「今どき」の養生

2022年8月1日号 /

大家好、麻雀スズメのNANAだよ! 暑い日が続くけど、皆さんお元気かな。普段から、食養生を心がけて、夏バテを予防し元気に暑さを乗り超えようね。

さてさて! 中央テレビ財経新メディアが発表した「中国青年消費ビッグデータ」によると、2021年の消費予測において、保健養生が18~25歳の若者の消費ランキング・トップ3にランクインしているよ。養生はこの世代の若者の共通認識になり、「薬食同源」が若者の注目を集めているようです。今日は今どきの若者の健康意識と漢方業界の新しい試みを紹介するよ!


「ひどい徹夜をして、最高級のアイクリームを使う」。この言い回しは“パンク養生”という言葉が若者の間で流行語になったように、身体が不健康な状態になることを恐れるが、徹夜や大食いなどの不健康な生活スタイルを変えることはなく、他の方法で“養生”することで「罪悪感」を補完し救済を試みようとする心理からきています。仕事と生活の大きなプレッシャーの中、健康の重要性を意識する一方、消費意識が先行している彼らは養生のためにお金を使うことをいとわない傾向にあるようです。

これまでは、ビタミン、コラーゲンなど西洋のサプリメントがもてはやされてきましたが、民族自信の向上や“国潮”の流行に伴い、健康を重視する次世代消費者層は、中国式の養生をより好むようになってきています。そのトレンドを受けて、中国漢方の老舗企業は続々と若者向けの商品開発やマーケティングに乗り出しています。

例えば、中国で漢方薬を代表する老舗の同仁堂。同仁堂は、1669年に創業し元々は宮廷御用達の薬商でしたが、その伝統的なイメージを再構築して若い消費者向けにカフェをオープンし、枸杞+コーヒー、羅漢果+アメリカン、茯苓+ヤマイモ+牛乳などの養生コーヒーや、製茶会社と提携して養生ミルクティーや黒糖生姜茶、桂花ライチ桃烏龍茶、氷砂糖ハスの葉柚子茶、オレンジ皮プーアル茶など薬理効能を重視した養生ティーバッグも販売しています。

また、若者がオフィスで食べること、携帯の便宜性やパッケージデザイン、見た目でSNS映えを意識した“養生おやつ”を開発する老舗企業も出てきています。個別包装した黒ゴマ菓子、涼茶(リャンチャ、中国の伝統的な漢方茶)の棒付きキャンディーなどその種類も様々。

中国伝統の薬食同源の理念を、若者の健康意識と生活スタイルに合わせることで、老舗の漢方薬会社は新たな成長点を探す機会が生まれ、養生保健品を薬と見なす中高年者とはまた違った新しい滋養文化が生まれつつあるようです。


日本でもタピオカミルクティーに変わって、養生ミルクティーが流行り出す日が来るかも? では、次回をお楽しみに~。

文◎新出歌名子(北海道出身、北京在住。清華大学MBA在学中)

美味しいものをたくさん食べるためにダイエット!