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友好訪問詳細

友好訪問「四川と日本の観光連携の潜在的ニーズは大きい。多くの分野でつながりをもちたい」

2013年10月1日号
四川省旅遊局 規律検査委員会組長兼副局長 王継春(おう けいしゅん)さん
四川省旅遊局 規律検査委員会組長兼副局長
王継春(おう けいしゅん)さん

1959年生まれ。河北省唐山市出身。78年解放軍基本建設工程兵部隊に入隊、86年中国人民武装警察黄金部隊。2000年に退役し、同年四川省質量技術監督局質量処副処長に。同局質量処処長、監督処処長を経て、10年から現職。76年の唐山大地震と08年の四川大地震の2つの歴史的大地震を体験した

安全で安心な四川観光をPRするために来日した

 日本旅行業協会(JATA)が9月に東京で開催した「JATA旅博」に参加するため、四川省旅遊局一行を率いて初来日した。「日本人はとても“好客”(客に親切の意)」。五輪招致で話題となっている日本のおもてなしを感じたようだ。

 来日の目的はもちろん四川観光のPR。九きゅう寨さい溝こう、楽山大仏をはじめとする世界遺産やパンダ、三国志遺跡、四川料理など、中国トップレベルの観光資源をもつ同省について「日本の皆さんにより深く知ってもらう」ことがねらいだ。

 もう一つは、今年に入り自然災害による被害が続いた。日本人が四川旅行をためらっているのではないかと気になっている。だから「四川は安全で心配ない」ことをはっきり伝えるために来た。

 「4月の雅安地震、7月の洪水被害。自然災害によって省内の一部に影響が出たが、直後の復興政策ですでに復旧している。特に、日本の皆さんが大好きなパンダ保護区、世界遺産、三国志遺跡は全く影響を受けていない。通常業務を行っている。安全で美しい四川と、客好きで情熱的な四川の人々は全く変わっていないので、安心して四川省に遊びに来てほしい」

 今回、来日した15の省・市・自治区の中で唯一、「旅博」後に都内で単独の観光説明会を開くなど、思いの強さがうかがえた。

日本は最も重要な国の一つになった

 河北省唐山出身の漢族。18歳で軍に入隊し、地質開発に携わった。もともと地質学が専門で、22年間の軍人生活では、主に地質探査や採金探査に従事した。退役と同時に公務員となり四川省へ。省品質技術監査局を経て、2010年から省旅遊局に勤めている。

 現在は主に、日本を含む東アジア、ロシア、米国、西欧に向けた観光PRに力を入れているという。中でも日本は重視している。

 「日本からの観光客は2010年、11年と2年連続で前年比20%増になった。12年の観光客数約25万人は香港、マカオ、台湾を除く国・地域別でトップ。日本は四川省にとって最も重要な国の一つになった。一方で、訪日観光をする四川の人も年々増加傾向で、四川と日本の“観光ビジネス連携”の可能性、潜在的ニーズは大きい」

 統計数値に限らず、ここ数年の日本とのやり取りを通じて、人的・文化交流の深まりを実感しているという。「多くの日本の皆さんに観光、貿易などを通じて、四川とつながりをもってもらいたい」

私たちも同じ。観光で「中日交流」推進したい

 個人的なお薦め観光スポットを聞くと「多くて絞れない」と笑ったが、都江堰(とこうえん)(古代の水利施設)について話しだした。「2千年以上の歴史がある都江堰はすごい。偉大な李冰(りひょう)親子が、なぜあの時代にあれほどのものを造れたのか。専門家もいまだ解明できていない」。やっぱり地質畑の人だ。

 日中交流推進、四川復興のために協会が「四川省ツアー」を企画したことを伝えると、柔和な顔がさらに和らいだ。「私たちも日中友好協会と同じ考え。観光を通じてもっと“中日交流の信号”を発信したい。12月はぜひ」
(北澤竜英)