会報『日本と中国』

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友好訪問詳細

友好訪問「文化に国境はない。自由に往来して、自由に人の感性が育てるもの」

2012年 10月15日号
東京国立博物館学芸企画部長 松本伸之(まつもと のぶゆき)さん
東京国立博物館学芸企画部長
松本伸之(まつもと のぶゆき)さん

1956年東京都生まれ。早稲田大学文学部・同文学研究科で芸術学(美術史)を専攻。専門は中国・アジアの美術。90年から東京国立博物館に勤務し、中国やシルクロードの美術を中心に、研究・調査・収蔵・展示企画を手がける。2008年から現職。NHK文化講座を始めとする講座、講演、展覧会企画など多数

東京国立博物館 特別展「中国 王朝の至宝」を企画監修する

 「東京国立博物館学芸企画部長」。肩書きはものものしいが、その胸にあるのは「文物・文化財が大好き」という想いだ。仕事の一番の魅力は「文化財に自分で触れ、調査ができ、一般の人にその魅力を伝えること」だという。

 これまでに「遣唐使と唐の美術」展、特別展「手塚治虫のブッダ展」などの企画監修を手がけ、現在は10月10日から開催中の特別展「中国 王朝の至宝」を担当。開催直前まで文物の輸送手配などに奔走した。「一番難しいのは何を伝えたいか、いかにその物の良さ、特色、美しさを伝えられるか。そこには見せ方、配置、照明と様々な要素が総合的に関わってくる。それがおもしろい」と話す。

 特に日本での中国文化展開催は特別な意味があるという。「日本文化のいろんな意味での源は中国。日本での中国展には常に、『日本との関係において見る』という大きな柱がある」。

 今回の展示の準備を始めたのは5年前。予想外の状況での開催となったが、政治的に困難な時こそ、文化交流を通じてお互いの理解を深めるべきだと言う。

 「いつの時代も文化というのは国境のあるものではなく、自由に往来して、自由に人の感性が育てるもの。その流れは止めることはできない」。文化交流に関わる人みんなに勇気を与える言葉をもらった。(立花裕子)