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プラットフォーム 酒井 哲夫 ― (公社)日中友好協会副会長 NPO福井県日中友好協会会長 『加藤前会長をしのび 島問題の早い解決を』

2016年10月1日号

協会名誉会長加藤紘一氏を悼む葬儀が9月15日、東京で行われ、協会役員も多数参列し、別れを惜しんだ。
 加藤氏は2008年7月に会長に就任、15年6月まで日中友好の先頭に立ち、私どもを指導してこられた。その大半は島(尖閣・釣魚)問題に心労を煩わしてきたと思う。
 2012年の島国有化で日中関係は政治的には完全に亀裂が入った。島問題は現在に至り未解決のまま両国間の火種となっており、緊張関係は続いている。協会ではこの問題発生以来、再三会議を開いて議論を重ね、理事会決議や加藤会長談話を発表してきた。加藤会長は特に自らの意見をホームページを通じて発信し、国民に理解を求めた。
 意見は長文である。要約すると、1972年9月に開かれた日中国交正常化交渉での田中首相と周恩来総理の話し合いで島問題は“棚上げ”になった。これが常態化すべきだった。しかし、問題化した現時点では互いが知恵を絞るべきだ、と訴えている。
 ところで当時、協会は島問題について各理事が意見を出し合った。不肖私も約3千字で意見書を提出したので、この機会にここで述べさせていただく。結論は、両国が譲り合って解決してほしい。要約すると、島問題が発生すると、両国は“歴史的にみて我が領土である”と主張し、一歩も引かない。これでは永遠の争いになってしまう。
 私の考えでは、日本政府は1895年1月に閣議決定するまでは、中国が明・清の時代から釣魚島と名付け、島との関係が深く、領有していたという主張を認めるべきである(中国は閣議決定が日清戦争終結前に島を占領したとして認めていない)。しかし、現実にはそれ以降、現在まで日本が実効支配してきた。この事実を中国はどう捉えるか。私は日中関係の未来を考え、双方意見はあろうが互いに歴史的事実を検証し、譲り合い大同につき合意されるべきと訴えたのである。
 重要4文書は重く、来年は正常化45周年の節目の年になる。解決を急いでほしい。