2019年度の「丹羽宇一郎奨学金」授与式が5月10日、東京・千代田区の学士会館で行われ、日本の大学院で学ぶ中国人私費留学生3人に贈られた。
丹羽・協会会長は祝辞の中で、「日本も地域によって文化や風習が異なる。そういう意味で、先に離任された程永華駐日大使のように、日本中を見て回るのも有意義だと思う。この奨学金は何に使ってもよいが、そうした活動の一助としてもらえたら喜ばしい」と述べ、3人を激励した。
3人はいずれも大学院博士課程の2 年生。
神戸大学で学ぶ李聡さん(遼寧省出身)は「選考してくださった先生方を恩師として、今日のつながりを宝物にしたい」とあいさつ。
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李聡さんと丹羽会長
それが理由で他の奨学金を断ったと明かすと、会場は温かな笑い声に包まれた。
男性2人は早稲田大学で学んでいる。
王新宇さん(重慶市出身)は「この奨学金生の名に恥じないよう研究に専念したい」と言葉少なに話した。
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王新宇さん
周洪騫さん(浙江省出身)は、「学部3年生のとき香港に行って、素晴らしい交流を体験した。それ以来、現地を知らない人から香港の悪口を言われると腹が立つ。このことからも、それまで知らなかった場所を訪ねてみるのは大事だと実感した」と、丹羽会長の祝辞に応える形で締めくくった。
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周洪騫さん