上海国際映画祭に初参加!

2024年8月1日号 /

私と女優兼プロデューサーの小川夏果さんとのご縁は、本紙への連載。2022年12月31日に難波で初対面した私は、彼女の才能を直感した。映画関連事業への援助を約束したところ、すぐに北京電影学院時代の友人だった伊地知拓郎監督とタッグを組み、鹿児島で新作映画『郷 僕らの道しるべ』を制作中であるとの報告を受けた。そして、今年3月に事務所に届いた試写用DVDを観て、その出来の素晴らしさに驚愕。

早速、今年4月号の『熱血弁護士坂和章平 中国映画を語る(84)』で紹介し、日本での公開を待望していたところ、5月中旬、上海国際映画祭のアジア新人部門でWノミネートの報告を受けてさらに驚愕した。コロナ禍を終えた今、何が何でも映画祭での上映を体験しなくちゃ! 直ちにチケットを買い、ホテルを予約し、ビザの手配を済ませた私は、通訳の女性を伴って、4泊5日の上海旅行にいざ、出発!

観客と記念撮影する伊地知監督(手前左)と小川プロデューサー(同右)

12年ぶりの上海旅行の狙いは多かったが、最大の目的は中国語タイトル『郷野』の上映会と、伊地知拓郎監督と小川夏果プロデューサーの記者会見を自分の目で確認することだ。中学生の時から松山の映画館に通い、大阪でも多くの映画館を体験したが、私にとって上海の映画館での映画鑑賞は初体験。DVD鑑賞とは異質の本作の素晴らしさを堪能することができた。

記者会見のようす

上映後や記者会見後の2人への拍手は温かく大きいものだったから、作品賞・監督賞の受賞には至らなかったものの、Wノミネートの功績は大きい。25歳の伊地知監督の才能と、それを支える小川プロデューサーの実務能力が合体すれば、今後の作品できっとその大願を成就させることだろう。したがって、「残念感」ではなく、そんな将来への「期待感」いっぱいの上映会に拍手!そして、こんなすごい機会を与えてくれた小川夏果さんに感謝!

2024年7月4日記

(弁護士・映画評論家 坂和 章平)