こちらで学んでいるものの一つに中国茶がある。
一口に中国茶と言っても、原料はどれもチャノキの茶葉だがその加工の工程によって6種類の名前に分けられる(緑茶、白茶、黄茶、烏龍茶、紅茶、黒茶)。が、その話はここでは置いておく。
通常、茶葉は小売店や茶城と呼ばれる専門市場、最近では淘宝などのネット店舗でも購入できるがもう一つ購入できるチャンスとして楽しみなのが中国各地で年数回開催される中国茶博覧会(茶博会)である。
上海では上海万博跡地にある広い展示場などで開催されることが多く、大手中国茶ブランドから小売店、茶農家に至るまで、様々な業態の茶業関係者が全国から集まり各々ブースを作って自慢の商品を売る。販売されるのは茶葉や茶菓子などの食品のみならず、中国茶に関するもの…例えば中国茶を淹れる際に使う盖碗や茶壷(日本茶で言えば急須に相当する)、茶杯、電気ポット、茶席用の敷布や茶人服と呼ばれる中国風の衣服などのほか、茶葉や茶道具を収納する棚や茶席の時に身につけるアクセサリー(ストーンブレスレットなど)など、出店する店舗の種類は多岐にわたる。
茶葉のブースでは担当者が何人かおり、言えば気楽に試飲に応じてくれる。とはいえ、1回数グラムのお茶で何煎も入れられる上に煎毎に味わいも変わるため、数人で少しずつ飲むのが効率が良い。毎回の博覧会毎にテーマが決まっていたり、流行なども少しずつ変わるので聞いたことのない茶葉、飲んだことのない茶葉と出会い、直接生産者や担当者などから話を聞けるのも茶博会の楽しみの一つである。
今年8月末、趣味を同じくする友人数人と連れ立って茶博会へ行った。5月に別会場で小さな茶博会が開かれたが、コロナ禍が原因で上海での大規模な開催は数年ぶりであったため喜びもひとしおであった。以前と同じように様々なお茶に触れ合い生産者の話を聞きながら日常が戻ってきた幸せを温かいお茶と共に味わった。
(茂木美保子@上海)