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友好訪問詳細

友好訪問中国料理の歴史や特徴、テーブルマナーを知ったら、食事が百倍楽しめます

2017年5月1日号
中島 將耀(なかじま まさき)さん
中国料理サービス研究家 
中島 將耀(なかじま まさき)さん

1949年生まれ。国学院大中退。AIMフードサービスマネージメントトレーニングスクール卒。ホテルセンチュリー・ハイアット宴会担当を経て「翡翠宮」マネージャーに。その間、香港で研修。「赤坂璃宮」総支配人、ホテル日航東京「唐宮」マネージャーを歴任。2007年に(公社)日本中国料理協会から功績章受章。現在、織田調理師専門学校講師、(一社)日本ホテル・レストランサービス技能協会認定中国料理食卓作法講師。趣味は居合道。

 調理法に留まらない、その文化的な背景やマナーにも精通した中華料理のスペシャリスト。マネージャーとして必須の知識、トラブル対処法からお客さんを喜ばせる小技まで、50年にわたる貴重な経験を惜しみなく盛り込んだ『中国料理のマネージャー』(キクロス出版)を刊行した。

 ブライダルサービスの第一人者、遠山詳胡子さんとの共著で、レストランのマネージャー向け専門書は珍しく、現場ですぐ応用できる実践的な内容が好評を博している。「調理法に関する本は多いですが、背景にある食文化の紹介はこれまで十分とは言えませんでした。本書を通じて中国料理の歴史やその特徴、テーブルマナーを知ってもらえたら、食事を百倍楽しめるようになると思います」

厨房からフロアへ

 高校2年の時、北京・四川・上海料理で有名な「赤坂飯店」でアルバイトをしたのがきっかけで調理師の世界へ。さらに自分の店を持つなら接客も極めたいとの思いから厨房を飛び出し、場数を踏みながらノウハウや技を培った。

 自分の裁量でコントロールできるテーブルを常に確保するのもその一つ。「満席にして満足するのは私に言わせればサボリ。常連客の急な来店など、どんな状況にも応対できなければ。自分の仕事に満足したことはありません。常にいま足りないものは何かと考える。プロなら当然です」

 米国で発展した計数管理にも熟知、誰もが納得できる数値に依拠した合理的なマネジメントに定評があり、請われて日本を代表する中国料理店の総支配人やマネージャーを務めた。

 「一生に一度しかないお客様の大切な時間を演出し、お手伝いする仕事。『いらっしゃいませ』は誰でもいえますが、数歩でも近寄って話すと感じ方が違ってきます。自分たちの店を通してどんな社会貢献ができるのかを考えるのもマネージャーの仕事です」

マナー教室を開く

 現在は都内の調理師専門学校で教壇に立つほか、中国料理の魅力を伝える一助にと、各地で中国料理のテーブルマナー教室を開く。「和食を学びたいという中国人留学生にも教えていますが、料理を通した文化交流の意義は大きい。洋食や日本の食事作法とも違う中国料理のテーブルマナーは珍しく、受講者に深い印象を残すようです。協会の活動にお招きいただければ喜んで協力します」

 中華料理が本格的に日本へ入り約100年。当初は珍しく高級だったこともあり盛付けは豪華さや色合いを、サービスは丁寧で美しくを心がけ、回転式円卓も日本で発明された。「その意味でも日本の文化的な貢献は小さくありません」。日本で独自の発展を遂げた中国料理への愛着と自信が垣間見えた。 
(森正哲央)