最近の状況
この三ヶ月間、やはり修士論文の資料調査・整理、先行研究のまとめなどに専念しました。ほか、ことし前半に申請したJSPS特別研究員ですが、まさか通ることになりました。修士課程にはこの日中友好協会アリアケジャパン奨学金のおかげで、学業を再優先することができました。ですが、博士課程への進学(特に、欧米への資料調査を行う際の研究費など)もやはりやや心配していましたが、幸いこれから心配する必要がなくなりました。
研究
研究のことについて、順調に前に進んでいるとは言えると思います。今年の前半までは、人種平等提案を起草した、いわゆる「発案者」は誰なのか、『牧野伸顕文書』や『外務省記録』などをふまえ実証し、明らかにしました。
そして、同じく先行研究では明らかにされていない何箇所についての実証も一歩前進した。たとえば、日本の人種平等提案の「真の動機」は、日本人移民排斥問題解決ではない証拠について、埴原正直・内田康哉・石井菊次郎三人の文書ないし関連資料のなかで把握することができました。
それだけではなく、日本の人種平等提案は、諸段階での内交渉(英米との秘密交渉)で挫折を受けてから、国際連盟規約前文への「国民(ネイション)平等案」に変更し、というのが周知の史実ですが、一体だれがこのアドバイスをしたのか、どのような考え方や懸念を持っているのか、実はいままでの研究では明らかになっていません。ですが、これについても明らかにしまして、修士論文で実証の上、詳しく説明・分析する予定になります。
関心事
ここ最近、一番関心を持っているのは、先月行った自民党総裁選だと思います。私が関心を寄せたのが、特定な立場(国籍を含む)を持っているのではなく、一政治系の大学院生として、弁論・政策論争に毎日フォローしていました。
男性・女性候補者が半分・半分になることが、政策や中身をさておき、形式としても大変進歩な印象をまず受けました。そして、活発な議論の中で、今回の私が受けた印象では、外交・政治だけでなく、社会問題に関しての議論が増えた感じがします。人口減少・少子化、経済の分配など、いままでの与党総裁選ではほぼかならず上げるテーマといっても、今回の議論では、多元的な意見が出されました。そして、「弱い立場」にある方々への関心は、一人の候補者の政策中心になっていますが、ほかの候補者も積極的にこの視点を吸収し、おそらくこれからの日本の政治で改良になっていく可能性もあると私は受け取っていました。
一傍観者としてこの実質上の「日本版大統領選」をみますと、私が支持したい(日本の有権者ではありませんが)候補はだれなのか、も考えました。ずっと前から考えたのは、政治家として必要な要素は、突破力・実行力がまず第一要素で、そして、一般人としての常識を有する人である。さらに、伝統的、前例主義的な政治家は、政治家としてのアイデンティティを失い、官僚になればいいのではないかと考えますので、勇気を持って大胆に改革をできる政治家のほうは優れるのではないかと考えました。そのなか、既得権益を持つ人や、今までに有効な政策ですが新時代にあわない政策などに対して、決別をできるという決断も必要になっています。
とにかく、これから日本の政治・経済・社会的な安定を維持することを願っています。私はかならず、日本社会のいいところをよく観察した上で勉強し、いつかはかならず中国に活用しようとしています。政治は唯一の興味ですから。
これから
これからは博士課程に進学する準備です。進学と言ったら、当然修士論文ほど重要なことはありません。まずそれを完成し、修士課程での勉強の成果としてしっかりまとめて上げたいと考えています。来月、法学研究科の自分が所属する研究室と、人間環境学研究科の中国史・アメリカ政治史研究室の、M2学生の合同発表が行われます。私もその際発表する必要があり、心配しつつ楽しみにております。
奨学金事務局の方に頂いたメールを拝見しますと、「紅葉の季節、京都は美しい」というご紹介をいただきました。今月中に、一度紅葉のきれいなことろで気分転換してみましょうか、と思っております。