会報『日本と中国』

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友好訪問詳細

友好訪問「日中つなぐ飛行機が増えれば地方都市の活性化につながる」

2013年11月1日号
日本春秋旅行株式会社 代表取締役社長 加治屋敬行(かじや たかゆき)さん
日本春秋旅行株式会社 代表取締役社長
加治屋敬行(かじや たかゆき)さん

1947年鹿児島県生まれ。70年鹿児島経済大学を卒業し、同年日本通運東京航空支店に入社。80年同鹿児島支店へ転勤。90年「旅のパートナー(株)」を立ち上げ、代表取締役社長に就任。その後はCTD(株)統括責任者、近畿日本ツーリスト(株)鹿児島支店営業顧問などを経て、今年4月から現職。鹿児島国際大学非常勤講師として、「旅行業」について教えたことも

春秋航空のチケット販売を担うグループ旅行社社長

 日本の格安航空会社(LCC)・春秋航空日本が9月に国内線参入を発表、成田空港を軸に佐賀、高松、広島の3路線が来年5月に就航予定だ。

 春秋航空日本がウェブで取り扱う以外の多くの座席を担うため東京に設立され、今年4月に営業を始めた「日本春秋旅行」の社長に抜擢された。海外渡航歴400回以上のこの道40年の大ベテランだ。

 上海を拠点とする「春秋グループ」の傘下になる。中国最大手の春秋国際旅行社が中国の観光客を集め、春秋航空の飛行機が日本へ運び、国内の移動は春秋航空日本が担う。もちろん日本人に同社便を利用して日本各地へ旅行してもらうことも目的だ。「1981年にわずか2平米の店から始まった上海春秋旅行社(春秋国際旅行社の前身)が30数年で中国を代表する旅行社になった。2007年に春秋航空を立ち上げ、今では上海と茨城、高松、佐賀の3空港を結び、今後順次日中間の路線拡大を計画中である。中国の高度成長を象徴する企業グループです」と話す。

20数年ぶりに王正華会長と再会した

 大学卒業まで鹿児島で過ごした薩摩隼人。横浜の旅行会社に10年勤め、転勤を機に地元に戻った。そこで担当したのが大阪と上海を結ぶフェリー「鑑真号」のツアー。現在の薩摩川内市に臨時寄港する船に県民を乗せる仕事だった。「当時の受け入れ担当が上海春秋旅行社の王正華社長(現グループ会長)だったんです」 

 王氏との関係は5、6年。以来やり取りはなかったが昨年秋、佐賀に来ていた王氏から「加治屋、会えるか」と20数年ぶりに電話があった。

 「日本に旅行会社を立ち上げるので責任者になってほしい、と頼まれました。初めは断ったが、話を聞くうちに興味がわいた。40数年の旅行業でLCCの経験はない。“最後の務め”と思い引き受けました」

 同グループは、将来的に関西国際空港を“ハブ化”し、中国各地から観光客を呼び込むことを視野に入れているという。10月には日本春秋旅行大阪支店が開業した。

 「中国の中間層は今後も増加する。将来性は魅力です。“関空線”が実現すれば、日中間を往来する飛行機は春秋航空が最も多くなるだろう。地方都市の活性化につながり、日中交流の促進にも貢献できる。先日来た広島県の担当者に、どうすれば中国人に興味をもたれるか、と質問された。広島線の就航は“中国地方初のLCC”。大きな期待が寄せられています」

茨城線の好調は県や友好協会のおかげ

 「日中情勢の悪化で既存の旅行業は本当に苦戦している」と話すが、茨城―上海線の今年これまでの搭乗率は95%だという。「好調の要因は県や県日中友好協会(橋本昌会長=県知事)の協力のおかげです。県の補助金で東京駅―茨城空港間を走るワンコインバス(500円・航空機利用者限定)が利便性を高め、協会さんは訪中旅行を企画し、路線の利用を県民に呼びかけてくれている。1日2便体制の可能性も出ています」

 「より安い運賃でより良い旅行を」が同社のキャッチフレーズ。「残念ながら、日本では知名度がまだ高くない」。春秋航空についてより広く知ってもらうため、社長の奮闘は続く。
(北澤竜英)