中国共産党代表団との懇談会を開催しました

(公社)日中友好協会は3月23日、東京・文京区の日中友好会館で、中国全国政治協商会議前秘書長(副大臣級)の舒啓明氏を団長とする中国共産党代表団の皆様との懇談会を開催しました。

当協会は、中国大使館より「日中関係や両国のこれからの友好交流」について意見交換の機会を設けたいとの依頼を受け、(一社)日中協会、(公財)日中友好会館の代表者と共に代表団一行をお迎えしました。

 

 

あいさつ

はじめに、日本の友好団体を代表し、(一社)日中協会の野田毅会長が満開の桜をあしらったネクタイを見せて歓迎の意を表し、「いつの時代も課題はあり、双方が知恵を出し合うことが求められます。本日はいい機会ですから、意見交換をして前に進みましょう」と述べました。

中国全国政治協商会議前秘書長の舒啓明氏は、「昨年11月、両国の首脳は新時代の要求に合う関係を構築していくことで一致しました。この度の訪日の目的は、その認識を実行に移すことです。桜が美しい時期に、皆様と意見交換をしたいと思います」と述べました。

 

意見発表

続いて、出席者による意見発表が行われました。

 

(公財)日中友好会館 宮本雄二会長代行

日本における中国に対する感情は、相当悪くなっています。日中友好団体は、どのような状況でも日中関係を進めるべきという信念を持った仲間たちです。早く中国側と民間交流の強化について、率直な話し合いをしたいです。

(新型コロナウイルスの影響で)相当止まってしまっている民間交流事業をいかに復活させるかは、私共の仕事でもあり、中国側と一緒にやらなければ実現できないとも思います。中国共産党におかれても民間交流が必要で、その推進に支持をいただきたいと思います。日本との交流に大いに力を貸していただきたいです。

 

(一社)日中協会 野田毅会長

義父の影響もあり、今日までずっと日中関係に携わってきました。中国と長くお付き合いしていくなかで、あれ?ということがいくつかありました。中国での常識が日本に来ると違ってくる、意外と誤解、認識のずれが生じるということを意識していないと、齟齬をきたします。土地に関する話でも、そのような認識がうまくいっていないと感じています。難しいですが、解決できればと思います。

日本は交流関係を長年保っているという現実を、大事にしたいです。火花が散らないようにするのが、大切だと思います。

 

(公社)日中友好協会 宇都宮徳一郎副会長

祖父の宇都宮徳馬は生前、自宅に中国の皆様をお招きし、観桜会を催していました。その祖父から「世々代々子々孫々」の精神を受け継いでおります。

今、若い世代の日中友好にかける思いは強く、東京都日中友好協会に属する100人近い大学生をはじめとする青年たちは、様々なツールを用いて中国と交流しています。先日、中国大使館が開催された「パンダの友好の夜」には200人以上の子供や青年が集まりましたが、大好きなパンダを通じて中国に興味をもつ若者も大勢います。早く日本人が中国に行きやすくなるのが望ましいと思います。

 

中国全国政治協商会議前秘書長 舒啓明氏

皆様の発言から、中日友好が世々代々受け継がれていると感じました。今年は、中日平和友好条約締結45年です。これを契機に、双方は条約の精神を振り返り、条約の義務を果たし、「互いによきパートナーであり、脅威とならない」という両国の共通認識を実行に移し、重大な問題に善処し、各分野での互恵協力を深化し、両国国民の友好が促進されるよう願います。

中日両国間で、島の問題、そして台湾問題で食い違いがあるのは事実です。中国は食い違いを善処します。日本は4つの政治文書と中国に対する承認を厳守し、中日関係の大局と地域の安定のために、前向きな役割を果たすことを望みます。

民間交流の強化について、皆様が引き続き両国の、特に民間の対話と交流を推進し、相互理解を増進し、中日関係発展にプラスのエネルギーを注ぐことを期待します。双方の努力により、私のように初めて中国から日本を訪れる人は減り、訪日する人が増えると信じています。そして日本の人々も、もっと便利に訪中できるようになるでしょう。

日中友好団体の皆様には、引き続き中国の発展を重視し、日本の各界に本当の中国の姿を伝え、双方の相互理解を増進させることを期待します。

皆様から、今後の中日関係推進への積極的な願いを感じました。双方が各分野における交流を強化し、中日関係の早期発展と改善を共に推進するよう願います。そして、皆様が都合のいい時期に、中国に来られるのを歓迎します。

中国には、「朋有り遠方より来たる。亦(また)楽しからずや」という言葉があります。中国は、各国からの人々を歓迎し、そして皆様と共に未来へ進みたいです。

 

(一社)日中協会 瀬野清水理事長

日本における中国に対する国民感情の悪化を、憂いています。逆に言えば、悪化も早いが、好転も早いに違いない。それにはきっかけが必要で、一番手っ取り早そうなのは“パンダ”です。

先日、中国大使館で開催されたパンダのイベントには、大勢の若者が喜んで集まりました。日本人はパンダが大好きです。ぜひ(東日本大震災の被災地である)東北にも、パンダが来てくれるとうれしいです。

また、東北の農産品がいまだに中国では輸入禁止です。風評被害を取り除くためにも、前向きに禁止を解いてくださるよう呼びかけていただきたいです。

 

(公社)日中友好協会 岡﨑温理事長

日本人は、最新の中国について知りたいと思っています。なるべく早く、日本の国民に中国の情報を教えてほしいです。


最後に名刺交換の時間を設け、出席者同士で短い交流を行い、懇談会は和やかな雰囲気のうちに終了しました。

 

【出席者】

■中国共産党代表団

舒啓明 全国政治協商会議前副秘書長(副大臣級)
杜丁丁 中連部二局副局長
沈伝亮 中央党学校研究室副主任
李博 中連部二局日モンゴル処副処長
黎璐琪 中連部二局職員
荀志影 中連部二局職員

■中国大使館

聶佳 政治部参事官
馬国良 政治部一等書記官
雷光程 政治部三等書記官

■日中友好団体

一般社団法人日中協会
会長 野田 毅
理事長 瀬野 清水

公益財団法人日中友好会館
会長代行 宮本 雄二
中国代表理事 黄 星原

公益社団法人日本中国友好協会
副会長 宇都宮 徳一郎
理事長 岡﨑 温
事務局:理事長代行 揚原 安麿(司会)
事務局:理事兼事務局長 伊藤 洋平

(敬称略)