブームで終わるのか今後のトレンドになっていくのか、注目していくよ! それでは、次回をお楽しみに。
文◎新出歌名子(北海道出身、北京在住。清華大学MBA在学中)