会報『日本と中国』

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友好訪問詳細

友好訪問「1本のひもが形になるところが楽しい中国伝統の結び方を覚えませんか」

2016年7月1日号
本間 初枝(ほんま もとえ)さん
神奈川県日中友好協会 「中国結び」教室講師
本間 初枝(ほんま もとえ)さん

神奈川県海老名市出身。夫の中国駐在を機に、2004年から4年間上海で暮らした。駐在婦人のコミュニティを通じて中国語や中華料理、中国結びなど中国文化に触れ帰国。直後から(一社)神奈川県日中友好協会で中国結び教室の講師を務める

上海で習得した中国伝統工芸を教える主婦

 「中国結び」と呼ばれるひも(紐)を使った伝統工芸の作り方を(一社)神奈川県日中友好協会が開く教室で教えている。

 「中国結芸」「結芸」とも呼ばれる中国結びは、中国の正月(春節)になるとあちこちに飾られるが、アクセサリーや入れ物、ボタンなども作ることができる。「簡単なものから始めれば徐々にコツが分かってきます。私も最初は、中国服などに使われるボタンを作りたい、と思ったのがきっかでした。だれにでもできます」

夫が上海駐在に中国結びと出会う

 中国とは無縁の人生を送っていたが、2004年にエンジニアとして働く夫の上海駐在が決まった。子ども2人を連れて飛び込んだ中国生活の中で、駐在員の婦人同士のコミュニティを通じて「中国結び」教室を知り、始めた。もともと手芸が好きだった。

 「1本のひもが形になるところに楽しさを覚えました。また、集中して没頭していると無心になれるのもいいです」。中国人の先生の下で、08年に帰国するまで4年間続けた。

 帰国してまもない頃、中国文化を広める活動をしたいと考えていた神奈川県日中の平山由美子さん(現事務局次長)から「中国結びを教えてみない?」と誘われた。平山さんは上海時代の駐在婦人仲間。二つ返事で引き受けた。「人に教えれば、自分自身も忘れないんじゃないかな、という思いもありました」

 教室開講の準備を進め、ホームページなどで参加者を募ると、すごい反響があった。「どうして?と驚きましたが、ちょうど少し前にNHKのEテレ(教育テレビ)で中国結びについての番組が放送されたようでした」。1回30人ほどの教室を2回にわけて実施した。中国結び教室はその後も続けることになった。

水引のルーツとされる注目の「ひも手芸」

 教室は現在、隔月で開催している。受講生の中には中国結びにルーツがあるとされる日本の「水引(みずひき)」(注)を学んだ人もいて、日中文化の交わりも感じさせる。材料のひもは、上海時代に買いだめしたものを使っているが、日本ではなかなか手に入らないため、中国へ行く友人に買い付けを頼むこともあるという。

 最近は“アジアンノット”(アジア風ひも飾り)という造語もあり、「ひも手芸」は一部で注目されつつある。「中国結びは“オシャレ”という印象があまり強いわけではありませんが、服や鞄などポイントとして工夫して飾れば意外にかわいいです。教室では中国茶を飲みながら中国の話をしたり、サロンのように和気あいあいとやっています。中国伝統の結び方を一緒に覚えませんか」
(北澤竜英)

(注)祝儀や不祝儀の際に用いられる飾りで、贈答品の包み紙などにかける紅白や黒白などの帯ひものこと