「今どき」のペット事情

2022年3月1日号 /

大家好、麻雀スズメのNANAです! 中国では春節休暇が終わり、温かな春のおとずれを感じる季節ですが、皆さんいかがお過ごしかな。ペットを飼っている都市部の若者は例年、帰省中にペットの預かりサービスを利用することが一般的だったのですが、今年は少し状況が変わってきたようです。今回は、そんな若者のペット事情についてご紹介するね!


《中国宠物行业白皮书》によると、2020年、中国でのペット飼育者数は6294万人、その内40%以上が北京や上海、広州などの大都市に在住しています。ペット飼育者の88%は女性で、その半数が未婚者。80年代、90年代生まれの若者が全体の74%以上を占めているとのことです。

今や、都市部に住む90年代生まれ・Z世代の若者にとってイヌやネコなどのペットは精神的な支えであり、自分の子供のような存在。ペットのために大金を使うことを惜しまない若者が増えています。

例えば、出張や帰省などで自宅を数日離れる場合、ペットが自宅で気持ち良くお留守番できるよう、リモート監視カメラ、自動処理装置付きトイレや自動エサやり機、自動給水機などを購入する人が増えているそうです。某ECサイト公開データによると、自動処理装置付きトイレは例年の販売に比べて26倍、リモート監視カメラは5倍、ペット向け食品やおやつ、健康食品などの販売も4倍~9倍に増長しました。また、年越しのご馳走、美容院SPA、新年のプレゼント、猫のトイレ用の小春联(春節の対聯)、記念撮影グッズなど新年のイベント感を高めるペット向け製品・サービスも急成長しています。大切な「子供」に対する特別な消費や記録に価値を見出す飼育者が増えていることが見てとれます。


こうした若きペット飼育者の多くがSNS愛用者。ペット出演の写真やムービーを撮りSNSにアップすることでフォロワーを増やし精神的な満足感や収入を得るようです。今年は寅年なので、虎に扮した服をペットの猫に着させ撮った映像や手作りスタンプなどが多く出まわりました。

中国では2.4億人の青年がペットビジネスのポテンシャル顧客とみなされ、その市場規模は2023年までに4456億元にのぼると言われています。また、若者だけではなく、将来少子高齢化が進む中、ペットが高齢者の精神的な支えになっていくことも予想されます。ペットとの共生に必要なマナーやしつけ、ペット用医療なども、「育児」の一環としてますます重要になってきますね。それでは、次回の「今どき」をお楽しみに!

文◎新出歌名子(北海道出身、北京在住。清華大学MBA在学中)

虎头帽は、虎の頭をかたどった伝統的な帽子で、子供の健やかな健康や虎のように強く育ってほしいという願いが込められているそうです。今年は虎が干支なので、虎グッズが大人気です!