会報『日本と中国』

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友好訪問詳細

友好訪問「日本を知れば知るほど、中国への理解も深まった」

2015年11月1日号
孫根 志華(そね しか)さん
城西国際大学大学院准教授/千葉県日中友好協会理事
孫根 志華(そね しか)さん

1962年上海市生まれ。84年復旦大学日本語科を卒業、同年上海青年旅行社入社。88年来日。明治大学大学院で経済政策を学び、同大大学院修士号、博士号を取得。96年城西国際大学(千葉県東金市)へ就職し入試部副部長、留学生センター所長などを歴任。2003年から同大中国文化研究センター所長を務める。家族は妻と長女、長男(共に高校生)

旅行社を経て来日、交流に尽くす大学教員

 東京での留学生活を経て、千葉県に移り住んで20年目。今は大学院で国際経済学を教えている。明るさがにじみ出たはつらつとした口調に好感が持てる。聞けば、かつては旅行社に勤め、たくさんの日本人を中国各地の観光地へ連れて行ったという。「研究者の道へ進んだのは、旅行社の仕事に就いたことがきっかけでした」

“中国を知らない自分”に気付かされた

 上海生まれ。名門の復旦大学で初めて日本語を学び、生かせる仕事をしたいと1984年に上海の中国青年旅行社に入社した。「入社してすぐに、皆さんもご存知の『日本青年3000人訪中団事業』がありました。受け入れの手配などで大変忙しかったことを覚えています」

 仕事で観光客を連れて中国全土を回るうち、「自分はなんて中国のことを知らないんだ」と気づかされた。改革・開放政策が進み中国の変化が大きくなりつつあった時代。一方の自身は上海の外へはあまり出たことが無く、各地で見られる様々な中国の変化を「当時の知識では理解できなかった」。好奇心をかきたてられ「もう一度勉強がしたい」と強く思ったという。

 88年、一念発起して日本へ留学。明治大学大学院で経済政策を学んだ。いつしか研究テーマは「日中経済成長の比較」になった。「日本に来たことで、中国をより客観的に見られた。日本を知れば知るほど、中国への理解もより深まりました。文化の比較を続け、一定の理解に達すると、そこから“独自の新たな視点”が生まれるものです」

千葉県日中の活動には“自然体”で参加したい

 「人生どう転ぶか、本当に分かりません」

 これまでの人生で「大きな出来事が最も多かった」と振り返るのは96年。2月に結婚し、3月に博士号を取得、そして4月に現在勤めている大学へ就職した。妻は日本人。その後、日本国籍を取得した。現在の姓の「孫根」は、自身と妻の旧姓を一字ずつ合わせたものだという。

 日中友好協会とつながりを持ったのは、大学で留学センター所長を務めていた時期。最寄りの東金日中友好協会が「中国人留学生と交流したい」と呼びかけてきたのがはじまりだ。2013年からは千葉県日中友好協会理事も務め、同協会がこの9月に中国の李可染画院と共同で開催した「自然之道―日中友好絵画招聘展」を企画・準備するなど日中の懸け橋として、協会活動に携わっている。

 来日して27年。「日本社会には一部にまだ外国人が“溶け込みにくい世界”もある」と感じている。協会活動には「自然体で参加し、自分の存在が何かの役に立てられれば、という気持ちでやっていきたい」と思っている。
(北澤竜英)