東京大学大学院総合文化研究科 博士課程2年
趙楚楚
日中友好協会の奨学金のおかげで、この三ヶ月も無事に充実した生活を送りました。去年の東京の冬は平年よりも暖かい日が続きました。12月の末になっても雪が全く降らず、暖冬と言えます。美しい冬の雪景色を見ることができなかったのは少し残念でしたが、電気代の節約になったのは幸いでした。
生活面
夏休みが終わり、東京に帰ってからは、主に博論と研究発表に専念しています。時間のある時には、博物館や展示会に行きました。12月3日に根津美術館で開催された「北宋書画展」では、『五馬図巻』など北宋時代の書画の優品を一堂に拝見でき、北宋の書画芸術のエッセンスに迫ることが出来る贅沢な体験をしました。来客ももちろん多かったですが、日本人だけでなく、中国語で話す観光客も多く見られました。近年、日本の観光ツアーに参加し、各博物館の展示会を見に来る中国人観光客が増えています。こういった意味では、文物・芸術品は無言の文化交流者とも言えるでしょう。
年末には、合宿のためにゼミの先生と先輩たちと一緒に神戸に行きました。一泊二日の旅の中で、神戸南京町、旧居留地、神戸華僑博物館と孫文記念館(移情閣)、明石海峡大橋を見物しました。開港地の特有の文化的な雰囲気と須磨海岸の白砂青松の風景に浸り、気分一新することができました。神戸から東京に帰ったら、すぐに大晦日でした。元日早々に能登半島地震が発生したことに心が痛みます。被害に遭われた方々およびその関係の皆様に心よりお見舞い申し上げます。
学習面
秋セメスターは、主に自分の研究課題に専念しています。9月の下旬に院生フォーラムで報告した、清末における廬山借地交渉の課題を修正し、11月12日の2023年史学会第121回大会・東洋史部会にて発表しました。部会の参加者から色々な質問とコメントをいただき、勉強になりました。最近は主にそこでいただいた意見をもとに、投稿論文を執筆しています。そのほかに、今年のリサーチ・コロキアムのため、博士論文の主題と枠組みを思考しております。現時点では、博論の各章に使用する史料を収集し、2024年度の海外資料調査プランを立てました。