「今どき」の自動車教習所

2022年7月1日号 /

大家好、麻雀スズメのNANAだよ! 本格的に夏を迎え、キャンプやドライブに行く人がますます増えてくる7月。まずは免許証を取らなくちゃ。《中国駕培行業発展報告(2021)》によると、中国で自動車の教習所に通う人は、95年以降に生まれた人が全体の三分の一を占めるようになったそう。教習所もZ世代の消費習慣を意識したサービスに色々取り組んでいるよ。今日は今どきの教習所についてご紹介するね!


インターネットの発展スピードが早い中国、ここ数年間の傾向としてはやはり、伝統的な自動車教習所がインターネット会社と提携して、教習所のオンライン申請から練習車・試験日の予約、また筆記試験の練習用アプリなどのサービスを実現しています。
逆に言うと、教習所はインターネット技術を取り入れないと若者の生徒を呼び込めない時代になっており、競争が激化しています。

生徒募集方法にも新しいが取り組みが。一般的な広告に加えて、教員となる人物が運転の練習情景や試験のショート動画を撮り、動画プラットフォームにシェアすることで教員自身の人気やフォロワー数を増やし生徒獲得につなげるマーケティングも実施されています。また、教習所マスコットキャラクターの募集や、それをスタンプや周辺製品にすることで宣伝効果アップを図る教習所もあります。

Z世代は何といってもサービスのクオリティと体験重視。生徒はデータを通して自分の運転の傾向などを分析し自分に合ったプログラムの訓練を受け練習効果を高めること、また一対一の丁寧な指導を期待しています。

また、ある教習所は自動車ブランドと提携し、運転を始めた人に対して練習から車選び、試乗、購買までの“一体化体験”ができる“新米運転手”体験イベントを実施しました。スマートドライブ等の機能を練習の段階で経験し、運転や駐車の不安を取り除くなどの効果を期待しているそうです。

教習所の環境も大切。アジア一規模が大きく最新の施設を導入している北京の教習所では、敷地内にアルパカやキジなどの動物を飼い、訓練で緊張している生徒に癒しを提供。食事もバイキング形式で種類も豊富です。教習所側としては、生徒に「インスタ映え」する写真や動画を撮ってもらうことで宣伝効果が期待できます。


このような新しい取り組みの一方で、インターネット宣伝に費用を投資しすぎて経営悪化する会社も出ているとのこと。若者に対する新しい試みは大事だけど、やはり教習所の使命は、生徒の安全な運転意識を育てること。これから中国の教習所がどのように発展していくのかが楽しみだね。では、次回の「今どき」で!

文◎新出歌名子(北海道出身、北京在住。清華大学MBA在学中)

NANAはもっぱら 自転車派!