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友好訪問詳細

友好訪問「『人民中国』にとって、日本の読者は“命脈”。互いに友好を深めることが発展の基礎に」

2013年8月1日号
人民中国雑誌社社長 陳文戈(ちん ぶんか)さん
人民中国雑誌社社長
陳文戈(ちん ぶんか)さん

1964年内モンゴル自治区生まれ。北京大学の法律学科・大学院を経て90年中国司法省に入省。同省在任中に英国政府奨学金でバーミンガム大学に留学し、法学修士を取得した。2000年にIT大手の北大青鳥集団で総裁助理を務め、02年から中国共産主義青年団中央で弁公庁秘書処処長などを歴任。04年に中国外文局へ異動すると、同局弁公室主任(副局長級)などを経て昨年人民中国雑誌社常務副社長に就任した。13年から現職

創刊60周年の“伝統雑誌”を導く若きリーダー

「『人民中国』の歴史的使命はこれからも続く」

 6月25日に東京・六本木ヒルズで開かれた同誌創刊60周年の“感謝パーティー”に合わせて来日し、こう決意を述べた。

 還暦を迎えた同誌の社長に今年1月に就任。若いスタッフが増えた組織を束ねながら、中国の実像を正確に日本の読者に伝えることが役目だ。まだ49歳。若きリーダーが導く。「初対面でも“他人ではない感じ”で接することができるのが私の長所」。相手に安心感を与える気さくさがあり、高いコミュニケーション能力の一端をのぞかせた。

チームワークで新時代を改革したい

 内モンゴル自治区出身の漢族。北京大学で法律を学び、1990年司法省に。英国留学を経て大手IT企業へ転職し、中国共産主義青年団中央では青年活動も指導した。現職につながる中国外文局に入局したのが2004年。

 「公務員だから転勤は頻繁。でも、様々な職場で働いたことはスキルアップに役立った」と振り返る一方、「私には雑誌づくりの専門知識が不足している」と謙虚に明かす。しかし、経歴からはそれを補うだけの、それ以上の、人生経験の豊富さがうかがえる。

 日本語が話せるわけではない。来日も今回が初めて。しかし、これまで培ってきた“人間力”が『人民中国』の現状や改善点を鋭くとらえる。

 「誌面構成や内容の充実はもちろん、今後はネット、モバイルなど新しいメディアにも挑戦し、発展させたい。社内の組織も強化する。チームワークを重視し、一丸となれる体制づくりに努めたい」

 社長就任早々に着手したのが「組織改革」。編集、翻訳、カメラ、ネットなど「各担当がバラバラに仕事をしていた」という業務体制を一新し、誌面内容に沿って分けた「政治・経済」「社会・民生」「文化・観光」「情報・サービス」の4つのチームに各担当をそれぞれ配備した。日本語の分かるスタッフも、分からないスタッフも、“同じチーム”として取り組むことで「共同体意識」を持たせた。「雑誌づくりの専門知識」は欠けているかもしれないが、「自分の色」を出しながら貢献できることを十二分に実証している。仕事の効率は上がった。

 「新しい時代を改革したい」。今後は「誌面」というメディア形態にとらわれず、「交流活動やイベントの展開も視野に入れたい」と話す。「新しいアイデアを次々に出してくれる」と部下からの信頼も厚い。

“読者重視”の姿勢おろそかにしない

 新しい事にどんどんチャレンジする。でも伝統はしっかり引き継ぐ。“読者重視の姿勢”はおろそかにしない、ときっぱり話す。

 「歴代編集長の先輩方は心から日本の読者を思った。読者が本当に知りたい内容は何かを優先し、雑誌づくりに努力した。『人民中国』にとって、日本の読者は“命脈”。互いに友好関係を深めることが『人民中国』が発展するための基礎になると思っている」

 異文化交流メディアは中国国内で増えている。競争も出ている。「プレッシャーは感じるが自信もある。私には心強い“チーム”(スタッフ)がいるから。プレッシャーも味方にしていきたい」
(北澤竜英)