会報『日本と中国』

トップページ > 会報『日本と中国』 > ニュース一覧 > 2012年 11月15日号のニュース

ニュース詳細

ニュース2012年 11月15日号のニュース

「原点に立ち戻った交流を」 都知事交代で東京・北京の都市交流好転か
交流回復への思いを語る宇都宮会長 交流回復への思いを語る宇都宮会長。
11月1日、衆議院第二議員会館で

 東京都と北京市の友好都市関係が好転する可能性が出てきた。日中両国の首都でもある両都市の交流は30年以上の歴史をもつ。しかし、中国に友好的ではない石原慎太郎氏が長く都知事を務めた時期の交流は、決して「活発」と言えるものではなかった。その石原氏は10月31日に都知事を辞職、これを関係改善への好機ととらえている人は少なくない。民間の立場で常に友好活動をリードしてきたNPO東京都日中友好協会の宇都宮徳一郎会長は、「もう一度、原点に立ち戻って積極的に交流してほしい」と強い期待感を示している。

宇都宮徳一郎・東京都日中会長に聞く

 東京都と北京市が友好都市関係を結んだのは1979年3月14日。日中平和友好条約締結の翌年であり、その交流の歴史はすでに33年にわたっている。

 友好都市締結時に交わした議定書には、「(この締結は)友好都市間の往来を通じて、日中友好事業のために絶えず新たな貢献をすることを目的とする」と記されている。さらに首長同士の定期的な会合・交流についての明記もあった。

 しかし、99年に石原氏が都知事に就任すると、石原氏の中国に対する挑発的な発言などもあり、両都市間の友好交流は少しずつ冷え込んでいった。その影響は、(公社)日中友好協会など友好団体の活動にも及び、時に協会員の悩みの種でもあった。

 石原氏の都知事辞職を受け、協会は12月に決まる新しい都知事に強く期待している。新都知事には、議定書の精神に基づいた交流を進めることで、両都市関係を回復させることを求めたい。

 79年当時に東京都日中友好協会(以下、都日中)の会長を務めていたのは宇都宮徳馬氏。そして現在は、徳馬氏の遺志を継いだ孫の徳一郎氏が、昨年から会長を務めている。

 宇都宮徳一郎会長に日中の首都交流復活への思いを聞いた。

 石原都知事の時代、両都市の交流は非常に限られた形で行われていた。都日中も、なかなか都の支援を直接受けることができず、苦労しながらの14年だったと認識している。

 そういった意味で、理由はともかく、今回の辞職には正直ほっとしている。新しい都知事には、もう一度、原点に立ち戻っていただき、積極的に交流を進めてほしい。日中両国の関係がこうした困難な時だからこそ、首都同士の友好交流に力を注ぐべきでもある。

 過去の長い歴史を見ると、東京都が、北京市との友好活動に積極的に関与してくれた時期もあった。われわれとしても、新しい都知事に対して「友好の原点」を理解してもらうための働きかけを積極的に行っていきたい。

 起きてしまったことは仕方がないが、今回の尖閣問題は、石原前都知事が米国で島の購入を表明したことがきっかけにある。これによって、民間交流でも、東京がいち早く影響を受けた。特に、日中国交正常化40周年の記念行事の延期や中止が相次ぎ、準備にご尽力いただいた自治体や関係者の方々には多大なご迷惑をかけた。また、交流を楽しみにしていた子どもたちやその家族の気持ちを台無しにしてしまった。非常に反省している。

 「中国が悪い」「日本が悪い」ということではなく、両国の相互理解の促進につながる交流のチャンスを失ってしまったことが非常に残念でならない。交流がなければ友好など無い。石原前都知事は、こうしたことへの責任の大きさ、重さを十分理解していないように思えた。次の新しい東京都のリーダーには、草の根交流・民間交流の意義、そして「二度と戦争はしない」などの“日中友好の原点”をしっかりと理解してほしい。われわれ都日中も、東京都をしっかりサポートしていくつもりだ。

 今後は、官民一体で連携をしながら、東京、北京の両都市の友好発展のために取り組むことを望んでいる。

(公社)日中友好協会が第4回理事会 日中関係の打開に向け話し合う
日中関係の改善に向けた討議で意見を述べる加藤会長(中央) 日中関係の改善に向けた討議で意見を述べる加藤会長(中央)。

 (公社)日中友好協会は11月1日、東京都千代田区の衆議院第二議員会館で第4回定例理事会を開いた。加藤紘一会長はじめ24人が出席し、尖閣問題で冷え込んだ日中関係の改善に向け、協会の役割や立場などについて意見を出し合った。大薮二朗常務理事が議長を務めた。

 議事に先立ち、8月に北京で中日友好協会などと主催して開いた「日中友好交流都市中学生卓球交歓大会」と、9月に閉幕し、協会が共催した「恐竜王国2012」などについての報告が行われた。

 その後の議事は、常務理事の役割分担や補正予算などについての討議を先に行い、常務理事の役割分担に伴い、協会事務局長の高野倉和央理事が常務理事に就任した。

 日中関係の改善に向けた討議では、それぞれの理事が各地の現状や見解を述べた。

 出席した理事からは「『対話の促進』を要求し続けることが大切」「中国の政府関係者は『民をもって官を促す』とよく口にしてきたが民間交流が影響を受けている。おかしいことは強く主張すべき」「各地の都道府県協会、地区協会がもっと自信をもって友好都市と交流していこう」などの意見が出た。

 加藤会長は「各地の協会員や日中友好を願う人たちのメッセージを集めてはどうか。中国側も加わればさらに良い」と提案した。

 議事ではまた、「現状打開と当面の具体的交流推進について」と題した当面の活動方針(案)も提示され、各理事が意見を出し合って、内容を一部修正して決定した。当面の活動方針は、中日友好協会と協議する。

 このほか、2013年の新年会を来年1月23日に東京で開催することを決めた。

30人が練習の成果を披露 千葉県日中がスピーチコンテスト
自分の番を待つ出場者には緊張した表情が見られた 自分の番を待つ出場者には緊張した表情が見られた

 千葉県日中友好協会(早川恒雄会長)は10月27日、千葉市国際交流プラザで、中国語スピーチコンテストを開催した。昨年より10人多い30人が参加し、日頃の勉強の成果を競い合った。

 スピーチ部門では、「直言不諱的交流」(遠慮のない率直な交流)の題で、中国留学中に交わした本音の議論や、中国人学生との交流を通して、中国語教師を目指す決心を固めた体験をスピーチした野村愛美さん(神田外語大学)が千葉県知事賞を受賞。また、入馬晶子さんが千葉県日中友好協会会長賞を受賞した。

 朗読部門では、神田外語大学の高杉健汰さんが千葉県議会議長賞を受賞したほか、成田国際高校の芝田翔哉さんに(財)ちばコンベンションビューロー会長賞、蒲生忠明さんに成田市長賞が贈られた。

 審査員からは「どちらの部門もよく練習の成果がでていた」とのコメントがあり、出場者の努力を褒めた。

審査中の空き時間に開かれた同県四街道日中の会員らによるカラオケ道場では、参加者たちの緊張もほぐれ、みんなで合唱した。

石川県日中が遼寧省を訪問 省対外友協と交流開始で合意

 石川県日中友好協会(古賀克己会長)は10月10日から5日間、訪中団を派遣した。古賀会長を団長として会員ら17人が、県内4市と友好関係にある遼寧省を訪れた。

 瀋陽市では、木多義隆事務局長が陳鉄城・省対外友好協会会長=省中日友好協会会長らと懇談。交流推進について意見交換し、来年度から省対外友好協会と同日中の交流を開始することで合意した。陳会長は「都市間交流だけでなく、環境、リサイクル、食品などの日常生活に即した交流も行っていきたい」と述べ、交流拡大に意欲を示した。

 大連市では、訪中団を歓迎して市教育文化交流協会主催の懇親交流会が開かれ、王洪俊市外事僑務弁公室主任や、趙亜平市教育文化交流協会会長らも出席。さらに相互の友情を深めた。

 また、同じ石川県の河北地区日中友好協会が交流を続けている、同市旅順口区の外事弁公室への表敬訪問も行った。

地元中学生に対して中国講座、NPO香川県日中
中国語の新聞を使って講義する武田事務局長 中国語の新聞を使って講義する武田事務局長。
三木中学校の教室で

 NPO香川県日中友好協会(藤井賢会長)は9月26日、同県木田郡三木町立三木中学校で国際理解講座を開いた。同校の3年生25人に対し、武田直士・同日中事務局長らが講義や中国語、中国武術の指導などを行った。

 同校では毎年、生徒の国際理解などを目的とした活動を実施。同日中はこれに協力し、中国に関する講座などを開いている。

 当日は武田事務局長が協会の活動紹介と、「中国と日本の生活習慣や文化の違い」をテーマに講義。「中国を正しく理解するにはマスコミや他人の意見に流されず、自分の頭で考えることが大切」と強調すると、生徒らは納得した様子だった。

 午後は高松大学の李佳坤講師が中国語を、泉憲佑・同日中理事兼事務局次長が中国武術を生徒らに指導した。

 生徒らの感想文には「中国人が日本をよく理解しようとしていることを知り、中国への印象が良くなった」などと書かれていた。

留学生誘ってバーベキューで交流
留学生や会員のスピーチも行われた 留学生や会員のスピーチも行われた 老若男女50人が参加(中央区日中)

 NPO東京都中央区日中友好協会(佐藤喜作会長)は10月20日、都内の国営昭和記念公園バーベキューガーデンで、「BBQ(バーベキュー)&友好交流会—日本と中国の老若男女が交流する会—」を開いた。NPO東京都日中の後援。会員や中国人留学生、他地区の協会会員、区民ら約50人が集い、自由に語り合った。

 会は佐々木昭二理事長、来賓の宇都宮徳一郎都日中会長のあいさつで開始。会名の通り、老若男女入り混じってテーブルを囲み、バーベキューやビールを楽しみながら、文化の紹介からこれからの交流のあり方まで、様々な話題が飛び出した。

 今回が初参加の人も多く、「留学生から、日本で生活している中国人が最近の日中関係についてどう感じているか、これからどのように友好関係を築いていきたいか、生の声を聞けて大変貴重な機会になった」との感想も聞かれた。

留学生27人と楽しく(豊中市日中)

 大阪府豊中市日中友好協会(田中潤治会長)は、10月13日、会長宅の庭園で恒例の留学生との交流パーティーを開いた。大阪大学の中国人留学生27人が参加し、来賓として中野寛成衆議院議員(元国務大臣)や、駐大阪中国総領事館から王君朝領事ら3人が出席。会員らと合わせて61人が集い、バーベキューなどを楽しんだ。

 同日中は今年12月に大阪府日中と府内4つの地区日中(高槻市、大阪三島、吹田市、池田市)と共催で、「西村真琴と魯迅そして日本の友人たち」展の開催を予定している。今年の会はその前夜祭としての開催で、田中会長らが同展を説明し、留学生に開催中の後援を呼びかけた。

 冒頭のあいさつで、中野議員は大臣の苦労をユーモアたっぷりに話した。王領事は「ノーベル賞受賞の莫言先生、山中博士に続いて、この中から将来のノーベル賞が出てほしい」と呼びかけ、拍手喝采を浴びた。

 交流会では、留学生との懇談の時間も設けられ、留学生からは、「日本の奨学金がとりにくい」「アルバイトが少ない」など、切実な実情も聞かれた。

 懇談の後は、全員で会員が準備した国産牛肉のバーベキューを味わい、留学生らによる合唱や、ビンゴゲームを楽しんだ。

餃子つくって日中交流の輪広げよう
60人が皮からこねた(富士市日中)

 静岡県富士市日中友好協会(渡辺敏昭会長)は9月23日、市内の丸火自然公園青少年自然の家で、「日中熱烈交流会」を開いた。あいにくの雨にも関わらず約60人が参加。水餃子と豚汁を味わった。

 今年で14回目となる交流会は、毎回「水餃子を一度作ってみたい」という人や、中国語学習者が参加。中国からの引き揚げ者や会員とその家族にとっても、楽しみな交流の場となっている。

 会では、参加者全員で水餃子作りを体験。小麦粉を練って皮を作り、あらかじめ下準備した材料を一つ一つ丁寧に包み、次々に餃子が完成した。1人で10個、20個たいらげる人もいて、味についても「最高!」との声があがった。

 最後には役員らが持ち寄った景品でビンゴゲームも行われ、野菜やトイレットペーパーなど、実用的な景品が好評だった。

ブースで販売をする留学生 ブースで販売をする留学生 地元行事に出店(函館日中)

 北海道函館日中友好協会(東出隆司会長)は9月22・23の両日、函館市で開かれた「はこだてグルメサーカス」に出店し、水餃子などを販売した。会員や留学生7人を含む約20人が参加した。

 このイベントには世界や日本各地から函館と縁ある都市の美食が集結。函館と天津が友好都市関係であることから、同日中は「開港都市と姉妹都市の広場」にブースを構えた。

 ブースでは手作りの水餃子と麻マーホワー花兒(天津の銘菓)を販売。水餃子は大人気で、初日に2日分を完売。留学生らは現場で調理と販売に大わらわ、予想以上の売れ行きに驚いた。

 作業の合間、留学生らは会場を回り買い物などで函館市民と交流。市民らの温かさに触れた。

 参加した東出会長は「今の日中関係を見て心配の声が寄せられたが、国と人は別。地元市民の温かさを改めて知った」と話した。

地元留学生がそば打ち体験、松本日中

 長野県松本日中友好協会(相澤孝夫会長)は9月25日、中信地方のホテルや役所でインターンシップをしている中国人大学生5人を招き、松本市内で交流会を実施した。同日中から西田節夫理事長ら3人が参加した。

 日中国交正常化40周年を記念した中国のインターンシップ生派遣制度が今年から開始。今回の交流会は、同日中が中信地方での派遣受け入れ先を紹介したことから実現した。

 一行は、市内の製粉工場を訪問。大学生は講師の指導でそばをこね、ざるそばを試食、「おいしい」と微笑んだ。

 大学生はさらに、市内の専門学校で日本語を学ぶ留学生らとの懇談やワイン工場の視察、ブドウ狩りなどを体験。大学生の一人は「帰国したら日本人の優しさを伝えたい」と語った。

 西田理事長は「日中関係が緊張しているこんな時こそ、草の根交流を通じた相互理解が必要。途絶えさせてはいけない」と話した。

スポーツ、芋煮、カラオケで交流、美里町小牟田日中

 宮城県美里町小牛田日中友好協会(佐々木紘会長) は、10月14日、仙台市の中国人留学生らを招いて、毎年恒例の芋煮・グラウンドゴルフ交流会を開いた。案内メールが届かないハプニングがあり、開催直前に声を掛けたにも関わらず、予定通り10人の留学生が参加。大喜びの会員らと一緒に、秋の一日を楽しんだ。

 グラウンドゴルフはゴルフに似ているが、どこでも、何人でも楽しめるスポーツ。初めてプレーする留学生たちもすぐに覚え、好プレー・珍プレーが飛び出すと、どっと歓声や笑い声が起きた。

 運動の後には全員で東北地方のアウトドア料理の定番・芋煮を味わい、カラオケも開催。止まない「アンコール」の声に、中々マイクを離せない留学生もでるほど盛り上がった。

 留学生らの日中友好を大切にする気持を感じ、民間の友好活動を一層強めていこうと、確認しあえた交流会となった。