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プラットフォーム 橋本 逸男 ― (公社)日中友好協会副会長 元駐ラオス大使 『日中関係は「悪い」のか?…「我々」の為すべきこと』

2015年12月1日号

中関係は、大国間の、悠久に亘る、広く(政治・経済、学術・文化、人の往来など)、深い交流関係であり、世界でも稀有な程重要である。それ程重要な関係が、そう易々と「悪く」なっては困る、と思っている。世論調査で、相手国を「好きではない」と答えた国民が、8割9割に及ぶ、と報じられたこともある。しかし、同時に、それに近い比率で「両国関係は重要である」と答えてもいる。国民はよく分かっているのである。そのように大事な両国関係が「悪く」てよい筈がないことも。
 しかし、日中関係は、本当に「悪い」(「悪かった」)のか?
 古来、「言霊(ことだま)」という考え方がある。不吉な物言いをすると、良くないことが起こる、という。私自身は、多少アマノジャクな気持ちもあって、皆さんが「悪い、悪い」と言うのを、「言霊」的にも、困ったものだと思ってきた。
 確かに、政治、外交上の諸問題はあるが、それらを捉えて、日中関係は「悪い」と言い張る人には、政治家と国民、官と民を弁別すべきである、と答えてきた。政治家や公人は、国益を守る観点から、弁を強め、辞を高くすることがある。相手も同じように応じるので、自ずと双方の(「官」の)関係が、「悪い」が如き外観を呈することになろう。
 しかし、実は、双方の多くの国民が「政治家と国民は違う」といった感覚を持っているのではないか。ネット上に現れる中国人の言葉(但し、翻訳文)には、「日本の政治家は嫌いだが、国民は好き」、「日本の政府と国民は別」といったものが並ぶ。そうであれば、政治や官の面の「関係」に就き、我々は、徒に一喜一憂せず、先ずは「我々にして初めて出来ること」、「我々こそがやるべきこと」を着々と行うべきであろう。そして、双方の「政」・「官」も、心あらば、密かに、それを支援する、というのが美しい姿ではないか?
 ごく最近は、双方の各方面の努力が功を奏し、関係は「好転」している、と言われる。それが完全に復調するよう、我々協会は、民間の最たる存在として、努力したい。