「木を見て森も見る」日中交流を !
2019年明けましておめでとうございます。
昨年は日中平和友好条約締結40周年を迎え、両国首相の相互訪問が実現するなど、「日中新時代の到来」を強く感じさせる年となりました。
今年5月、日本では新しい天皇が即位され、新しい元号となります。一方、中国は10月に建国70周年を迎えます。習近平国家主席が訪日される可能性が非常に高まっており、今年も両国にとって節目の年となりそうです。われわれは「新時代の民間交流」の始まりを意識しながら、日中友好事業を継続していきたいと思います。
昨年秋に発表された日中共同世論調査によると、日本人の対中感情に少しの改善がみられたのに対し、日本に良くない感情をもつ中国人は約56%と大幅に減少していることが分かりました。中国からの訪日観光客は今や年間700万人を超えており、中国の人々に広がりつつある日本への安心感がうかがえます。
習近平国家主席の定説通り、日中両国は住所変更ができない隣国です。歴史的な結びつきも強く、100年、200年と永遠に仲良くせざるを得ません。新時代を迎えた今、双方は新しい協力関係を示す「第5の政治文書」を出すのによい時期を迎えていると考えます。また、安倍晋三首相と習近平国家主席は昨年10月の首脳会談で、今年2019年を「日中青少年交流推進年」とすること、5年間で3万人規模の青少年交流を行うことを合意しました。「官が民を促す」活動で協会もこれを積極的に推進・具体化していきます。
戦後70年余り、日中両国が銃を交えず、紛争にならないよう「民」が努力してきたことがアジアの平和の礎となってきたと言えます。アジアの平和があって初めて、世界の平和が築かれるのです。
しかし、昨今の世界のリーダーの言動を見ると、情勢は再び混沌としてきています。日本が重視すべきは日中、日朝、日韓、日ロ、日米、この5つ国との友好関係を築くことで、そのために日本は中心的な役割を担ってリードする努力が必要です。数学的に言えば、〝5つの国との方程式〟を「X=平和」で成立させる。どの方程式を解くにも、「平和」以外に道はないのです。「木を見て森も見る」。われわれは日中だけではなく、〝世界の中の日中〟をしっかり捉えながら、友好活動を展開していきましょう。
今年が皆様にとって良い1年でありますよう、全国の都道府県日中友好協会と地区日中友好協会の活動が充実したものになりますよう一歩前進!一丸となって最大の努力を致しますことを皆様と共に約束したいと思います。
公益社団法人日本中国友好協会
会長 丹羽 宇一郎