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ニュース2012年 10月25日号のニュース

相互理解の深化に期待 東京国立博物館特別展「中国 王朝の至宝」
日本初公開の『阿育王塔』(一級文物) 日本初公開の『阿育王塔』(一級文物)
北宋時代・大中祥符4年(1011)高さ119cm、江蘇省南京市長干寺地宮出土 南京市博物館蔵

 東京国立博物館で日中国交正常化40周年特別展「中国 王朝の至宝」が10月10日から始まった。初日から14日までの5日間で1万485人が訪れ、中国全土から運ばれた貴重な文物を鑑賞した。尖閣諸島購入問題の影響から、大型イベントの中止が相次ぐ中での開催だけに、日中文化交流の継続の象徴として期待がかかっている。

文化の多元性 文物自体の魅力に注目

 開幕に先立ち、9日に行われた開会式では、東京国立博物館の銭谷真美館長が「この特別展が、日中両国の本当の意味での相互理解を深める機会となれば」とあいさつした。中国大使館からも何静文化部参事官が出席した。

 特別展では「王朝の対決」というユニークな手法を用いて、各時代・地域を代表する選えりすぐりの文物168件を対比しながら展示。縦と横に多元的に広がる中国文化を、分かりやすく紹介する。

 特別展を企画監修した、東京国立博物館学芸企画部長の松本伸之さんによると、今回の特別展の注目ポイントは2つ。その1つが中国文化・美術の多元性だ。「あえて様々な地域を取り上げたのは、こんなにいろんな地域で違うものがあると伝えたかったから。それが多元的に絡み合って展開してきたのが中国文化・美術だということを感じてほしい」。

 2つ目は対比によって浮かび上がる文物その物の魅力。時代、地域、多元性を越えた文物自体の魅力を楽しんでほしいと語る。

 さらに2008年に発見され、その規格外の大きさで大きな話題を呼んだ特別出品の『阿育王塔(あいくおうとう)』(右写真上)など、日本初公開の文物や新発見の成果報告も見所の一つだ。

 特別展のチケットでは、本館で開催中の特別展「出雲—聖地の至宝—」も鑑賞できる(11月25日まで)。出雲から出土した弥生時代の銅鐸や、出雲大社の復元模型などが展示されており、日本の古代文化と比べてみるのもおもしろい。

 国交正常化40周年にも関わらず、日中関係は大きく揺れ動いている。その中でも予定通り開催ができた背景を松本さんは、「中国政府としても、文化交流の一番の軸のところだけは残しておきたい。交流の根を絶やすことはしないということだと思う」と語る。特別展が中国の文化に触れ、日中関係を見直すきっかけとなることが期待される。

現代中国作家莫言氏 ノーベル文学賞受賞
中国の作家 莫言(ばくげん)氏 中国の作家 莫言(ばくげん)氏

 スウェーデン・アカデミーは10月11日、2012年のノーベル文学賞を中国の作家莫言(ばくげん)氏(写真)に授与することを発表した。中国籍の作家の受賞は初めて。

 1955年、山東省高密県の貧しい農村の生まれ。文化大革命で小学校を中退し、兄の教科書や小説本で独学。その後人民解放軍に入隊し、85年に文壇デビューした。以後「農村の子どもの眼」で人間の欲望や残虐性、中国社会の歴史と現実を描き続けてきた。

 日本では映画「紅いコーリャン」の原作者として知られ、小説のファンも多い。また取材旅行で北海道を訪問するなど、個人的にも日本とつながりが深い作家だ。受賞には中国ばかりでなく日本からも祝福の声が上がっている。

広州交易会が開幕 日本バイヤー減少、日中関係の改善望む声も

 尖閣諸島を巡る日中の対立が両国間の経済活動にまで影響を及ぼすなか、広東省広州市で10月15日、中国最大の貿易商談会「広州交易会」が開幕した。

 同交易会は、貿易促進を目的に中国政府が主催。1957年から毎年、春と秋の年2回開かれており、今回は、国内外から約2万5000社の企業が出展する。日本からは、毎回約6000人のバイヤー(中国製品を買い付ける人)が集まることで知られている。

 しかし、先行きが不透明な経済状況に、日本のバイヤーの多くが今回の参加を見合わせているようだ。毎回、参加する企業をサポートしている日本国際貿易促進協会の担当者は「今回は、声を掛けても断わられるケースが多かった」と振り返った。

 一方、中国市場に製品を売り込む出展は、青森県や宮城県などの機械や部品メーカー、計17社が参加し、前回よりも増加した。

 参加した日本の企業関係者からは、「(日中間で)最近はいろいろな問題があるが、引き続き中国で商売がしたい。早い解決を望んでいる」との声が聞かれ、経済面での、日中の相互補完関係の深さをうかがわせた。

 広州交易会は11月4日まで開かれる。

日中経済連携の重要性、理解も

 7月に発表された日中の民間団体による世論調査で、日本人が、中国にプラスの印象を持つ理由で最も多かったのは、「中国経済の発展は日本経済に不可欠な存在になったから」だった。一方、中国人の日本に対する場合は「日本製品の質が高い」が最多で、「日本の技術は先進的だから」が次に続いた。

 両国の国民は、経済面での日中の補完関係の重要性を互いに理解していると思われる。本来、政治面でのトラブルは経済活動とは無関係だ。世間で言われている「政冷経冷」という言葉に惑わされることなく、日中の企業は、これまで続けてきた経済活動を大局的な視野に立って進めてほしい。

佐賀県日中が「日中友好の集い」開く
留学生らによるコーラスも披露された 留学生らによるコーラスも披露された

 佐賀県日中友好協会(堤清行理事長)は10月6日、佐賀市文化会館で「日中友好の集い」を開いた。毎年、中国の国慶節に合わせて開催しているもの。県内の中国人留学生や卒業生、会員、市民らが集まり、昨年をやや上回る約200人が参加した。

 堤理事長はあいさつで「国の主張が対立することはあるが、草の根交流が根付いていれば、冷静な話し合いができる」と話し、民間の草の根交流によって、信頼関係を築いていこうと呼びかけた。

 民間交流の強化を訴えた駐福岡中国総領事館霍穎(かくえい)副総領事の講演の後、参加者らは一緒に餃子や寿司など日中の料理を食べながら歓談。大学のことや佐賀県の印象などの話題で盛り上がった。

 佐賀大中国人留学生学友会の馬聞倬会長は、尖閣問題があっても日本に対するイメージは変わらないとして、「スポーツや文化の民間交流を深め、協力していき たい」と話した。

料理とゲームを満喫 福島県日中が交流イベント開催

 福島県日中友好協会(深谷幸弘会長)は9月30日、須賀川市の福島空港公園で、復興に向けて元気になろうと日中友好交流の集いを開いた。東日本大震災の被災者、中国出身の留学生や近隣市の在住者、市民ら合わせて約70人が参加し、料理やゲームを楽しんだ。

 当日は東北地方のアウトドア料理の定番のいも煮と、水餃子、羊肉の串焼きなどを協力して作り、広場で味わった。

 食後には、書道家による指で書く指字書道の実演や、二胡の演奏が披露されたほか、白河市太極拳愛好会が中心となって全員で太極拳を体験。さらに遊歩道の途中にあるチェックポイントを探すオリエンテーリングや、ビンゴゲームと多彩なイベントで盛り上がり、秋の一日を満喫した。

 「初めて口にする料理があって良かった」「中国の人と一緒に料理ができて楽しかった」などの参加者の声に、主催者側からは「反日デモがあったので開催すべきか迷ったが、開催してよかった。参加者も多く、みんな喜んでくれたのが何よりだった」との感想が聞かれた。

京都府日中が40周年記念式典 「一衣帯水」を再確認

 京都府日中友好協会(田中彰寿会長)は10月6日、京都市内の清水寺で日中国交正常化40周年の記念式典を開いた。京都華僑総会、日中親善京都府議会議員連盟との共催。山田啓二府知事、門川大作京都市長らのほか、駐大阪中国総領事館の孔多孜・玉素甫(コンドズ・ユスフ)副総領事ら来賓を含む約250人が参加した。

 式典では、野中広務元官房長官、鄭正勝京都華僑総会会長らのあいさつのほか、清水寺の森清範貫主が「一衣帯水」と揮毫。参加者たちは改めてその言葉を見つめ、日中の関係に想いを巡らせた。

 式典に続いては、中国琵琶や二胡、和太鼓など日中の伝統楽器の演奏や、ウイグル舞踊などがステージで展開され、参加者たちは日中それぞれの多彩なパフォーマンスを楽しんだ。

「国慶節・中秋交流会」に参加 広島県日中が再建後初の活動
踊りを披露する中国帰国者ら 踊りを披露する中国帰国者ら

  広島県日中友好協会(岸田文雄会長)は9月30日、広島市内の公園で開かれた日中国交正常化40周年記念「国慶節・中秋交流会」に参加した。同日中再建後、初参加の日中交流に、県・市議会議員、県在住の華僑華人や中国帰国者ら約400人が集い、中国の建国を祝った。県華僑華人総会の主催で、後援した同日中からは大谷育平副理事長や吉村淳理事らが参加した。

 当日は台風が心配されたが、午後からは快晴。国慶節と国交正常化40周年を祝うにふさわしい一日となった。

 参加費は安い上に、中華料理店を営む華僑華人らが参加者らに弁当や月餅を提供するなど、心温かいもてなしもあった。

 帰国者らは華やかな踊りや歌を披露。更に、子供たちが二胡を演奏するなど、交流会は大盛況だった。

 大谷副理事長は「再建後、初の日中交流に多くの方々が集まって、両国民が仲良くやっていけると確信した」と喜んだ。

NPO東京都日中女性部会が宮城の被災地を訪問
県日中女性委会員らと、きぼうのかね前で 県日中女性委会員らと、きぼうのかね前で

 NPO東京都日中友好協会の女性部会の古島琴子・都日中常務副会長らが9月28日・29日の両日、東日本大震災で被災した宮城県の各地を視察のため訪問した。同県日中女性委員会( 金井恭子委員長)の受け入れで、11人が参加した。

 1月の(公社)日中友好協会の理事会で、蘓武多四郎理事(=同県日中副会長・理事長)が古島常務副会長に、被災地の現状を説明。現地での物産購入だけでも復興に寄与できるとの話から、一行の訪問に至った。

 28日、一行は仙台市での懇親会に招かれた。両会員の他、江幡武・県日中会長や蘓武理事らも出席。阪神淡路大震災を経験した女性部会員がお菓子をプレゼントするなど、宮城の会員を励ました。

 翌日は女川町視察で、津波に流されなかったことから命名された「きぼうのかね商店街」で買い物をした。

 古島常務副会長は「確かに復興が進んでいないと感じた。被災地の方々はきっと、こうした現状を見てほしいのだろう」と話した。

豊橋地区日中が開原市の視察団を受け入れ 市内企業を案内
胡蝶蘭栽培会社で説明を聞く視察団 胡蝶蘭栽培会社で説明を聞く視察団

 遼寧省開原(かいげん)市の観賞用植物視察団(団長・富義泰副市長)が来日し、愛知県豊橋地区日中友好協会(伊藤般展会長)の手配で、9月9日、豊橋市内のバラ園、胡蝶蘭栽培社、観賞植物栽培社の3社を見学した。張立国駐名古屋中国総領事館総領事が案内し、伊藤会長が同行した。

 団の来日に先立ち、8月30日には張総領事が同3社などを視察。伊藤会長が同行した。

 9日に訪れた胡蝶蘭栽培会社では「中国に進出を検討準備中」との社長の言葉に、富団長から開原市への進出要請があり、現地調査の合意がされるなど、有意義な訪問となった。

明石市日中が無錫市を訪問し、旧交温める
交流夕食会で旧交を温めた 交流夕食会で旧交を温めた

 兵庫県明石市日中友好協会(松本武城会長)は、国交正常化40周年と同協会創立50周年を記念して、9月24日から3日間、友好都市の江蘇省無錫市と上海市を訪れた。反日デモの影響で参加者が減り、日程も短縮したが、松本会長以下5人が訪中し、温かい歓迎を受けた。

 明石市と無錫市は30年以上の交流がある。一行はまず、無錫市開原寺(かいげんじ)を訪問。住職の能超大師(のうちょうたいし)の歓迎を受け、精進料理に舌鼓をうった。また、定年退職した人々が学ぶ老年大学を見学した。

 25日には、同時期に訪中した明石市太極拳協会訪中団と合同で交流夕食会を開催。日中合わせて30人余りが集まった。市人民対外友好協会の雷煥文(らいかんぶ ん)名誉会長は、「このような困難な時に訪中されたことに感動しています。隣の関係・友人の関係・親戚の関係として今後も平和のためにさらに友好を進めていき ましょう」と力強く話し、参加者たちは旧交を温めあった。